●お酒を嫌がった墓
友人の墓参りに付き合った事があった。
亡くなった友人の父親は、
お酒が大好きだったという事で、
途中のコンピニで、
お酒とおまんじゅうを買った。
その時、
友人はお酒を2つ買ったので、
私はてっきりお墓で一緒に飲むのかな。と思っていた。
しかし、
お墓に着くと、
お線香とお花をあげた後に、
1つのお酒を開けると、
お墓の墓石の上からかけたのだ。
普通、
お墓参りの時に、
墓石に水をかけるのはよく見る光景だが、
墓石にお酒をかけるのを見たのは初めてだった。
「あ。・・・」と私が何か言う前に、
友人はすべてのお酒をかけ終わった。
すると、
少したってから、
そのお墓の雰囲気が変わった。
なんだろう。
嬉しいはずの墓参りが、
なんとなく重苦しい空気となっていったのだ。
やはり、
酒を墓石にかけたのが良くなかったようだった。
私は友人に、
「墓石に水をかけていいかな、」と言って、
今かけたお酒がすべて流されるように、
多めにかけて綺麗に流した。
昔から聞いていたあること。
「墓石には水以外の飲みものはかけない方がよい」という言い伝えは、本当だったのか。
と初めて体験した瞬間だった。
これには理由が2つあるとされている。
1つは、
墓が汚れる。
水は完全に蒸発するが、
お酒や紅茶、コーヒー、サイダーやコーラなどは、
多少墓石が汚れるようである。
墓という家を汚されるとされる。
いくら仏様が生前、お酒が好きだったとはいえ、汚されるのは嫌がるようである。
もう1つの理由は、
お墓には、
お酒を好きな仏様だけがいるとは限らないという事。
中にはお酒が好きではない人がいた場合、
強制的に飲ませるようなものになりかねない。
最後に、
もう1つのお酒も、供えたが、
供える時に、お酒を好きだったお父さんの名前を言ってからあげた。
名前を呼んであげることにより、
よりその人にいくし、その人の為に来たという報告にもなる。
そして帰る時はそのお酒を持ち帰った。
ちなみに、その場で飲んであげてもよい。
友人は運転があったので持ち帰って家で飲んだ。