The Beatles Lover No.5 ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ

人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。

 

ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。

杉田裕(JAYWALK)とサミー小川(メディアプロデューサー)がナビゲートします。

317回【2023年4月22日〜28日】の放送は、アルバム「ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day's Night)」をご紹介します。

 

 

【サミー】春もたけなわです。春といえば球春という言葉があって、野球のシーズンの始まりに使いますよね。

【裕】WBCは盛り上がりました。優勝しましたー!

【サミー】そして春の甲子園があり、プロ野球が開幕しました。今年の春は野球づくしです。

【裕】本当にそんな感じですね。

【サミー】甲子園といえば、僕が育った山梨県の高校が初めて優勝しました。

【裕】山梨学院高校、すごいですね。

【サミー】地元の方は盛り上がったみたいです。実は、僕が高校三年生の時に、母校の日川高校が夏の甲子園に出場しました。同じクラスの子たちが選手として頑張りました。

【裕】それは盛り上がりますね。

【サミー】ところが、一回戦でPL学園と当たってしまって・・・。

【裕】それはもう無理ですね。

【サミー】普通の県立高校がPL学園のような私立の強豪校と当たってしまうと、厳しいですよねー。杉田さんの高校も甲子園に出たことがあるんですよね?

【裕】僕の熊谷高校は、野球では弱小高校だったんですよ。埼玉県予選ではいつも一回戦負けだったんですけど、僕がJAYWALKでデビューして2年目の1982年に、たまたま甲子園に出たんですよ。一回戦に勝って二回戦で負けちゃいましたけど、甲子園まで応援に行こうかと思うくらいの盛り上がりでしたね。

【サミー】寄付の依頼が来るんですよね。

【裕】来ましたね。

【サミー】日川高校は、初めて甲子園に出た時に寄付がたくさん集まって、その後、グラウンドが一つ増えました。

【裕】土地を買ったっていうこと?

【サミー】県立高校なので、寄付のお金が直接回ったかどうか分かりませんが、甲子園の後、しばらくしてグラウンドが増えました。

【裕】良いことですよね。

【サミー】ところで、今週ご紹介する曲は?

【裕】アルバム「ハード・デイズ・ナイト」より「ア・ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day's Night)」、「恋する二人(I Should Have Known Better)」をご紹介します。

オープニングテーマは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」

 

杉田裕の今週の紹介曲は「ア・ハード・デイズ・ナイト(A Hard Days Night)」

【裕】この頃のビートルズは本当に多忙で、それがタイトルにも現れています。サミーさんは徹夜とかしますか?

【サミー】僕は全然ダメですね。

【裕】僕もダメな方です。レコーディングでは一日だけ徹夜したことがありましたけど・・・。それでね、人は何時間まで起きていられるかを調べてみたんです。1964年にアメリカの男子高校生が264時間12分起きていたという記録があるらしいんですよ。

【サミー】10日間以上ってこと?

【裕】11日と12分。

【サミー】えーっ!

【裕】2日寝ないでいると記憶障害、集中力の低下を起こすし、4日だと妄想をし始め、7日だと言語障害が出てくるらしい。この11日間はどうやって起きていたんでしょうかね?

【サミー】4日で妄想ですかー。では4日くらい寝ないで「MOSO THE BEATLES」を作るのが良さそうですね(笑)。

【裕】JAYWALKのレコーディングのサイクルは、朝11時くらいに起きて、ご飯食べてからスタジオに行って、2時くらいから作業を始めるんです。夜の7時頃にご飯食べてから再開して、夜中の1時、佳境に入ると4時くらいまで作業をするという連続でした。あの頃はハードでしたねー。今じゃ到底出来ないけど。

【サミー】そんなに長い時間やるんですね。

【裕】レコーディングって、どんどん変えていくので終わりがない。でも、締め切りは必ずやってくる。そうするとトラックダウン(ミックス)が集中して、2〜3日くらいで全曲やることになる。それにしても、この頃のビートルズは大変だっただろうなーって思います。

【サミー】なるほどー。

【裕】ところで、今日はミニキーボードを持ってきました。

【サミー】小さいですね。なんという名前のキーボード?

【裕】AkaiのMPK miniっていうミニ鍵盤です。音源はパソコンに入っています。それで「ア・ハード・デイズ・ナイト」のイントロの響きをやってみたいと思います。

※ラジオ放送では♪ジャーン♪を聞いていただきました

【裕】似てる?

【サミー】あー、似た感じですね。

【裕】色んな人がやってますけど、多分、単純にD7のsus4だろうと思います。

【サミー】なるほどー。レコードでは色んな楽器が入っていて複雑に聞こえますよね。

【裕】このアルバムは、ジョンの作曲能力が開花したアルバムだと思うんです。全曲オリジナルですよね。この「ア・ハード・デイズ・ナイト」の歌い出しはセブンスのロックンロールだけど、“When I Home〜”のところでポップなサビを付けるのがすごいセンスだなって思います。

【サミー】ホントすごいです。ジョンの最高傑作アルバムと言う人もいますよね。

 

 

サミー小川の今週の紹介曲は「恋する二人(I Should Have Known Better)」

【サミー】このアルバムは1964年7月10日にリリースされました。ビートルズにとって3枚目のアルバムです。彼らのオリジナル・アルバムの中で、収録曲の合計時間が最も短い(Spotifyでは30分11秒)。ビートルズのアルバムは基本的に全14曲のフォーマットですが、このアルバムは13曲。カバー曲は入れずに初の全曲オリジナル、しかもジョンが10曲書いています。カバー曲など余計なものがないので凝縮感がすごい。本当に傑作アルバムだと思います。

【裕】そうですよね。

【サミー】ところで、東回りの国際線の飛行機に乗ると、ひどい時差ボケになりますよね。例えば成田からニューヨークに行く場合は、午前11時に出発して現地の午前11時に到着する。13時間飛行機に乗って到着すると、現地時間は24時間経過したことになってしまう(日付変更線をまたいで日付は変わらないので、同じ時間に戻るとも言えますが・・・)。ニューヨークからロンドン間も同様で、ニューヨークを夜7時に発って7時間ほどのフライトで、ロンドンの朝7時に到着する。この便はビジネス客が多く、あまり寝られなくて、赤い目をしたビジネスマンが多いことから「レッドアイ・フライト」なんて呼ばれています。以前はコンコルドがその区間を飛んでいましたよね。コンコルド、覚えてますか?

