The Beatles Lover No.5 ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ

人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。

 

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ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。

杉田裕(JAYWALK)とサミー小川(メディアプロデューサー)がナビゲートします。

372回【2024年5月11日〜5月17日】の放送は、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band)の楽曲をご紹介します。

 

 

【サミー】このところ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』をご紹介していますが、ビートルズはこのアルバムの前年(1966年)の夏でツアーを止めてしまって、レコーディングバンドに変わっていきました。バンドがライブをやらなくなると、何らかの影響があるものですか?

【裕】あると思います。ライブを止めた理由が、自分たちの目指していたサウンドがライブでは表現できないということだったのかもしれませんけど。でもね、お客さんの前で演奏して聴いてもらって、拍手や歓声などの反応があってミュージシャン側の気持ちも盛り上がって、次の演奏に影響するという相乗効果があると思うんです。

【サミー】なるほど。

【裕】あえてそれを止めてしまったビートルズはねーー。『サージェント・パパー』の頃は、まだ新鮮で良かったのかもしれませんけど、だんだん歪みが生まれてきたのではないかと思いますね。

【サミー】レコードの売り上げやチャートの動きは、引き続きすごかったですよね。でも、ライブでお客さんの反応を直接感じるのとは違う?

【裕】違いますね。僕は、ミュージシャンの醍醐味はライブだと思っています。

【サミー】ローリング・ストーンズがライブを止められない理由は、その辺りにもあるのかもしれませんね。経済的な問題も大きいかもしれませんけど…。

【裕】それも結構あるでしょう(笑)。

【サミー】ミュージシャンのマインドセット、行動パターンは一般人とは違うところにあって、直接反応を見る喜びのようなものがあるのでしょうね。

【裕】一方で、ビートルズのライブにおけるストレスは大きかったと思います。

【サミー】ところで、今週ご紹介する曲は?

【裕】今週から、1967年発売のアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』B面2曲目の「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」(When I’m Sixty-Four)、B面3曲目の「ラヴリー・リタ」(Lovely Rita)をご紹介します。

【サミー】では担当する曲を「ビートルズじゃんけん」で決めましょう!「ビートルズじゃんけん」は、グーはジョン、チョキはポール、パーはジョージ、あいこの時はリンゴと言います。手の動きと口の動きを連動させるのが脳トレになりますよ!では、「最初はジョン」で始めるよ…。

オープニングテーマは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」

 

杉田裕の今週の紹介曲は「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」(When I’m Sixty-Four)

【裕】ビートルズが好きな僕らの世代のミュージシャンは、64歳になるとこの曲を歌うんです(笑)。

【サミー】そうなんだ。

【裕】僕もどこかのライブハウスでこの曲を歌った記憶があります。

【サミー】僕は今年64歳になるんです。

【裕】番組で歌いませんか?

【サミー】良いですね、お願いします(笑)。

【裕】ところで、この曲はポールが10代の頃に作った。

【サミー】16歳の頃にAメロは作っていたようですね。

【裕】お父さんが64歳になるというんで昔の曲を引っ張り出してきた。これにサビを加えて仕上げた?

【サミー】おそらくサビを新しく作ったのだと思います。Aメロは非常にシンプルで、ピアノの白鍵だけで演奏できるような曲になっています。だけど、サビは複雑ですよね。

【裕】サビの展開があるからこそ、すごく豪華な曲になったと思います。見事です。このピアノはポール?

【サミー】そう言われていますが、そうではないという説もあります。これは6月に発売される『ザ・ビートルズ全曲バイブル新版』で解明されるらしい。

【裕】遺跡発掘作業みたいな感じですね(笑)。本の発売が楽しみです!

