俺が日本に帰った時には、必ず、飲みに行く男の友人がいる。
彼は同級生で、学生時代からもう20年以上の付き合いになり、卒業してから数年は、一年に一度ほど、同窓会的な飲み会で再会するぐらいだったが、彼が結婚し、子供をもうけ、お互いに仕事が忙しくなってきてからは、会う機会も少なくなっていた。
特に、彼が地方転勤となってからは、ほとんど会うこともなかった。
しかし、彼が東京に戻り、逆に俺が海外に駐在するようになってからは、俺が帰国する度に、連絡を取り、必ず会っている。
同じ会社、同じ職種でないから、互いの仕事について本音で語れるし、彼のいいところは、俺の良いところも、悪いところも、ストレートに話してくれるところ。
だから、食事していても、飲んでいても、とても落ち着くんだよね。
俺も彼も、決して偉大な人間ではないし、おそらく両方とも、社長になれるような器でもない。
でも、互いに何かを尊敬し合っているのは、黙っていても分かる。
お互いにまだ人生の半分を折り返したばかり、こういう友人は長く大切にしないとね。