第1696回例会山行 原山  | 広島山稜会のブログ

広島山稜会のブログ

西中国山地を歩いて64年

第1696回例会山行 原山                

                                                 令和元11月24日(日)

山稜会では1983年に例会としてこの山に登っていますが、それ以後の登山記録はありません。その時の記録では、山頂近くまでついている林道を車で700m付近まで上っていました。そうしたことから、他の山に登ったついでに訪れてもいいなという程度で、登山対象の山としてはあまり興味を持っていませんでした。そんな中でインターネットを開いたところ、「やまんば洞窟」の情報が入ってきました。そこへ登るための道も整備してあるとのことでした。この洞窟については先の例会の登山記録の概念図にも記載されていましたが、文章では触れていませんでした。この洞窟を見ることを目的とした登山をしてもいいなと少し興味を持ち、今回の計画となったものでした。

「やまんばまつり」と染め抜いた赤い幟が登山口から林道沿いに案内してくれます。地元の人に聞いたところ、この祭りは8月にあったものだとのことでした。祭りは毎年814日に盆踊りと合わせて開催されているようで、「原山」に住んでいたという氏神様としての「やまんば」を称え、感謝する祭りらしい。「やまんば」は、困っている村人を助ける心優しい山姥であったと伝えられているようです。

 そんな山姥が住んでいたという洞窟までは、急傾斜の尾根道を上ることとなります。登山路としては結構厳しい登高を強いられます。広葉樹林の中ですが大きな木は少なく、過去に伐採された後の二次的な自然林のようです。

 「やまんば洞窟」はかなり上ったところにありました。岩の裂け目といった感じの縦に長い洞窟で、人ひとりが入れる程度のものです。中に入ってみるとそんなに深くはなく、人が横になれる程度の空間が左右に伸びています。やまんばの化身かと思われるコウモリが1羽、目の高さの位置にぶら下がっていました。

 山頂間近の肩には第二次世界大戦のときに作られたという飛行機の監視所の跡があります。そこから小鞍部を経て上った稜線に山頂があります。2等三角点です。今の時季の樹間からの眺望は良さそうですが、この日はあいにくの雨模様の雲がかかり、日本海も見えませんでした。

 帰路はあの急登路を避けて林道を下ることとしました。あまり眺望がよくないですが、所々で阿佐山から天狗石山の山塊とスキー場を見ることができます。くねくねと曲がる道ですが、予想外に早く下山することができました。

 予想外の楽しい山歩きができた「原山」でした。

 

ロープの架かる急登路です

やまんば洞窟です

原山山頂です