The Beatles Lover No.5 ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ
人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。
ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。
杉田裕(JAYWALK)とサミー小川(メディアプロデューサー)がナビゲートします。
345回【2023年11月4日〜10日】の放送は、秋の夜長にピッタリな「ラバー・ソウル」の楽曲をご紹介します。
【サミー】杉田さんはロンドンに行ったことはありますか?
【裕】一度だけ行きました。JAYWALKのファンクラブJAY-BIRDSの会員の皆さんと海外に行くフライングツアーというのがあったんですけど、それでロンドンに行きました。ウインザー城とかいろんなところに行きました。ビートルズがらみでは、アビイロード・スタジオの前をバスで通ったことがありましたね。ここがそうかー、みたいな。サミーさんはロンドンは通な感じですよね。
【サミー】全然そんなことはないです。仕事でロンドンに行って、休みを作ってリバプール日帰りしたり、ロンドンのビートルズゆかりの地を巡ったりしました。
【裕】ロンドンからリバプールまでどのくらいかかるんですか?
【サミー】電車で2時間くらいだったと思います。ロンドンはアビイロード・スタジオに行ったり、ポールの家やEMIビル、アップル本社などに行きました。
【裕】美味しいものは食べましたか?
【サミー】なかなか難しくてねー。カレーは安定的に美味しいですね。あとは、向こうの人に教えてもらって、パブでキドニーパイというのを食べました。これは豚などの腎臓を煮込んでパイ皮を乗せて焼いたものなんですけど、腎臓独特の匂いがあるんですね。ちょっと苦手かな。アンモニアっぽさがあるというか…。杉田さんは食べ物の思い出はありますか?
【裕】美味しいものを食べた記憶がないんですよねー。
【サミー】フィッシュ&チップスは有名ですけどね。
【裕】有名なんですけどねー(笑)。
【サミー】ところで、今週ご紹介する曲は?
【裕】1965年発売の『ラバー・ソウル』A面5曲目の「嘘つき女」、6曲目の「愛のことば」をご紹介します。
【サミー】今週も担当する曲を「ビートルズじゃんけん」で決めましょう!グーはジョン、チョキはポール、パーはジョージ、あいこはリンゴだよ。「最初はジョン」で始めるよ…。
オープニングテーマは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」
サミー小川の今週の紹介曲は「嘘つき女」(Think For Yourself)
【サミー】この『ラバー・ソウル』、発売時には全14曲中7曲に邦題が付けられていました。『ハード・デイズ・ナイト』は邦題6曲だったので、それを上回って最多となっています。
【裕】ずいぶん多い印象ですよね。
【サミー】具体的には、「ひとりぼっちのあいつ」「嘘つき女」「愛のことば」「消えた恋」「君はいずこへ」「恋をするなら」「浮気娘」。ちなみに「ノルウェーの森」は、アルバム発売時には「ノーウェジアン・ウッド」となっていました。66年12月にEP盤が出ていますが、その時に初めて「ノルウェーの森」というタイトルが登場しています。
【裕】そこで使われたんですね、なるほどなるほど。
【サミー】それでね、この曲「嘘つき女」ですけど(笑)。すごいなー、「嘘つき女」とか「浮気娘」とか、遊びすぎですね。
【裕】本当にそう思います。
【サミー】それはともかく、レコーディングは11月8日、特定の誰かというよりは政府や権力について歌ったのだろうと後に語っています。「タックスマン」や「ピギーズ」に通じるテーマなんだろうと思います。
【裕】ほう。
【サミー】サウンド的にはファズベースが特徴的ですよね。リードギターのような感じ。ポールは普通のベースとファズベースと2本弾いています。
【裕】すごいな。
【サミー】これを聴いたブライアン・ウイルソンは、自分への明らかな挑戦と受け止めて『ペット・サウンズ』の制作を開始したと語っています。
【裕】なるほどね。
【サミー】個人的には、曲調は「サヴォイ・トラッフル」に通じるものがあるように感じます。入りのメロディラインはジョージらしい。
【裕】僕は好きです。
杉田裕の今週の紹介曲は「愛のことば」(The Word)
【裕】このアルバムでビートルズの演奏力は高くなったと思うんです。イントロのポールのピアノは、ノリを引っ張り込むような感じで、素晴らしいです。
【サミー】ふむふむ。
【裕】モータウン風のノリで、ブルースコード進行なんですよ。でも、それを感じさせないポップな要素を取り入れて飽きないアレンジになっています。ポールのピアノとベースラインがカッコいいんです。
【サミー】なるほど。
【裕】あと、「Say The Word〜」で入ってくるコーラスがキレイに決まっているのが、ビートルズのコーラスバンドとしての素晴らしさです。ジョンのギターのカッティングもかっこいい!
