The Beatles Lover No.5 ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ

人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。

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ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。

杉田裕(JAYWALK)とサミー小川(メディアプロデューサー)がナビゲートします。

365回【2024年3月23日〜29日】の放送は、広田寛治さんをお迎えして、ビートルズのアルバムについて語り合っていきます。

 

 

【サミー】今週も広田寛治さんをゲストにお迎えしています。広田さんは、現代史研究家、ノンフィクション作家、そしてビートルズ関連の出版物をたくさん手がけるフロム・ビーの代表でもあります。

【寛治】よろしくお願いします。

【サミー】最近注目されています『ザ・ビートルズ アルバム・バイブル』も広田さんが監修をされていますね。

【寛治】ビートルズには公式作品が213曲ありますけど、14枚のアルバムで全ての曲を聴くことができます。この14タイトルのアルバムを一冊の本にまとめました。最近は曲単位で聴く人が多くて、好きな曲だけ聴いて終わってしまうこともあるかと思いますが、ビートルズの時代はアルバム単位で聴いていたんですよね。

【裕】そうですよね。

【寛治】ビートルズが残した功績の一つとして、アルバムの概念を変えたことがあります。つまり、ヒット曲の寄せ集めから、アート作品としてのアルバムになったんです。それを大勢の方に味わって欲しいと思います。

【裕】なるほど。

【寛治】音に関しては、米村幸雄さんによるパソコンを使った音の解析を収録しています。音って感性的なものですけど、分析をすると事実としての音はひとつなんですね。感覚で話さないで、全ての話を事実から出発しましょう、ということです。そこからアルバムの特徴を語っていきます。

【サミー】ちなみに、米村幸雄さんからメッセージをお預かりしています。

【裕】広田さんがゲストだからっていうことですね。

【サミー】メッセージは「みんな仲良くマニアも初心者も楽しめるネタを提供できていたら幸いです❤️」。

【寛治】マニアの方も初心者の方も、この一冊を読めばビートルズのアルバムの世界の最先端に立つことができる本です。

【裕】ところで今日のテーマは?

【サミー】3人で「苦手なアルバム」について語り合っていきたい。その順番をビートルズじゃんけんで決めましょう!グーはジョン、チョキはポール、パーはジョージ、あいこはリンゴだよ。「最初はジョン」で始めるよ…。

オープニングテーマは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」

 

杉田裕の苦手なアルバムは『ウィズ・ザ・ビートルズ』(With The Beatles)

【裕】僕がビートルズを好きになったのは中学2年生の頃で、その時はもう解散していたのでリアルタイムでは知らなかった。

【サミー】そうなんですね。

【裕】「イエスタデイ」や「ヘイ・ジュード」のような、ごく一般的なヒット曲でビートルズのイメージができていました。ポールの作品が多いんだけどね。それで、どんなアルバムがあるのかも知らなかったので、アメリカ盤の『アーリー・ビートルズ』というのを買いました。中3の夏には『ウィズ・ザ・ビートルズ』を買ったんですよ。

【サミー】良いのを買いましたね。

【裕】ところが、僕はビートルズのポップさとわかりやすさを期待していたんだけど、「イット・ウォント・ビー・ロング」でがっかりしてしまったんですよ。

【サミー】へー。

【裕】その時の印象ではね。それに、カバー曲も多いし、中途半端な感じがした。だから、ちょっとがっかりっていう評価だったんです。

【サミー】ポールのポップな世界を期待して買ったら、ということですね。

【裕】今日ご紹介したい曲は「ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」なんですけど、その時には変にアメリカっぽい感じがしてね。今は、ジョンとジョージのハモは素晴らしいし、良いなって思えるんですけどね。

【サミー】今聴くと素晴らしいですよね。

【裕】サミーさんの大好きな「オール・マイ・ラヴィング」も、当時は全然耳にとまらなかった。

【サミー】あらまー、それは残念ー。

【裕】今聴くと素晴らしいんですけどね(笑笑)。

 

広田寛治さんの苦手なアルバムは『イエロー・サブマリン』(Yellow Submarine)

【寛治】苦手というか、がっかりしたのが、なけなしのお小遣いで高校2年生の時に買った『イエロー・サブマリン』です。

【サミー】なるほどー。

【寛治】B面はビートルズの曲ではないですよね。だから、実際に買って聴いたときに、がっかり感が大きかった。

【裕】そうなんですよねー。。

【寛治】買ってすぐは2〜3回続けて聴いたんですけど、それが1ヶ月に1回になり、そのうち1年に1回になり…。最近はほとんど聴かない(笑)。苦手というよりも、損した感が強い。

