●水の音がする。
占いをしていると、
時々、不思議な話が舞い込んでくる。
ある日、
50代の奥さんとお祖母ちゃんとが一緒に見えました。
占いは若い方が多いので、
年配の方2人が来られるという事は珍しい。
まず奥さんが口を開きました。
「ちょっと占いとは違うのですが、」
ご相談がありまして、
「はい。どんな事でしょうか?」
「実は、夜、寝ていると、音がするんです。」
「どんな音ですか?」
「水の音なんです」
「ある時は、ピチャっと水が落ちる音だったり、
水に何か落ちるような音だったり、
またある時は、水が垂れるような音なんです」
「その水の音は何時頃するんですか?」
「夜寝てからですから、0時以降、2時とか」
「その音が聞こえるのは、貴方だけですか?」
すると、横にいたお祖母ちゃんが、
「私にも聞こえるんです」
子供さんは独立していて、
家に居るのは、奥さんとお祖母ちゃんの2人だけだという。
「すると、家族全員が聞こえる音という訳ですね」
「はい。」
「初めはどこか水道の蛇口を閉め忘れたんじゃないかと思ったですが、
家のどこを調べても水漏れしている所が無いんです。」
「そこで、もしかしたら、
どこか床下とか、見えない部分で水漏れがあるのかもしれないと思い、
水道屋さんに来てもらったんですが、
どこも水漏れが無いと言うんです。」
ここまでの話をまとめると、
夜中、寝ていると、水の音がする。
しかし、どこにも水漏れはない。
水の音は全員が何回も聞いた。
ここまでで、私が思ったのは、
水漏れが無いのに水の音。
しかも、昼間は音がしなくて夜のみ音がする。
ということは、一種の霊の音かもしれないと感じた。
また全員が聞いている事からみて、
家か土地に関係することか、二人に共通する何かである。
私は引き続き聞いた。
「その水の音は、いつ頃から聞こえるようになったのですか?」
こういう霊現象かも知れない事は、
いつ頃から起きているのかが、原因究明には重要な鍵になる。
「そうねぇ、3ヶ月前頃からかしらねぇ、お母さん?」
「そのぐらいねぇ」
「その3ヶ月くらい前に何か変わった事はありませんでしたか?」
ふたりは少し考えてから、
「3ヶ月前? とくに変わった事は無いと思います。」
「じゃあ、3ヶ月前に何か水に関係した何か変わった事はありませんか?」
「水?」
ふたりは少し考えてから、
「とくに水に関して変わった事は無いと思います。」
「家の側に井戸か川はありますか?」
「井戸も川もそばにはありません。」
「庭に池とかありますか?」
「ありません。」
家の側に川、井戸、池が無いのであれば、
何かの反響で聞こえる水の音ではないようだった。
「じゃあ、半年前くらいはどうですか、何か変わった事はありましたか?」
すると、
奥さんは、
「半年前に夫が亡くなりました。」と言ったのだ。
「何か夫の死が、この音に関係しているのでしょうか?」
「まだ分りませんが、
無関係では無いような気がしますねぇ」
「ご主人は頑固な方でしたか?」
「はい」
すると、お祖母ちゃんが、
「息子は頑固でしたが、とても良い子で、ガンで亡くなるまで、母親思いのとても良い子でした」
亡くなる時も安らかに、お礼を言って亡くなったんです。」
「息子に怨まれるような事は無いと思いますが。」
「なるほど、良い息子さんだったのですね。」
「なんだろう。」
「でも、息子さんが亡くなったのと音が関係しているような気がするんですよねぇ」
「なんか息子さん、生前に水に関して何か言ってましたか?」
「いや、水については別に何のこだわりも持って無い人だと思います。」
ここまでで私が思っているのは、
音は息子さん(夫)の死と関係がありそうだという事。
なぜなら、
音は二人とも聞いている。
原因が家や土地なら、家に住み始めた時からするのが普通だが、
夫の死後から聞こえ始める音というのは、
やはり夫の死と関係がある場合が多いのだ。
でも、
それがどうして水の音なのかは、分らなかった。
息子さん(夫)は良い人で、恨みなども無く、
亡骸も丁寧に埋葬されている。
怨みが無いのなら、何か言いたい事があるのだろうか?
水の音というのは始めてだった。
なぜ、水なんだろう。
本来なら、その家に行って音を聞きたい所だが、
行ってもその音が必ず私に聞こえるとは限らない。
奥さんとお祖母ちゃんだけに聞こえるという現象もあるのだ。
しかし、
私のある質問をきっかけにして、
水の音の正体が、
徐々に顔を見せ始めたのである。
そして、
私達は、
意外な結末へと導かれていくのである。
そのきっかけとなった質問とは、
「亡くなったご主人の趣味はなんでしたか?」
後半は、明日につづく。