 

 

↓ビートルズを楽しもう!サミー小川も執筆してます↓NEW

サミー小川の今週の紹介曲は「ラヴリー・リタ」(Lovely Rita)

【サミー】セッション10曲目のレコーディングでした。この曲のピアノはポールですが、間奏のピアノはジョージ・マーティンが弾いています。

【裕】そうなんだ。

【サミー】マーティン繋がりで、プロデューサーの仕事について考えてみたい。一般的にプロデューサーとは、人、モノ、金にまつわる全てを統括している人を指しますよね。

【裕】僕らJAYWALKも所属事務所の社長がプロデューサーでしたけど、お金のことも含めていろんなことをやっていました。ご本人も、そう言ってました。

【サミー】もちろん成果物としてのサウンドにも口を挟むことになります。

【裕】そうですよね。

【サミー】間奏を彼が弾いたという事実を、ジョージ・マーティンの目線で見てみたい。もちろんマーティンはピアノを弾くことができるし、良いアレンジができる。手っ取り早く自分が弾いてしまえばスケジュール的にも問題ないし、外部ミュージシャンにギャラを支払う必要もないということにもなります。

【裕】それはありますよね。

【サミー】以前、川原伸司さんをゲストにお招きした時に、フィル・スペクターはサウンド・プロデューサーだから彼に依頼するということはスペクター色のサウンドを作ってくださいということだと伺いました。小室哲哉さんに頼むということも、小室サウンドを作ってくださいという意味であると。

【裕】そういうことですよね。

【サミー】一方でジョージ・マーティンは、サウンドの癖のようなものは感じないですよね。

【裕】確かにそうですね。

【サミー】ですから、マーティンはビートルズの最良のものを引き出して、期限内に最良のものを作るという観点で仕事をしていたことが良く分かります。

【裕】この曲はポップに仕上がっていますよね。

【サミー】ベースが特徴的です。ベースは一番最後に、一つのセクションごとに録音したとされています。つまり、同じ演奏を繰り返さないように録音したとされています。

【裕】なるほどねー。

 

「目指せ!レノン=マッカートニー」

【サミー】作曲家・杉田裕と作詞家・サミー小川が、レノン=マッカートニーを目指して、番組内で曲を作り上げていくというコーナーです。  

【裕】レノン=マッカートニーを目標にしてます。

【サミー】先週は共作のパターンについてお話ししました。

【裕】ビートルズの場合はどうだっただろうか、といった想像もしました。

【サミー】我々の場合は、大きく言うと「曲先」か「詞先」か、2パターンですよね。

【裕】メロディを先に作って、それをサミーさんに渡して詞を書いてもらうパターンが「曲先」。逆に、先に詞ができて、それを僕がもらって曲を付けるのが「詞先」。先週聴いていただいた曲「風に抱かれて」は「詞先」でしたね。

【サミー】そうでした。あの曲は春になってウキウキした気分になって、詞を書いて杉田さんに送りました。

【裕】メロディがシンプルになったので、大サビを後から作って詞を乗せてもらった。

【サミー】そういうキャッチボールが大事で、それがあることで曲が一段階良くなる。

【裕】 それは言えますよね。

【サミー】曲先のパターンもありました。

【裕】 何曲もありましたけど、エンディングテーマの「絶望してる暇はない」もそうでしたよね。

【サミー】あの曲はちょっと複雑だったんですよ。そのあたりのエピソードは来週お話ししましょう。

【裕】 今週聴いていただきたいのは「眠れない夜」というバラードで、僕のアルバム『WALK OF LIFE』に収録しています。

【サミー】これは曲先でした。

【裕】曲を渡したらサミーさんがロマンティックな詞を書いてくれました。

【サミー】詞を考え始めたら眠れなくなって「眠れない夜」になった(笑)。

【裕】それかー(笑)!札幌に行った時に書いたって言ってましたよね。

【サミー】出張に行くと、夜、眠れなくなることが多くてね(笑)。

【裕】札幌で演歌調の詞も書いてましたよね。

【サミー】雪の降る札幌で、ホテルの部屋で一人寂しい夜に書いたこともありました(笑)。

 

 

↓「眠れない夜」を収録した杉田裕のオリジナル・アルバム↓

エンディングテーマは杉田裕の「絶望してる暇はない」

 

杉田裕の「Here Comes The Sun」好評放送中!