弱弱しい蝉の鳴き声が昨日聞こえました。目黒で10/1に聞こえるのは覚えている限り一番遅いです。東証の方角からと感じたのは気のせいでしょうか。

 

 

 

マーケット

東京は閉店。株式が調整局面に入って1か月、動きが出てきました。今回も想定通り、ナスダックが最初にリカバリ、S&Pと続きます。バブルだ、高い、ヤバいと言っているうちは下がらない。それが当たり前になって忘れたころに落ちるのが定石です。

 

【オレンジがナスダック100、白がS&P500、日経平均は紫】

 

 

 

クレジットから資金が流出しています。特にハイイールド債券(HY)からの資金流出が顕著。クレジットサイクルは今後悪化していく局面なので、買える環境ではない。倒産件数も米国で増加してきている。投資家は仕方なく買っていたのが実情だ。

 

 

 

ローンもコロナの影響で劣化していく中、有価証券のクレジットリスクを追加で取るのは方針が分かれます。下段は世界最大の投資適格社債ファンドとHYファンドの資金流出入の推移。HYファンド価格は8/6にピークアウトして、344BP下落。その間アセットは20%流出しました。3兆円ファンドの20%なので約6000億円。投資適格社債の資金規模が横這いなのと対照的です。

 

【オレンジがHY社債、紫が投資適格社債ETFの資産規模】

 

 

 

BBBの債券は黄色信号がともっています。格下げされるとすぐにジャンク。仕方なく買っていたクレジット投資家は、シートベルトを締める時期に来ています。筆者が見ている国内社債では、HISとサイバーエージェントに動きが出ている。債券は相対取引なので、東証が閉じていても取引は可能です。サイバーエージェント債券はレンジを抜け高値更新。無格付けですが質の高さが投資家に評価されています。HIS社債は下げ止まらず、決算で株価は一段落しましたがクレジット懸念が払しょくされません。

 

 

 

日米景況感

景気サイクルを見る際に日米の景況感を比較すると面白い。近時の景気サイクルでは日本の落ち込みが深く、米国のボトムアウトより日本は後ずれしているのが特徴です。米国は2018年夏から景気サイクルが変調をきたしていました。日本は2019年末まで悲観的な見通しがなかった。後退局面入りも回復局面入りも、後ろズレするのが日本です。

 

【じぶん銀行】

 

 

 

より長期でみると日米の景気のブレ幅に違いはあるがおおむね連動しています。日本の1980年代末期は平野ノラさんご指摘の通り狂っており、米国が後退局面に入るなかでもぶっ飛んで活況を呈していました。平成元年(10/2に昭和から平成)のバブル以降の景気サイクルでは、米国が先導している様子がわかります。

 

【日銀、フィラデルフィア連銀】

 

 

 

大企業と中小企業の景況感

日本は労働生産性の低さが指摘されます。中小企業は好調な景気サイクルで大きく刈り取れていません。景気サイクルの上昇局面ではレバレッジが効かず、羽振りがよくならない。(筆者の父親も1980年代の好景気の恩恵のおこぼれを受けていた)下降局面では大企業同様に下げる。景気の山から谷の幅はほぼ同じですが、谷から山は同じでない。

 

 

 

直感的には中小企業の方が好景気の恩恵を受けて、上にも下にもぶれるかと感じます。実態は違うようです。あくまで景況感なので感じ方。収益とは一でない点には注意が必要です。

 

【日銀短観】

 

さてさて、システムがダウンさせられないことを祈って!