【裕】その気持ち、よく分かります。

【寛治】しかも、A面の2曲「イエロー・サブマリン」と「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」は既に聴いたことのある曲だった。だから実質4曲しかない。当時はアルバム1枚が2千円くらいしたから、1曲500円くらいについている。そのお金でシングルを買えば…なんて思ったりもしました(笑)。

【サミー】EPかって思いますよね(笑)。

【寛治】ただ、映画は大好き。高校2年生だから男の子はみんなとんがっていて、この映画はくだらないなーーっていう人が多かったけど、僕は心の中では感動してね。「ラヴ&ピース」なんて思っていました。あの映画の世界は大好きだけど、アルバムはちょっと苦手。

【裕】なるほど。

【寛治】今日ご紹介する曲は「イエロー・サブマリン」ですけど、映像と一緒に見るのは大好きなんです。カバーを聴くのも好き。だけど、「イエローサブマリン音頭」ってあったじゃないですか。

【サミー】ありました、ありました…。

【寛治】ここだけの話ですけど、僕はくだらないなーって思って。今に至るまで、あまり好きではないというか、これは僕の世界ではないなって思うんです。

【サミー】日本の大衆音楽はそういうものだったんでしょうか。

【寛治】でも、ジョージの「イッツ・オール・トゥ・マッチ」はお気に入りでした。

【サミー】アルバムB面のジョージ・マーティン・オーケストラの曲は、この番組のBGMで頻繁に使ってますよね。

【裕】そう、そう。ぴったりなんですよ。今週も使わせてもらおうかな(笑)。

【寛治】音楽的には良いのかもしれませんけど、ミーハーなファンにとってはちょっとね(笑)。

【サミー】なけなしの小遣いを叩いた方の気持ちは、とても良く分かります。

 

サミー小川の苦手なアルバムは『リボルバー』(Revolver)

【サミー】僕は『リボルバー』を選びました。

【裕】あら、何で?

【サミー】聴いてて疲れちゃうんです。

【寛治】確かに(笑)。

【裕】そう言われてみれば、分かる気がする。

【サミー】なんか挑まれている気がするしね。

【裕】なるほど。

【サミー】この番組では先々週まで『リボルバー』の楽曲を紹介してきて、よく聴き込んだというのもあるのかな、お腹いっぱい感もある。もちろん実験的だとか、いろんなポジティブな評価はありますけど。

【裕】評価されてますよね。

【サミー】最近は『リボルバー』人気とでも言いましょうか、ビートルズのアルバムの中でも評価が高まっている。だけど、そういった評価されている要素が、疲れてしまうことにつながっている。もっと気楽にっていう気持ちになることもある。

【裕】楽しみたいよね。

【サミー】ビートルズに対して好きだという感情で相対すると、このアルバムはちょっとしんどいなっていうのがある。

【裕】ふむふむ。

【サミー】その中でも一番しんどいのが「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」(笑)。元気がない時に聴くのは厳しい。酔っ払ってしまって、大音量に身を任せるみたいなシチュエーションだったら良い。

【裕】以前、札幌に行った時にアナログのモノラル盤を大音量で聴いたら感動したって言ってましたね。

【サミー】酔って頭の中がグルグル回るような状態だったら最高なんですけど、午前中にこの曲はしんどい。

【裕】確かに午前中に聴く気はしませんね。

【サミー】歳を取ると午前中はアクティブになりますよね。そんな時に「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」はしんどいんです。今の私は、そんな気分です(笑)。

 

お知らせのコーナー

【サミー】広田さん、インフォメーションをお願いします。

【寛治】『ザ・ビートルズ アルバム・バイブル』は、マニアの方も初心者の方も一緒に楽しめるように考えて作っていますが、ビートルズ史の中でアルバムがどういう位置付けになっているのか?なぜこの時期にこのアルバムが生まれたのか?といったことを、ロックやポピュラーミュージック史も俯瞰しつつ分かりやすく書いています。ビートルズはチャートも意識して、新しいサウンドをいち早く取り込んでいますよね。

【裕】確かに、ビートルズは早いですよね。

【寛治】良いものを見つける目と耳があって、彼らが見つけたものが取り入れられて循環していく。そういう視点で書かれている本が少なくなったので、参考にしていただけると思います。

【サミー】杉田さんのライブは?

【裕】JAYWALKのホームページをご覧ください!

 

 

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↓杉田裕のオリジナルアルバム。オープニングテーマ、エンディングテーマも収録↓

エンディングテーマは杉田裕の「絶望してる暇はない」

 

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