大阪フィル第527回定期演奏会へ行く | クラシック音楽三昧

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音楽は無くても暮らせるけど素敵だよネ 笑



藤倉大 レア・グラヴィティ
マーラー交響曲9番

尾高忠明
大阪フィルハーモニー交響楽団
2019年4月13日15時開演フェスティバルホール

なんとも言えないけど、深く心に残るそんなコンサートでありました

既にニュースでも周知のこともかもしれませんが、マエストロ尾高忠明は癌療養のため一時活動休止を発表し、療養前ラスト定期演奏会
しかも楽しみにしていたマーラー交響曲9番

コンサートに行く数日前
私が大好きで、その音楽性を敬愛してやまないマエストロ尾高忠明のショッキングなニュースが入ってきた
心配しながらコンサート入りする

本日の会場のプレトークは、いつもより人集りが多く、マエストロの病状等質問があった
私も心配でなにか情報が聞けないかと立ち聞きする

マエストロのいつもどおりの入場
目が釘付けとなる

藤倉大
武満徹以降、細川俊夫に続く世界的な日本の代表的現代作曲家の一人
私は藤倉大氏の作品は作曲家臨席の世界初演を幾多、名古屋フィルで聴いている
現代音楽を得意とするマーティン・ブラビンズ音楽監督時代の名フィル時代、コンポーザーインレジデンツであったからだ
単なる名曲演奏聴き比べプログラムでなく、日本のオケで一番最先端な現代音楽を紹介していたブラビンズ時代に現代音楽の知見が広がり、今となれば感謝であります
聴きやすい作品でありました
日本の最先端の現代音楽を合わせて紹介して下さるマエストロ尾高のチョイス流石だなと勝手に感じます

マーラー9
鬼気迫る
記憶に残る大名演であったなと勝手に感じます
音盤に例えなら私にとって好きなワルター、バルビローリ、バーンスタイン、アバド盤に匹敵するものを感じました
マエストロ尾高の芸風にもあっていると感じ、聴く前から素晴らしいものになりそうだと楽しみにしていました
しかしながらマーラー自身も怯えながら作曲した9番
今回のコンサートに不吉な気持ちも勝手に感じ入り、多少感情移入しながらも聴き始めたのも言うまでもない

1楽章から鬼気迫りグイグイと
4楽章は途中から涙止まりませんでした
ラスト近くあのような表現をされては、、、
止まるかと消えるのかわからないような弱音で音楽を進めるマエストロ
大阪フィルもかなり深い表現をしてマエストロ尾高と一体化していたと思います
聴いている観衆も張り詰めた空気で、咳1つなく聴きいっていました
空間が音楽に釘付けになる
そんなにないかと思います
マエストロ尾高が大フィル就任定期ブルックナー8の3楽章を聴いていたとき以来
燃え尽きたマエストロがタクトをゆっくり下ろすと、自然なブラボーが飛び交い、観衆総出で大拍手が続きました 
いやブラボーというより、叫びに近いもの
楽団員も足で賞賛をあらわす
大拍手が続く


拍手に包まれながら
マエストロ尾高からコメントがあり
「まさか私が病気になるとは?100パーセントお医者さんが治るというので信じています。また戻ってきます」という旨の明るくトークをされ、再び大拍手に会場は包まれました

尾高先生。みんな待ってます