The Beatles Lover No.5 ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ

人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。

↓番組パーソナリティ杉田裕のビートルズ・カバー・アルバム

 

ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。

杉田裕(JAYWALK)とサミー小川(メディアプロデューサー)がナビゲートします。

320回【2023年5月13日〜19日】の放送は、アルバム「ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day's Night)」をご紹介します。

 

 

【サミー】今週は素敵なゲストに来ていただきました。レコーディングでお忙しい中、ようこそ!シンガーソングライターでもあり…

【裕】なまらスーパーギタリストの柳沢二三男さんです。

【二三男】あ、お恥ずかしい(笑)。

【サミー】ようこそいらっしゃいました。一年ぶりのご登場ですね。

【裕】この番組が二人体制になって最初のゲストが二三男さんでしたね。お帰りなさい。

【二三男】ありがとうございます。

【サミー】一年前に二三男さんに出ていただいた回は好評で、いまだにブログのアクセスも多いんです。

【裕】二三男さんの根強いファンの方が沢山いらっしゃるということですよね。

【サミー】今はレコーディングをされていると伺っていますが、順調に進んでますか?

【二三男】おかげさまで。

【裕】良い感じでいっているようですよ。Twitterでも情報発信されてますよね。

【サミー】アルバムは何曲くらいの予定ですか?

【二三男】12〜13曲くらいになりそうです。

【サミー】発売日はいつ頃になりそう?

【二三男】8月くらいかな。

【裕】楽しみですね。

【サミー】アルバムタイトルは決まりましたか?

【二三男】まだこれからです。

【サミー】完成・発売が楽しみです。さて、今日は、柳沢二三男さんをお迎えして、二三男さん独自の世界をご紹介しながら、ビートルズとの接点などをお伺いしていきたいと思います。

【裕】スタジオライブもありますよ!

【サミー】さて、今週ご紹介するビートルズ曲は?

【裕】アルバム「ハード・デイズ・ナイト」より「アンド・アイ・ラヴ・ハー(And I Love Her)」、「テル・ミー・ホワイ(Tell Me Why)」をご紹介します。

 

※柳沢二三男さんはソロアーティストとしての活動に加えて、矢沢永吉、パフィー、高橋真梨子、萩原健一、中村雅俊など多数のアーティストのライブ、レコーディングに参加されている売れっ子ギタリスト。ご子息の柳沢亮太さんはSUPER BEAVERで活躍中。

 

オープニングソングは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」

杉田裕の今週の紹介曲は「アンド・アイ・ラヴ・ハー(And I Love Her)」

【裕】このアルバムの、そして、初期の頃のビートルズの傑作だと思います。タイトルが凝っている。I Love Herではなくて、頭にAndが付くことで、すごく意味があるんじゃないかなって思わせる。

【サミー】Andによって余韻を感じますよね。

【裕】ありきたりなタイトルになりそうなところを、Andを付けることによって、自分の意思を強調している感じになる。リンゴのボンゴとクラベスのようなラテンのパーカッションとか、ジョージのガットギターが素晴らしい。この頃のメンバーはいくつでしたっけ?

【サミー】アルバム発売時、ジョージは21歳でした。

【裕】とても大人っぽい曲に仕上がってますよね。ちなみに僕もアルバム「MOSO THE BEATLES」で「And I Love Him」としてカバーしました。

【サミー】素敵なモーソーでした。

 

 

サミー小川の今週の紹介曲は「テル・ミー・ホワイ(Tell Me Why)」

【サミー】この曲はすごくハッピーな曲調なんですけど、歌詞が未練がましい。「どうして君は嘘をついたんだ?君にあげられるものは全部あげたのに君は去っていった。僕はもう頭を抱えて呻いている」みたいな詞なんです。冷静に聴いてみると、曲調と詞の不一致が際立っています。

【裕】言われてみれば、確かにそうですね。

【サミー】曲調はハッピーなので “嬉しいな…” みたいな歌詞かと思いきや、実は違う。お二人には、メロディと詞の不一致みたいな曲はありますか?

【裕】ハッピーな詞ならハッピーな曲調にするし、しっとりした詞ならそういうメロディになりますよね。

【二三男】そうなりますよね。

【サミー】曲先の場合、詞を作る時には曲調に合わせるのが普通ですよね。ところがこの時期のジョンは天才的に違うことをやっていた。

【裕】ジョンの曲なんですね。

【サミー】ジョンが一人で三重唱をしています。

 

今週のビートルズ・ラバーは柳沢二三男さん

【サミー】ゲストを迎えてビートルズ愛を語っていただく「今週のビートルズ・ラバー」のコーナー。今週は柳沢二三男さんをお迎えしています。

 

【サミー】今週はレコーディングをテーマに、ミュージシャンの二三男さん、杉田さんに色々教えていただきながら、ビートルズの時代のレコーディングに想いを馳せてみたいと思います。まず、今の時代のレコーディングですけど、どんな風にスタートして、どんな人たちが関わっているのかを、分かりやすく教えてください。

