中国の闇 | hitorigoto 4

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思ったことをただ書くだけです。


フィオーナは、中国東北部の瀋陽(シェンヤン)という町からやってきた。


古くは満州と呼ばれる、日本人にとって暗い過去のある町だ。


そんな日本を憎む町を故郷に持つ彼女とは、週末のクラブで出会った。


最初の出会いは、正直に言おう、ただの売春婦と客の関係だ。


しかし、彼女は英語を流暢に話し、パソコンを操り、いわゆる売春婦とは違う何かがあった。


だからだろうか、それ以降の関係は、普通の友達のようだった。


俺と会うのは週末、普通に映画を見に行ったり、食事に行ったり、何だか分からない関係が数ヶ月間続いた。


いったい彼女はなんのために、中東の成り金都市にやってきたのか?


なぜなのかと彼女に質問したことがある。


彼女いわく、母国の仕事は、かなりの低賃金らしい。


いくら中国の地方都市とは言え、彼女たちは、携帯電話を持ち、パソコンを持ち、オシャレをする。


そして、それにはお金がかかる、


しかし、そのお金を蓄えることが出来る仕事がないと言うのだ。


十数億人と言われるその人口が問題なんだと言う。


彼女が働かなくても、工場や商店は何も困らない、働き手は幾らでもいるからだ。


だから、賃金が低いというわけだ。


ユニクロが中国に生産工場を持ち、低料金の商品を販売出来ること、、その犠牲者が、彼女たちなんだと思う。


現代の中国は、急速に発展を遂げている21世紀をリードする大国家、ということの光と闇、


彼女は闇の側の人間だった。