The Beatles Lover No.5

ディープなファン目線、サウンドメーカー目線で

ビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく

The Beatles Lover No.5。

 

杉田裕(JAYWALK)と

サミー小川(メディアプロデューサー)が

ナビゲートします。

 

276回【2022年7月9日~7月15日】の放送は

「レット・イット・ビー」のB面を紹介します。

 

今週はゲストに杉山清貴さんをお迎えしています。

 

 

【サミー】杉山さんと杉田さんは昔からのお知り合いですか?

【杉山】知り合いなんだけど、ずっとお会いしてなかったんです。1979年につま恋でお会いしたのが最初でしたよね?

【裕】ポプコンの関東甲信越代表で、杉山さんの「きゅうてぃぱんちょす」と僕らの「ジプシーとアレレのレ」ともう一つのバンドでバスに乗ってつま恋まで行きました。修学旅行気分だったなー。

【杉山】本当はジプシーだけだったのに、曲を書いた根本要さんがオレたちも連れてけって言って、くっついて行ってしまったんですって。前代未聞ですよね(笑)。

【裕】バスの中で「きゅうてぃぱんちょす」の誰かからウオークマンを借りて聞かせてもらったんですよ。あの頃はまだウオークマンが出たばかりで珍しかった。

【杉山】持っていたのは、ドラムの廣石さんです。新しいもの好きだった。

【裕】すごくいい音で、感激しました。

 

 

【サミー】さて、思い出話は尽きませんが、番組を進めてまいりましょう!今週ご紹介する曲は?

【裕】「レット・イット・ビー」B面から、「アイヴ・ガッタ・フィーリング」と「ワン・アフター・909」をお送りします。

 

【サミー】では今週もどちらが担当するかジャンケンで決めよう。ジャンケンポン!あ”ー、負けたー。

【裕】では「ワン・アフター・909」を杉田裕が・・・

【サミー】「アイヴ・ガッタ・フィーリング」をサミー小川がご紹介します。

 

サミー小川の今週の一曲は「アイヴ・ガッタ・フィーリング(I've Got A Feeling)」

【サミー】味噌、ありますよねー。

【裕】ありますねー。

【サミー】味噌には、色の違い、材料の違い、味の違いなどいろんな種類があります。一流の料亭ではオリジナルの合わせ味噌を作って良い味を出していたりします。合わせるのが大事で、やっぱり混ぜると良い味が出るんだなー。

ビートルズの楽曲も、ジョン味噌とポール味噌が合わさると良いんです。この「アイヴ・ガッタ・フィーリング」は、違う2曲を合体したもので、「恋を抱きしめよう(We Can Work It Out)」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」と同じタイプの合わせ方です。このほかにも、「シー・ラヴズ・ユー」や「抱きしめたい(I Want To Hold Your Hand)」のように最初から二人が一緒に作るもの、あるいは作りかけの曲がフィニッシュできなくて助けを求めたものなどがあります。

いろんなタイプがありますが、とにかく、合わせ味噌状態がビートルズの魅力のミソなんです(笑)。

 

 

【サミー】この曲は1969年1月2日のゲット・バック・セッション初日には合作曲として出来上がっていました。前の月にジョンがポールの家に行って、仕上げていたそうです。それにしても、「Get Back」を見ると、ポールがジョージにギターリフ(チョークダウン)について細かく指示してます。

【杉山】細かすぎです。あれでは煮詰まりますよねー(笑)

【サミー】ルーフ・トップでもこの曲は演奏されています。この時の選曲は「ゲット・バック」「ドント・レット・ミー・ダウン」「アイヴ・ガッタ・フィーリング」「ワン・アフター・909」「ディッグ・ア・ポニー」というラインアップ。ロックバンドとしての魅力、ジョンとポールのコーラスが際立つ曲が上手に選ばれています。残念ながらジョージの曲はありません。

【杉山】ジョージは全てにおいて前に出る人じゃないし、ジョンとポールの才能も分かっています。それで良いんじゃないでしょうか。

 

杉田裕の今週の一曲は「ワン・アフター・909(One After 909)」

【裕】B面の2曲目です。良い曲ですね。ジョンが10代の頃に書いたと言われていますけど、曲が足りなかったんだろうなと思います。杉山さんもアルバム作る時に昔の曲をもってきたりしますか?

【杉山】持ってきますね、探します(笑)。

【裕】そういったことで持ってきた昔の曲なんだけど、すごくノリの良いロックンロール。少しハネていく曲です。ビリープレストンが入ってサウンドが固まってバシッと決まった感じです。

定位で言うと、ジョンとポールのボーカルがセンターでいて、バンドとしてしっかりまとまっています。

 

 

この曲は「レット・イット・ビー」のアルバム、グリン・ジョンズのミックス、ネイキッド、2021年のスペシャル・エディションといったバージョンがあります。どれも同じテイクのはずなのにミックスによって印象が変わる。グリン・ジョンズのミックスはジョンとポールのボーカルが左右に分かれていてバラバラな感じだったのが、その後のミックスでみんながセンターになることでバンド感が出た印象です。詞の内容は、彼女が列車に乗るのを追いかけたけど・・・

【杉山】間違えちゃった(笑)