【裕】昔のやり方は、ビートルズの「Get Back」で見られたように、大きなスタジオにメンバーが集まって、レコーディング・エンジニアやプロデューサーがいて、セーノで録音してっていうスタイル。何日も何日もかけてレコーディングをしていました。以前ゲストに来ていただいた川原伸司さんも予算のことも考えなければいけないっておっしゃってましたけど、高いスタジオ代をどう切り詰めるかが常にテーマでもありました。時代とともに機材も充実してきて、個人個人で色々と作業できるようになって、小さなところでもできるようなシステムに変わってきたんですね。それが良い場合もあれば、世界が狭くなってしまう場合もある。そこで二三男さんは、現在は違うトライをしています。

【二三男】そうですね、狭いスタジオで昔のような録り方をしています。ドラム、ベース、キーボードって録るようにしているんですけど、狭いスタジオで無理やりいっぺんにやるみたいな。

【サミー】セーノで演奏してっていう録り方?

【二三男】そうですね。昔ながらの録り方をしています。

【裕】間違っちゃったーみたいなことってある?

【二三男】そうですね、でもまあ、いつも一緒にやっているので。ビートルズの時代はチャンネルが4つぐらいしかなかったりとか、マイク2本だけで全員の音を録ったりとか、そこに弦楽器を入れたりとか。もっと前の時代では1本のマイクでラッパも何もかも入れてとか。それと比べると今の時代は何十チャンネルも録れる。

【裕】自由が広がった反面、際限がない、キリがないですよね。

 

 

【サミー】二三男さんのレコーディングは、ミュージシャンの方以外にどんな方がいますか?ディレクターがいたりとか?

【二三男】ミキサーの方がいるだけです。

【サミー】へー、そうなんですか。

【裕】ディレクター兼プロデューサーが二三男さんなんですよね。

【二三男】そうですね。あとはチョコ社長くらいですかね。

【裕】マネージャーのチョコ社長(笑)。

【サミー】チョコ社長、お元気ですかー(笑)。

【二三男】狭いところに4、5人いるので、ちょっと動くとぶつかる(笑)。でも、逆にそれが良いんですよね。

【サミー】二三男さんは昔とあまり変わらない録り方をされていて、杉田さんはどちらかというと今のデジタル技術をうまく使ってやっている。

【裕】メンバーも離れているからっていうのもある。JAYWALKのメンバーにデータを送ってギターやベースを入れてもらったり、コーラスを入れてって頼んで出来上がっていく。僕は最終的にミックスをする。あまり良くないテイクはその時に言って、新しい演奏を送り直してもらう。

【サミー】みんなが揃って顔を合わせているからこそ化学反応が起こる、みたいなこともあるんでしょうね。

【裕】それはありますね。でも、ロッド・スチュワートも「グレート・アメリカン・ソング・ブック」で、ジェフ・ベックの顔を見ることもなくレコーディングしたって言ってましたけどね。まあ、スーパーな人たちですから(笑)。

【二三男】それも良いんですけど、今回、こういう録り方をして、すぐに思ったことを伝えられる良さが分かった。

【裕】メールのやり取りよりも電話で話した方が良いみたいな。

【二三男】触れる距離にいる大切さというのがあるんですよね。

【サミー】二三男さんの曲の中でビートルズを意識したり影響を受けたり、ビートルズっぽいねと言われた曲があったら教えていただけませんか?

【二三男】意識したという訳ではないですけど、「えぶりの」っていう曲はベースがヘフナーみたいな感じの音だったり、柔らかな響きが「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」にたいだなって後から感じました。僕はあの曲を好きなので…。

【サミー】二三男さんの曲を聞いてみたいんですけど、かけても良い?

【二三男】歌うんじゃなくて(笑)?

【サミー】では二三男さんから曲をご紹介ください。

【二三男】僕が?恥ずかしい(笑)。では「やわらかな日々」を聴いてください。

 

※ラジオ放送では柳沢二三男さんの「やわらかな日々」を聴いていただきました。

 

【サミー】さて、今日は二三男さんと杉田さんにスタジオライブをやっていただけるそうですが、曲は何を?

【裕】ビートルズのカバーアルバム「MOSO THE BEATLES」より「Love Me Do」をやってみたいと思います。

【サミー】このモーソーっぷりが素晴らしいですよね(笑)。

【裕】僕はこの曲を気に入っていて、レコーディングはピアノと歌だけの世界で仕上げてしまったんです。でもね、先日、横浜フライデーで二三男さんと一緒にライブをやった時に、ギターを弾いてもらったら、これもいいなーって。なんでこれをレコーディングしなかったんだろうって、ちょっと後悔しました。つまり、化学反応じゃないけど二人で新しいサウンドとグルーヴが生まれるなーって感じたんですよ。今日はそれを聴いてもらいたいな。

【サミー】では、柳沢二三男さんと杉田裕さんによるスタジオライブで「Love Me Do」を聴いてください。

 

 

↓柳沢二三男さんのアルバム

エンディングテーマは杉田裕の「絶望してる暇はない」