大和市議会では21日まで一般質問が行われています。私は20日午前に登壇しました。

 

 

 大木哲市長は、一定の所得がある一部世帯で自己負担が生じている小児医療費助成に関し、「所得制限廃止に舵を切る時だと判断した。令和5年4月からの廃止に向け、取り組みを進めたい」と述べ、中学生までの完全無償化に踏み切る方針を示しました。

 

 大和市では、県の助成制度に上乗せする形で、中学3年までのお子さんの小児医療費を助成しています。ですが、0歳児以外の助成については所得制限をかけており、一定の所得を超えた世帯(対象世帯の約6分の1)は自己負担する形となっています。

 

 市が従来の方針を転換する背景には、近隣市を中心に所得制限廃止の動きが急速に広がっている現状があります。

 

 大木市長は「子供の医療制度は、国として全国統一的な対応が図られるべきであり、今後も国に対して求めていく」と強調しつつも、「国の制度創設を待っていては地域間格差の広がりとともに、強い不公平感を引き起こす」と説明しました。そのうえで「子供たちが等しく必要な医療を受けられる環境を整え、健やかな成長と健康の増進を支援する。『子育て王国』を標榜する本市として、子育てしやすい街、子育て世帯から選ばれる街を目指す」と表明しました。

 

 小児医療費は、義務教育における教科書が全国一律で無償化されているのと同様、ナショナルミニマム(国が国民に保障すべき最低限のサービス)と捉えることができます。なので、市長の答弁にあるように、本来は国が統一的な制度を創設するのが本筋です。私自身も、自治体の財政力などによって地域間格差が生じてはいけないと考えます。

 

 

 所得制限撤廃をはじめ小児医療費助成をめぐっては、議会でもこれまで様々な要望が出ていましたが、今回の質問を一つの契機として、大和市が完全無償化に踏み切る方針を示した(※最終的には議会が審議して判断することになります)ことは、非常に大きな決断だと捉えます。
 

 ただ、ナショナルミニマムを補完するために自治体がそれぞれ財政支出するのは本来のあるべき姿ではありません。国による制度創設に向けて、私自身も地方の立場から、何らかの形で取り組めればと存じます。

 

 録音データをこちらで起こした市側の答弁内容については、ブログに別途まとめました。是非、ご覧ください。

 

<追記>小児医療費助成に関する県内各市の状況を図表にまとめています。私は存じませんでしたが、座間市も所得制限撤廃に踏み切るそうなので、ご留意ください。