【裕】そんなおっちょこちょいな内容なんだけど、若い頃に作った曲の青々さが出ている。

【杉山】ジョンもポールも韻をすごく大事にしている。この曲も韻の世界なんです。だからストーリーと韻をうまく作れているのがやっぱ天才だなー、若い頃の曲なのに。

【サミー】デビュー直後に一回レコーディングしてますけど、それと比べると段違いですよね。すごく良くなっています。

 

「今週のビートルズ・ラバー」は杉山清貴さん

ゲストを迎えてビートルズ愛を語っていただく「今週のビートルズ・ラバー」のコーナー。今週のゲストは、杉山清貴さんです。

 

 

【サミー】杉山さんとビートルズの話ができるなんて幸せです。

【杉山】うれしいですね。

【サミー】小学生の頃からビートルズを聴き始めて影響を受けたというお話は、過去のインタビューなどで拝見したことがありますけど、具体的にすごいと思った曲や、影響を受けたと思える曲はどんなのがありますか?

【杉山】いやー、全部です。存在自体が全部です。

【サミー】「レボリューション9」に至るまで?

【杉山】全部愛してます。最初のきっかけは小学校5年生の頃仲良くなったミウラコウジ君という友達がいて、家が近所だったんですけど、彼が外国人の絵を描き始めたんです。「これは何?」って聞いたらビートルズだよ、ジョンとポールとジョージとリンゴだよって。彼の家に遊びに行くと高校生のお兄さんが洋楽大好きで、ビートルズをガンガン聞いていて。それまで僕は洋楽のヨの字もなく、アニメのソノシートくらいしか聞いたことがなかったのが、「これは何なんだろう」とガツンと大ショックを受けました。そこからラジオを聴いたりアルバムを聴き込んだりしてハマっていきました。存在そのものがすごくて、啓示を受けたみたいだった。

【サミー】中学生になるとバンドを始めて、どんなビートルズ曲を演りましたか?

【杉山】バンドといっても寄せ集めメンバーで、合唱部のピアノの女子を引っ張ってくるとか、そんな程度でしたけど。曲は「オクトパス・ガーデン」「レット・イット・ビー」「ヘイ・ジュード」「恋を抱きしめよう(We Can Work It Out)」「レディ・マドンナ」とか、5〜6曲だと思います。リードをとって歌うので、例えば「オクトパス・ガーデン」はイントロのギターを自分でコピーして歌うというパターンでした。

【裕】今でもライブで演ったりしますか?

【杉山】機会があれば演りますね、ハイ。

【サミー】杉田さんも中学生の頃にカバーしましたか?

【裕】ビートルズは難しくて分からない。

【杉山】分からないですよね、コードが。

【裕】サウンドが難しくて。

【杉山】雰囲気なんです。コードなんて全然知らない頃だし、耳で聞いた雰囲気で取ってやっていた。余談になっちゃうんですけど、当時、チューリップがビートルズのカバーアルバムを出して、「レディ・マドンナ」のサックス・ソロをギター・ソロに変えてやっているのがカッコ良くて、それを一所懸命コピーして中学の文化祭で披露したりしましたね。

【裕】僕はバンドを始めたのは高校になってからかな。杉山さんは早かったですね。

【杉山】中1でバンドやってました。

【サミー】高校の頃もビートルズを演ってましたか?

【杉山】高校ではアメリカン・ロックの方に行きましたけど、ビートルズは基本にあります。これがなくなったら終わりですよ。

 

 

【サミー】ビートルズには赤盤・青盤があるためなのでしょうけど、前期・後期みたいな言い方がされます。杉山さんはデビュー直後の初々しい感じのビートルズと、「レット・イット・ビー」の頃の大人になったビートルズと、どっちが好きですか?

【杉山】バンドマンなんで生演奏が好きなんですよ。だからスタジオにこもり始めた頃のはちょっと違う感じの世界だな、と思います。4人だけで演奏している前期と、そして「レット・イット・ビー」ですね。演奏能力の素晴らしさを聴きたいんですよ。やっぱすげーなーと感じたい。

【裕】リンゴのドラムがすごいですよね。

【杉山】すごいです。何なんですか、あの人のタイミングは。誰もマネできないですよね。

【サミー】プロの方はリンゴのドラムをすごく褒めますよね。

【裕】ノリの良さとか、キープ感とか。

【杉山】ノリの良さはリンゴが出してます。あの人のグルーブで跳ねたりとか変わってくる。これがすごい。

【サミー】今週は杉山清貴さんをお迎えして、ビートルズとどんな風に触れ合ってきたかを聞いてきました。

【杉山】すごくかいつまんで話しました(笑)。

【裕】キリがない。時間がいくらあっても足りない感じです。

【サミー】杉山さん、来週、再来週も良い?

【杉山】喜んで。ネタ持ってますんで、いくらでも。

【裕】うれしい!

【サミー】話の続きは、また来週ということにしましょう。最後に、これはすごいと思うビートルズ曲を一曲、杉山さんに選んでいただきたいと思います。

【杉山】曲もコーラスもすごいし、演奏の方向性もすごい「イン・マイ・ライフ」をお願いします。

【サミー】アルバム「ノスタルジア(Nostalgia)」に収録されている、杉山清貴さんと南佳孝さんによるカバーバージョンでお聞きください。

 

↓「イン・マイ・ライフ」が収録されているアルバムはこちら

エンディングテーマは「絶望してる暇はない」

 

番組から生まれた杉田裕さんのソロ作品も聴いてみてくださいね!