【サミー】うんうん、分かる。
【裕】隠れたサウンドなんですけど、リンゴが振ってるマラカスが良い。16のノリだったりすごいな。
【サミー】みんなすごい。
【裕】そして、後半に加わってくるジョージ・マーティンのハーモニウム。何これ〜、っていう音なんですけど、効果的に仕上げているアレンジがすごい。
【サミー】構成力が抜群ですよね。このアルバムから、レコーディングバンドとして一皮剥けた感じです。
【裕】確かにそうですね。
【サミー】それとこの曲は、普遍的な愛を歌った初めての曲、エポックメーキングな曲ですね。
【裕】さすがジョン。
「ビートルズしりとり」のコーナー
【サミー】「ビートルズしりとり」のコーナーです。
【裕】お待たせしました。ビートルズで遊ぼう!
【サミー】日本語タイトルでしりとりをします。
【裕】今週は「カ」から始まる曲で行ってみましょう。
※先攻後攻はビートルズじゃんけんで決めました。
【サミー】「カンサス・シティ」。「ヘイヘイヘイヘイ」は無しということで。
【裕】「テルミー・ホワイ」。
【サミー】なるほど。頭の「ジ」を抜かせていただいて「インナー・ライツ」。割とテキトー(笑)。
【裕】「ツイスト・アンド・シャウト」。「ド」でも良いですよ。
【サミー】「ドント・レット・ミー・ダウン」(ドボン!)。もう一回お願いします。
【裕】「ツイスト・アンド・シャウト」。
【サミー】「ドント・バザー・ミー」。
【裕】「ミッシェル」。
【サミー】前回「ルーシー」を言ってしまったので、「ル」はないことにしましょう。別の曲でお願いします。
【裕】では「ミスター・ムーンライト」。
【サミー】「ドライブ・マイ・カー」。
【裕】「カム・トゥゲザー」。
【サミー】「サヴォイ・トラッフル」。あ、「ル」はもうないんだ。では、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
【裕】「ドント・レット・ミー・ダウン」(ドボン!)。思わず言ってしまったー!
【サミー】「ドント・レット・ミー・ダウン」と「イエロー・サブマリン」は危険曲です(笑)。ということで、聴いていただく曲は?
【裕】「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」です。
「ビートルズ・カバーズ」のコーナー
【裕】ビートルズ曲のユニークなカバーをご紹介する「ビートルズ・カバーズ」のコーナーです。
【サミー】先ほどご紹介しました「嘘つき女」と「愛のことば」のカバーを聴いていただきたいと思います。
【裕】なるほど。
【サミー】「嘘つき女」はアドミラルズ(Admirals)のバージョンです。僕はこういうカバーを探すのにSpotifyなどを片っ端から聴いていくんですけど、良いのが見つかるとすごく嬉しい。
【裕】楽しみー。
【サミー】「愛のことば」はベティ・ラヴェット(Bettye LaVette)によるカバーです。アメリカのソウルシンガーで、1962年から活躍されていますよね。
エンディングテーマは杉田裕の「絶望してる暇はない」
新番組!杉田裕の「Here Comes The Sun」スタート