【裕】あー、飛んでた飛んでた。

【サミー】今はなくなっちゃいましたけどね。コンコルドは、ニューヨーク=ロンドン間を3時間弱で飛んでいました。このコンコルドの短時間飛行を上手に利用したのが、1985年7月のライブエイドに出演したフィル・コリンズでした。彼はロンドンで出演した後、コンコルドでアメリカに飛んで、アメリカでも出演するという離れ業を行いました。さて、ここからが本題なのですが、このフィル・コリンズは、映画「ハード・デイズ・ナイト」にエキストラとして出演していました。

【裕】え、そうなの?

【サミー】YOUTUBEを検索したら、この子がフィル・コリンズだって解説している映像を見つけました。そして、映画のDVDを何度も何度も見たら、とうとう発見しました。なるほど、一瞬写っているこの子なんだなって。

【裕】面影があります?

【サミー】ライブシーンの「シー・ラヴズ・ユー」が終わったあたりで、前髪がたっぷりある(笑)フィル・コリンズを見つけました。

【裕】当時はね(笑)。

【サミー】ところで、この曲「恋する二人」は冒頭のハーモニカの音がすごく効果的です。一瞬、音を切るんですけど、ちょっとびっくりさせると言うか、曲に対する注意を喚起させる素晴らしい演奏だなって思います。

 

目指せ!レノン=マッカートニー

【サミー】作曲家杉田裕と、作詞家サミー小川がレノン=マッカートニーを目指して曲を作り上げていくコーナーです。このコーナーから生まれた杉田さんの新しいオリジナル・アルバム「WALK of LIFE」をご紹介します。

【裕】「路は続いてく」を聴いていただきます。これはサミーさんが作詞してくれたんですけど、僕が元々作っていた曲に歌詞をつけてくれた。親子のほのぼのとした感じ、日常が描かれている。親が子供を思う気持ちが現れている良い曲だなって思います。アルバム化する時に歌詞を直そうという話があって、サミーさんといろいろとやりとりしていたんですけど、なかなか歌が上手く歌えない。最初に出したものとイメージが変わってしまう。そうするとこの曲を気に入ってくれていた人からは、ちょっと違うよって思われるかもしれない。最初に聞いたのが良いって言うのがあるじゃないですか。

【サミー】詞としては直したいところがあったんです。

【裕】それは重々承知しています。

【サミー】確かに耳慣れた人には、変えないほうが良いっていうのもあるかもしれない。

【裕】先日、北陸のツアーに行った時に、男性のファンの方がこの曲「路は続いてく」が大好きですって言ってくださって、すごく嬉しかった。

【サミー】ありがたいですね。夜、子供が塾から帰ってくるのを駅まで迎えに行くシーンをイメージして書いた詞です。

【裕】すごく具体的ですね(笑)。

 

 

ビートルズ・カバーズ

【サミー】ビートルズ曲の個性的なカバーご紹介するビートルズ・カバーズのコーナーです。杉田裕さんのカバーアルバム「MOSO THE BEATLES」をご紹介します。

【裕】この番組もそうですけど、ラジオで自分の曲を流してもらえるのはとても嬉しい。さて、今週は「イエロー・サブマリン(Yellow Submarine)」を聴いていただきます。これはリンゴが歌った曲ですけど、ジョンが歌ったらどうなるかなって思ってやってみました。ショートディレイを使って、ローカットしたヴォーカルをダブルにして、ジョンをイメージした声質を作ってみました。あと、ジョンの名作「イマジン(Imagine)」のイントロを堂々と持ってきた(笑)。自分のオリジナル曲で「イマジン」のイントロを使ったらダメですけど、ビートルズの曲だったら良いんじゃないかな(笑)。

【サミー】昨年発売された「リヴォルヴァー」のスーパーデラックス版に、ジョンが歌った「イエロー・サブマリン」の初期バージョンが収録されていました。それを聴いて、似てるなって思いました。杉田さんがこのカバーを作った時は、まだ発表されていませんでしたけど驚きました。

【裕】本当に?今度聴いてみよう。

【サミー】モーソーがモーソーを呼ぶ。

【裕】偶然ですね。

 

 

ゴールデンウイークはライブを楽しもう!

【裕】ゴールデンウイーク5月3日と4日、熊谷・八木橋百貨店カトレアホールでライブが迫ってきました。5月4日は、去年に引き続き、スターダスト☆レビューの柿沼清史くんと「杉田ヒロシ&柿沼キーボー〜続・4年振りの浮気〜」というライブを行います。5月3日は中村耕一さんと杉田裕の二人のライブです。これは配信も決定しましたので、家でのんびりしながら楽しむこともできます。

【サミー】配信は一週間楽しめるんですね。

 

エンディングテーマは杉田裕の「絶望してる暇はない」