雨ばかりの日々から抜け出し、東京も梅雨明け。セミの鳴き声は全開、夏っぽくなってきました。海、プール、BBQ、、、欲望を抑圧し過ぎるとヒトは爆発します。

 

 

JRの決算と外出自粛

4-6月期決算で大打撃を受けた業種に鉄道がある。JR東海の売上は前年同期比73%減、JR西が55%減、JR東海が55%減だった。営業利益率はJR東海が43%、JR東が14%、JR西が12%で、収益性はJR東海が抜きんでている。プライベートジェットの需要が好調との皮肉が聞こえるが、売上が7割減ったら通常なら倒産だ。

 

 

失業率と昭和恐慌

ところで、世界恐慌では個人所得、税収、利益、物価が全て下落し、国際貿易は50%以上減少した。米国失業率は23%、一部の国は33%まで上昇したという。日本では、大正末から昭和初期が大量失業の時代だった。第一次世界大戦のブーム終焉、関東大震災、昭和2年の金融恐慌と、慢性的不況に襲われた。当時のきちんとした統計はなく、内務省のデータでは昭和5年5月の失業率が5.3%だったとか。

 

下働き、日雇い労働で就業機会をもったが、実はもっと深刻だったようだ。最悪なのが農業恐慌で“娘の身売り”が大量に行われたのもこの時期。大学を卒業しても就職出来ないインテリも増加した。インテリ供給が増大したが需要は縮小。昭和5年(1930年)の卒業生の就職率は大学卒で39.1%、専門学校卒が43.8%。不満を持ったインテリが、マルクス主義を労働組合や農民組合の運動にもちこんだとか。

 

先月の各国の完全失業率は、3%~16%だった。日本は世界中で最低だ。職を選ばなければ、何かの仕事に付けるということらしいが、コロナ危機で失業率が上がらない点に違和感を感じる。

 

【総務省統計局】

 

エヌビディア(NVDA)

テスラの時価総額がトヨタを超えたが、今回は半導体業界でも同様の現象が起きた。NVIDIAがインテルを時価総額で抜いた。NVDAのPERは55倍、INTCは10倍と5倍以上も開きがある。ちなみにアマゾンは93倍だ。NVDAの歴史を遡ると興味深い。LSIロジックを退社したメンバー2名で1993年に設立。最初のGPU、「NV1」はセガの『バーチャファイター』で使用されている。

 

LSIは元々、フェアチャイルドセミコンダクターを止めた人が1979年に半導体製造企業として創設した。ファブレス半導体製造モデルの先駆け。2007年にはルーセント・テクノロジーの半導体Agere Systemsと合併。2014年アバゴ・テクノロジーによって買収され消滅した。

 

パソコンの処理能力を決めるのがCPUとGPUですが、メインの処理はCPUでGPUは画像処理機能。アイコン表示から、映像再生に機能がシフトしていく過程で、NVDAのGPUの需要が高まった。3DグラフィックはGPUの処理能力の大きさがカギで、3Dゲーム、高画質重視のユーザーはGPUで妥協しない。

 

NVDAの次の転換点は1997年。シリコングラフィック(SGI) の技術者が続々と参加し、PCグラフィックチップの筆頭メーカーとなった。ハリウッドでしか作れなかった3D CGが、個人のPCで可能となった。SGIは元々業務用コンピュータの開発・製造・販売会社。コンピュータ・グラフィックスに特化した最先端の製品を開発し続け、絶大な影響を与えた企業だった。1990年代までは世界最高性能を保持。特に大規模商業映画におけるCG制作でデファクトスタンダードだった。

 

ところが2000年代に入り、画像処理分野に安価で十分な性能を持つアーキテクチャが普及すると、高価で性能面の優位性がない上に互換性もない自社専用アーキテクチャーは行き詰まる。画像処理分野における優位性が失われた。その後は科学技術計算の大型計算機を中心としたビジネスに移行したが、2009年連邦倒産法第11章の適用を申請。2016年にヒューレット・パッカード・エンタープライズに買収された。

 

NVDAのエンジニアは、LSIとSGIの流れを汲んでおり、技術はそこからもたらされている。沈んでいく会社を飛び出して新しい事業にに賭けた人達がインテルを超えた。NVDAでは、CPUを自社製GPUに統合したTegra、スーパーコンピュータ用Tesla、ゲーム用GPUのGeForceの3つにフォーカスしている。ディープラーニングブームの波に乗って一気に成長しており、人工知能、自働運転分野では圧倒的な地位を確立した。並列計算機に設備投資が集中しGPUが売れ過ぎたため、1人あたりの購入枚数に制限するほどだったとか。

 

 

下段はインテル(点線)とエヌビディア(青線)のPERの推移。2015年から市場の評価はインテルでなくエヌビディアへ傾斜していった様子がわかる。アマゾンのPERは93倍です。ブランド品と一緒で、いいものは高くても買うということです。

 

【各種資料より筆者作成】

 

 

筆者はエンジニアでないので、プロセッサ⇒FPGA⇒ASICへの発展の流れがイマイチ理解出来ません。図で示すとこんな感じらしいです。

 

【各種資料より筆者作成】

 

プロセッサはCPUとメモリ。FPGAはプロセッサを並べてRAMではさむ。FPGAは回路を自由に書き換えながらハードウェア自体を変更できる。ASICはプロセッサ自体を自由に組み替えられるそうで。。誰かわかりやすくCPUの進化を講義してください。