The Beatles Lover No.5 ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ

人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。

 

ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。

杉田裕(JAYWALK)とサミー小川(メディアプロデューサー)がナビゲートします。

322回【2023年5月27日〜6月2日】の放送は、アルバム「ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day’s Night)」をご紹介します。

 

 

【サミー】今週も柳沢二三男さんをお迎えしてお送りします。

【裕】よろしくお願いします。

【二三男】おじゃましております。

【サミー】先週はビールの話をしましたが、飲まないと眠れないのでしょうか?

【二三男】はい。ベッドに入ってからいろんなことが浮かんできて、考えてしまうといけないので、仕方なくビールを飲んで、焼酎を飲んで…。

【裕】あまり深いことは考えないように、飲んで熟睡してしまおうということですね。

【サミー】杉田さんは?

【裕】僕は晩御飯の時に飲むんですけど、寝酒はあまりしないです。眠れないから飲むっていうことはないです。

【サミー】僕は、以前は寝酒をしていたんですけど、最近は全然しなくなりました。お酒の種類によって、寝られるもの、寝られないものがあるんです。バーボンとかウイスキーを飲むと全然寝られなくって、目が冴えてしまう。ビールや日本酒のような醸造酒は、飲むとドヨーンとしてすごく眠くなってしまう。

【裕】二三男さんは何を?

【二三男】ビール飲んで、焼酎飲んだらすぐ眠くなります。

【サミー】杉田さんは何を飲んでますか?

【裕】僕は焼酎かな。それとビール。たまにワインを買ったりしますけどね。

【サミー】焼酎は何が好きなんですか?

【裕】芋です。芋焼酎のお湯割りを飲んでます。

【サミー】二三男さんは、何焼酎?

【二三男】僕は何でも大丈夫です(笑)。

【サミー】僕は最近、黒糖焼酎が好きです。

【裕】沖縄の?

【サミー】奄美の。香りは甘いんですけど、味は甘くなくて、とっても美味しいです。さて、お酒の話はこのくらいにして、番組を進行したいと思います。今週ご紹介するビートルズ曲は何でしょうか?

【裕】アルバム「ハード・デイズ・ナイト」より「僕が泣く(I'll Cry Instead)」、「今日の誓い(Things We Said Today)」をご紹介します。

 

※柳沢二三男さんはソロアーティストとしての活動に加えて、矢沢永吉、パフィー、高橋真梨子、萩原健一、中村雅俊など多数のアーティストのライブ、レコーディングに参加されている売れっ子ギタリスト。息子さんの柳沢亮太さんはSUPER BEAVERで活躍中。

 

オープニングテーマは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」

 

杉田裕の今週の紹介曲は「僕が泣く(I'll Cry Instead)」

【裕】ジョンの強がりな気質がこの曲の歌詞に現れています。恋人に振られて泣きたい気持ちなんだけど、人前で泣くのは嫌だと。そういう強がりなところがありますね。

【サミー】強がりなんだけど、泣き言を言っているようなところもある。ジョンの詞には、そんなところがありますよね。

【裕】それを表現するっていうところがジョンらしい。カントリー調のサウンドがすごく合っていて、ジョンの早口のヴォーカルのノリがうまく出ていて、聴き直してみると奥が深い曲だなって思います。ただ、Spotifyの再生回数を見ると、この曲はアルバムの中で最下位だったんです。

【サミー】え、そうなんですか。

【裕】僕も、どんな曲なのかすぐに思い出せないくらいだったので、人気がない曲なのかなっていう気がします。

【サミー】再生回数で人気の度合いが分かるんですね。

【裕】偏った意見かもしれませんけどね。

 

サミー小川の今週の紹介曲は「今日の誓い(Things We Said Today)」

【サミー】この曲は1964年6月2日に収録されて、7月10日にシングル「ア・ハード・デイズ・ナイト」のB面として発売されています。タイトなスケジュールでしたね。ところで「天使にラブソングを」っていう映画がありましたけど、ご存じですか?

【裕】タイトルは聞いたことがある…。

【サミー】ウーピー・ゴールドバーグが主演しています。修道院に匿われた元シンガーがドタバタを引き起こすという映画です。英語の原題は “Sister's Act” 。日本で「シスターズ・アクト」っていうタイトルで公開しても、ちょっとピンとこない。「天使にラブソングを」っていう素敵な日本語タイトルが付くことで、想像が膨らむんですよね。良い邦題、悪い邦題、いろいろありますけど、この「今日の誓い」は良い邦題だなって思っています。「シングス・ウイー・セッド・トゥデイ」ってカタカナで書かれてもピンと来ない感じです。このアルバムは邦題がついている曲が7曲もあります。映画のサントラとしての性格もあるので、頑張って邦題を付けたのかなっていう気もします。

【裕】「ア・ハード・デイズ・ナイト」は「ビートルズがやってくるヤア!ヤア!ヤア!」でしたよね。

【サミー】すごい邦題が付いていました。初期ビートルズの邦題を見てみると、デビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」は「蜜の味(Tast Of Honey)」だけで、あとは全部カタカナ。2枚目の「ウィズ・ザ・ビートルズ」にはありません。4枚目の「ビートルズ・フォー・セール」は「みんないい娘(Everybody's Trying To Be My Baby)」のみ。だいぶ後になりますが、中期の代表作に「愛こそはすべて(All You Need Is Love)」なんていうのもありました。

