●昆虫の母
稀な事ではあるが、
人間の霊が昆虫に憑依することがある。
私が感じた例では、クモや蝶がある。
こんな例があった。
千葉の房総半島に、
とても庭いじりの好きな母親がいた。
花が大好きで、
一年中、色とりどりの花を庭に咲かせていた。
花壇はもちろんだが、一人息子の洋一をも、とても愛していた。
よく二人で花壇に水をあげていた。
そして、二人は花だけでなく、
花に寄ってくる蝶やハチ達に対しても、とても親切だった。
蜜の美味しい花を選んで育て、
クモの巣などは張らないように毎日注意した。
そして毎年、
とても綺麗な花壇が庭にできあがっていた。
しかし、
悲劇は突然やってきた。
元々、体が弱かった母親は、病気が再発し、
一人息子を残して亡くなってしまったのだ。
父親と知り合いだった私は、
彼の葬式に参加していた。
そこで不思議な体験をしたのだ。
お焼香が終わり、
棺が車に積まれる時、
まさにその時である、
一人息子の頭に一匹の蝶が留まった。
そして、息子のまわりを飛び回ったのだ。
息子が棺を持って、霊柩車に入れるまで、
ずっとその蝶は息子の周りだけを飛び回った。
私は、その蝶に、その子の母親を感じた。
車のサイレンが鳴り、車が息子から離れていくと同時に、
やがて蝶は天に向かって飛んでいった。
私は息子さんに尋ねてみた。
今、そばにお母さんが居たの分る?
すると、
なんとまだ幼い息子さんは、言ったのだ!!
「知ってるよ。」
「お母さん、
ベッドで お別れする時、言ってた。」
「洋くん、
お母さんがいなくなっても、泣かないでね!」
「蝶になって会いにいくから、淋しがらないでね。」って。
だから、ボク淋しくないよ。
お花に、お水あげてると、時々、
母さんが会いに来てくれるから。