よくとんねるずの「食わず嫌い対決」の番組を見ながら、「涙が出るほど苦手な食べ物があるって、ちょっとうらやましいかも!」なんて悠長にいっていたけど、いざ現実になると、完全にトホホな気分である。そういえば小学生のころ、眼鏡が羨ましくて、暗闇で読書したりしてわざと目を悪くしたことがあったな。でも、実際に眼鏡をかけてみると、そらもう似合わないわハマらないわで、本当に後悔したものだ(今も後悔している)。そして今、まさに同じ気持ちを味わっている。もちろん悪阻は避けようがないのだけれど。
しかし、かつては好きで好きで仕方なかったものがある日を境に急に食べられなくなるって、何というか、とてもとても切ない。だって、身体では受けつけなくても、心は欲しているのだから。そういう意味で、初めから嫌いなのと、急に嫌いになってしまうことのあいだには、月と太陽くらいの違いがある気がする。男女の関係みたいに、嫌よ嫌よも好きのうちとはならないものか(ならないね)。
あと、ひとりで食べるより、たくさんの人と食べるほうが俄然食欲が出る。そして味わいもグッと深くなる。不思議なことに、食べる環境にも、すこし敏感になっている気がするのだ。
何だかんだ考えると、食べるって、本当に精神行為なんだよなあ。しみじみそう思います。