●太らん姫
(かや博史作寸劇)
ホールから叫び声が・・・「姫! 姫!」
「どうしたの?爺や」
「大変です、誰かが、・・・・昨日用意したケーキが見当たりません。」
「それだったら、昨日私が全部食べました。」
「な、なんと、全部でござりますか?」と爺は驚いて聞き返した。
「全部です。好きだった俳優が結婚したので、やけ食いですわ」と姫。
「それはいけませぬ、明後日は舞踏会があるんですよ!!!」爺はあわてて姫に詰め寄った。
「もうドカ食いした後ですもの、遅いわよ!」と姫
「それは違います。大食いした時は、実は、翌日が非常に大切なのでござります。
脳は昨日食べた分を翌日にどう処理するか考えるのでございます。
もし今日も普通通り食べるなら、昨日食べたオーバー分を脂肪にして保存する(太る)方にし、、
今日が食べる量が少なければ、昨日のオーバー分を本日分にして脂肪にしない(太らない)ようにするのでございますよ。」と爺が力説した。
「そうなんだ、では本日の朝はいつもの半分でパン一枚にいたします。」と言って、
姫はいつもの半分の朝食を食べました。「昼は抜きますわ」と姫。
「では今日は学校の遠足に行ってきます。」と爺に言った。
「水筒をお持ちください。」爺が紅茶の入った水筒を手渡すと、
姫は、「水は、水太りするから嫌じゃ、いらぬわ、爺」と姫。
「たしかに今の梅雨時期は湿度が高いので、
水分が抜けにくく水太りやすい時期でございます。
(湿度が高い=水太りしやすい)
そこで爺は、色々調べまして、紅茶か、はと麦茶が水太りしにくいとわかりましたので、
水筒には紅茶を入れておきました。」と爺がまたまた力説した。
「そうなんだ、じゃあ持ってくわ、午後の3時のおやつの時にでも飲みますわ」と姫は受け取った。
「なりませぬ、午後はなりませぬ、水太りしやすい人は、
水分は午後の分も午前中に飲んでおかねばなりませんぬ」と爺。
「なんでじゃ?」
「午前中は、体の水分排泄機能が高いので、
午前中に飲んだ水分は水太りしにくいのでございます。」と爺がまた力説。
「はいはい、分りました。では行ってきますね。爺」
「行ってらっしいませ。
12時の鐘が鳴り終わるまでに飲むのでございますよ。
12時の鐘が鳴り終わるまでにですぞ、 シンデレラ」