【裕】なるほどー。

【サミー】このアルバムはポールの曲が3曲だけ。あんなに自己顕示欲が強くて、曲をどんどん書ける人が何をやっていたんだろう?って思います。でも、この曲がアルバムに入ることによって、アルバム全体のクオリティがグーンと上がったと思います。

【裕】僕もそう思います。

 

今週のビートルズ・ラバーは柳沢二三男さん

【サミー】ゲストを迎えてビートルズ愛を語っていただく「今週のビートルズ・ラバー」のコーナー。柳沢二三男さんをお迎えしています。

 

【サミー】今週はライブをテーマに語り合ってみたいと思います。ミュージシャンにとってライブってどういうものなんですか?レコーディングとは違うものですよね。

【裕】アマチュアで音楽をやり始めた時にはレコーディングっていうものはないですよね。人前で演奏して歌いたいっていう欲求から始まるので、ライブは原点だと思うんです。

【二三男】そうですね、ライブが命です。

【サミー】二三男さんは結構な数のライブをされてますよね?

【二三男】そうですね。ソロでやり始めてからは相当数やってますね。

【裕】二三男さんは自分のライブをやりつつ、いろんなミュージシャンのサポートをやっている。その都度、いろんなスタイルのギターを弾き分けている。それがすごいんだなー。

【二三男】いえ、長いことやってきたんで…。

【サミー】二三男さんのことをあまり詳しくない方のためにお話をしますと、矢沢永吉さんや高橋真梨子さん、中村雅俊さんなどのサポートをされているスーパーギタリストです。

【裕】絶対的な信頼がありますよね。

【サミー】そして、最近はシンガーソングライターとしてご活躍です。

【裕】歌手“なまら”です(笑)。

【二三男】申し訳ない…(笑)。

【サミー】クラプトン化している…。ところで、二三男さんはライブで緊張することはありますか?

【二三男】今はあまりありませんけど、緊張よりも照れくさい部分が大きいので、ビールを飲んでしまう(笑)。昔、何万人も入る大きいホールの時に、僕のギターから始まる曲があったんです。あの頃はADATとかないし、パソコンでシーケンスも出ない、イヤモニもしていない時代だったのでドラムの人のカウントだけ聞いて僕が弾き始めるんですけど、歓声でカウントが聞こえない。ギターを弾きながらステージの袖から出ていかなければならないのにね…。

【裕】カウント聞こえなかったら緊張しますねー。

【二三男】一拍ずれたら大変…ヤバかったー!

【裕】僕はね、昔、札幌で柳ジョージさんとJAYWALKのイベントがあって「JUST BECAUSE」を演ったんです。FMの録音があったので、時間制限がある、時間に追われているっていう感覚になって、テンポが速くなってしまった(笑)。あれは失敗しました。後になって反省しましたけど。

 

↓柳沢二三男さんの魅力が詰まったソロアルバム

 

【サミー】アマチュアから続けている方々はライブが基本になる感覚なんでしょうけど、ライブをやらなくなるとミュージシャンてどうなってしまうんだろう?変化は起きるものですか?ビートルズもライブをやらなくなって、その後、解散に至った。

【二三男】ライブを止めるとつまらなくなる。

【裕】コロナでライブができなくなった時に、二三男さんはすごくそれを嘆いていた。

【二三男】全部飛びましたからね。

【裕】ミュージシャンにとってはとても辛いことですよね。

【二三男】その時は家でギターを弾いてました。曲を作ったりもしましたね。

【裕】僕はソロで活動していましたけど、JAYWALKとしては活発ではなかったので、田切くんはライブやらないからすごくナマっちゃったって言ってました。やっぱりやらなきゃダメだよねって。

【サミー】ナマちゃったっていうのは腕が鈍ったっていうことですよね。喋りが訛ったんではなくてね(笑)。

【裕】それは、”なまら二三男” です(笑)。

【二三男】僕でーす(笑)。まあ、ライブはミュージシャンの一番大切なものだと思います。

【裕】音楽に携わるという意味ではライブは当然なんだけど、レコーディング=サウンドを作ることに特化してしまったビートルズは違う喜びになっていったのかな。

【サミー】ポールはGet Backを始動させて、最終的にはルーフトップ・ライブに繋がっていく。それでね、お二人に妄想して欲しいんですけど、ビートルズのルーフトップ・ライブに一曲だけ参加できるとしたら、何をやりたいですか?一曲だけ弾いても良いよって言われたら?

【二三男】「バースデイ」みたいな曲をやりたい。明るくロックな曲が良い。あのリフは小さい頃から好きで好きで。

【裕】僕は「ドント・レット・ミー・ダウン」。フェンダーのエレピをビリー・プレストンの代わりに弾きたい。

 

【サミー】さて、今日は二三男さんと杉田さんにスタジオライブをお願いしたいと思いますが、曲は何を?

【裕】僕のソロ・アルバム「WALK of LIFE」収録した『眠れない夜』を聴いていただきます。この曲はシングルとして発表していたんですけど、アルバムに入れる際に二三男さんにギターを弾いていただきました。

【サミー】今日はCDの音を意識した感じのライブになりますか?

【裕】二三男さんは全く意識せず、その時の感情の赴くままに弾いてくれると思います。

【サミー】今日しか聴くことができない貴重なバージョンですね。

 

 

↓「眠れない夜」を収録した杉田裕のソロアルバム

エンディングテーマは杉田裕の「絶望してる暇はない」