●マンガを読む霊



大阪に仲の良い兄妹が住んでいました。




妹は小学生で、マンガが大好きです。



兄は、そんな妹の為に、



毎月、月刊のマンガ雑誌を買ってあげていました。




毎月13日になると、


妹も兄が買ってきてくれるのが分っているので、


楽しみでしょうがありません。








兄からマンガを受け取ると、


「お兄ちゃん、ありがとう。」と言って、


部屋にこもると






たった1日で、


あっという間に読んでしまいます。




そんな兄は、妹によく言ったものです。



「1日で読んじゃもったいないんじゃない?」







「ううん。いいの」と妹。






見てると、


何度も繰り返し読んでいるようでした。









しかし、


ある月の11日に悲劇が起こりました。



妹が交通事故にあい、突然亡くなってしまったのです。









兄はとても落ち込みました。


もうマンガをねだる可愛い妹はいないのです。









そんな妹が亡くなってから2ヶ月が過ぎた頃、


彼は、私の所へやってきたのでした。





























最近、気のせいか、


変な音が聞こえるんです。という。













「どんながするんですか?」



「誰も居ないのに、


 本をめくるような音が聞こえるんです」






「本をめくる音?」


「はい。」





「誰か、


 貴方の家で亡くなった人で、


 本が好きだった人はいますか?」





「本というか、マンガでもいいんですか?」



「聞こえる音は、マンガ本の可能性もありますか?」



「そうとれなくもないです。」



「では、マンガを好きだった人がいるんですね。」





「はい。妹です」




「妹さんは、いつ亡くなられたのですか?」




「約2ヶ月前です。」



「ああ、じゃあ、


 多分、妹さんですね」








霊は普通、人の目には見えない。



そして、その事を霊も知っている






つまり、


妹さんは、


自分が愛する兄の側にやって来ても、兄は気づいてくれない。




そんな悲しい現実も知っている。






では、そんな時、


霊はどうするかと言うと、














音とか現象とかで、


「私は貴方の側に来ていますよ。気づいて!」っと、報せるのです。






そして今回の場合であれば、



妹の霊は、こう思ったのです。







「そうだ、私、マンガが好きだったから、


 マンガを読んでいる音がしたら、


 きっとお兄ちゃんは、


 私が側に来た事に気づいてくれるかもしれないわ。」っと。








また、彼女の場合、


11日に亡くなってしまい、


あと2日で、毎月13日に楽しみにしているマンガの発売日を


向かえられなかったという無念さがあったのでしょう。








私は、


「そうですか。


 妹さん、


 毎月、貴方が買ってきてくれるマンガが楽しみだったのですね。」






一周忌を迎えるまで、


毎月13日に、



仏壇にそのマンガ本を買って


仏壇に供えてあげるようにアドバイスしました。







最初に、「一周忌を迎えるまで毎月買ってあげるからね。」


と言って、あげてください。(一生だど大変なので、期待させないように最初に断言しておくとよい)





彼は、すぐに本屋に行き、今月分のマンガ本を買い、


先月の分も取り寄せて仏壇に供えたそうです。









その後、


本の音はしなくなったという。






こころなしか、彼の妹さんが、


兄が買ってきてくれたマンガ本を、


喜んで読んでいる姿が、見えるようだった。




「お兄ちゃん、









 ありがとうね。


 大好きだよ。」