●エコバッグ
ある歌手のコンサートに行った時のことである。
会場の一角にコンサートグッズが売られていた。
その中で、コンサートグッズらしからぬものがあった。
なんだろう?
日本の生地らしからぬ、土・草を連想させられる色。
あっ、エコバッグ?
これが本当の意味でのエコバックかもしれない
と思う時がやってきたのは、
1年も過ぎたある日、雑誌を見た時であった。
日本から遠く離れたある村に、
4人家族が住んでいた。
父・母・姉・弟
普通の家族とはちょっと違うのは、
父親は大怪我をしていて、
母親が病気だった。
家族を支えていたのは9歳の娘だった。
「ママ、これ食べて早く治ってね。」
「ありがとう。ノービ」
「美味しい?」
「うん。美味しいよ。でもノービは食べないのかい?」
「私はおなか空いてないの」 9歳の娘はウソをついた。
母親はたいした病気ではなかった。
しかし、病院に行くお金が無かった。
ただそれだけ、
ただそれだけで、最後をむかえた。
「ママ、これ食べて元気になって!!」
しかし母親の口はもう動くことは無かった。
「ママー・・食べないとダメだよ」
「ママ?」
母親は娘の腕の中で息を引き取った。
9歳の少女にはむご過ぎる現実だった。
しかし、
少女には泣いている暇はなかった。
もう家族を失いたくない。
職であればなんでもやった。
そんな時である。
危険地帯でもあるこの村にある日本人歌手が訪れた。
「明日の食べ物にも困る、そんな人達が こんなに!」彼女は絶句した。
町の人から、ノビテワ(ノービ)という、13歳の少女の話を聞くと、その少女の家を訪ねた。
まだ幼いという年齢なのに家族を支えていた。
朝から晩まで洗濯物と格闘し、合間に子供のおもりをしていた。
子供が子供をおもりする。それだけでも驚きだったが、
病気の父親と幼い弟の食事も作っていた。
働き者の自分はあまり食べずに。
「頑張ってね。応援するよ。お父さんもきっとよくなるよ」
彼女は少女に労いの言葉をかけた。
しかし、少女はきっぱりと
「みんなそう言って、二度とここには戻ってこないんだ!」
「優しい言葉だけならいらない!」
「多分父はもうダメだ、でも弟は絶対私が守るんだ!」
反論できなかった。
今の自分に何ができるというのだ。
せめてこう言うのがせいいっぱいだった。
「約束するよ。また来る」確約できない約束をした。
少女は無言で沢山の洗濯物を抱えながら、去っていった。
気丈で冷たそうに見えた少女だが、
村を発つ日、
外に干してあった私の服の胸ポケットに沢山の花がささっていた。
彼女がくれたんだ。分かる。
スタッフが、「この辺の雑草ですね、捨ててきますよ」
「雑草じゃない・・・・」
「雑草なんかじゃない」
それから1年が経った。
少女にとって辛すぎる1年が過ぎた。
父が死んだ。
そして弟が病気になった。
長引けば、また母のように・・・・・
自分の境遇に涙が出てきた。
もし、奇跡があるなら、弟だけでも助けて・・
自分の今の稼ぎでは食べるのにせいいっぱいなのだ。
医者にかかるお金は稼げない。
また涙が出た。
こんなに働いても、弟を守れない自分に。
そんな少女の涙の先に・・・
幻のように、1人の女の人が立っていた。
そこには、
1年前に出会った日本人歌手がいた。
ふたりは抱き合った。
「戻ってくる。そう言ったよね!!」
「うん・うん」少女は泣いた。
「ホントはね。信じてたよ」
弟を医者に連れてった後、
ふたりは、町に出て、生地を見て回った。
「こんな色いいな、日本にはない。」
「ここの土や草を感じさせる。」
「私、みんなを集めて、バッグ作るよ!」
「そして医者になってみんなを助けるんだ!」
「話はついてるから、みんなが作ったバッグは私のコンサートで売る。」
そうMISIAは約束すると、少女と抱き合った。
ケニアを飛び立つ前に、下の歌を
集まった子供達にプレゼントして・・・