亡くなられた方は
悲しまれるのが一番悲しいのだそうです

思い出して笑って偲ばれる方が
楽しいんだそうです

亡くなられた方がどこに行き
何を思うのかは分かりませんが

自分が亡くなったのだとしたら確かに
泣かれるより笑顔で突っ込まれている方が良い
ばか話しの話題になっていた方が良い

娘二人が
あーだ、こーだ言いながら
徐々に母の身の回りのものを整理し始めました
「お母さんてさ〜」と言いながら
私も「そうなんだよ、あの人はさ〜」
とそこに合いの手を入れます

まだまだやらなければならない事は山ほどある

明日はお通夜
明後日は告別式

決して仲の良い夫婦ではなかったし
喧嘩もしたし
文句も言い合いました

彼女は早く役者を辞めて給料制の仕事に就いて欲しかったのだろうし
私は石にかじり付いても
バイトをしながらでも役者を、芝居を続けたかった

大きな意思の相違

それでも25年間家族をやって来た
娘が二人
三女も来た

仮に
別れても
嫌いになっても
生きていればまた会える

入院していようが
無菌室にいようが
そこに行けば会える

二度と会えないというのは
直接文句一つ言えないというのは
それはとっても
言いようがない感情なのだなと

好きとか
嫌いとか
そういう事ではなく
いるのが当たり前だった
家族の一人が
いなくなるということ

説明出来ない感情です