ブログネタ:あなたの4月のベストブログ記事は?
参加中これは実話です。
思い出しながら書いていますので、違う部分もあるかもしれませんが、
亀が顔をさすっている場面は全国ネットのテレビで流れたので、
今もどこかの民放に保管されていると思います。
●亀のトロ吉。
約40cmX約60cmと、亀を飼うには大きいとは言えない水槽に、
2匹の亀が飼われてました。
図体の大きい方がオスで亀吉。小さい方がメスで亀子と名づけられました。
亀子は活発で、ヤンチャ娘といったところ。
亀吉はおっとりしてて、どっしりタイプ。
餌をあげる時は、水槽をコンコンとたたてからあげました。
亀子は、水槽をコンコンとたたくと、餌が来ると思い、活発になったが、
亀吉は、いつも寝ているままだった。
亀子が腹いっぱい食べた頃に、
亀吉がやっと起き出してきて、残りの残飯を食べてるのが習慣となっていた。
日にちがたつにつれ、みんなは亀吉のことを、トロ吉と呼ぶようになっていた。
餌をやりながら、
「おいトロ吉、早く起きて食べないと、亀子に全部取られて、無くなっちまうぞ!」
「ったく! トロいんだから」
ある日、トロ吉の大好物を買ってきた。
大きい方をトロ吉の側に、小さい方を亀子の側に置いた。
しかし、トロ吉がもたもたしている間に、両方とも亀子に取られてしまった。
「トロ吉のバカッ!もう無いぞ、トロトロしてっから・・・」
トロ吉はそれでも、わずかに残ったカスを美味しそうに食べて満足そうだった。
悲劇は突然やってきた。
ある日、仕事で3日明けて家に帰って来ると、亀子が死んでいたのだ。
その時の映像が全国テレビに流れて、多くの人を感動させ、涙を誘った。
なんと、トロ吉が、死んだ亀子の顔を、何時間も両手でなでていたのだ。
「亀子、お願いだ、目を開けて! 目を開けて・・亀子・・・」とでも言っているように
何度も何度も、亀子の顔をなでていた。
私には、亀も涙を流すんだと、目に光るものが見えたように思えた。
トロ吉は、生き返るはずもない亀子のそばを決して離れることはなかった。
テレビの放送でも上のようだとコメントしていた。
トロ吉!、おまえ!
おまえ、ホントは、トロ吉じゃなかったんだな!・・・・・ゴメン
亀は万年と言われているけど、その後、トロ吉は長くは生きなかった。
庭の片隅に、小さく2つ、仲良く並んだ墓がある。
一つは亀子のお墓。
そして、もう一つのお墓には、
愛吉と書いてある。