私は昭和31年(1956年)生まれですので、テレビの特撮モノでは、昭和41年(1966年)に放映が開始された「ウルトラQ」や「ウルトラマン」(初代)を、子供時代にリアルタイムで見ていました。本当に幸運だったと思います。

 一方、いわゆる「怪獣映画」については少し遅れた世代なので、日本で最初の怪獣映画である「ゴジラ」(1954年:公開された年→以下同じ)や、「空の大怪獣ラドン」(1956年)、「モスラ」(1961年)、「キングコング対ゴジラ」(1962年)は劇場では見ていません(もう少し早く生まれていたら・・・)。母親に連れられて最初に見た怪獣映画は「モスラ対ゴジラ」(1964年)で、確か併映は、夏木陽介さん主演の「青春とはなんだ」(テレビドラマのダイジェスト版か?)でした。

 それはともかくとして、怪獣のことを考えていたら、ふと「そういえばあまりパッとしない怪獣がけっこういたなー」と思いました。今回は、ゴジラやモスラやキングギドラなどの主役級の怪獣のかげでひっそりと活躍していた「脇役の怪獣」たちについて個別にお話ししたいと思います。

 

《アンギラス》

 「アンギラス」は、東宝のゴジラシリーズの第2作である「ゴジラの逆襲」(1955年)に登場し、ゴジラと最初に戦った怪獣です。

 アンギラスは、ゴジラと同じく、水爆実験によって突然変異し現代に蘇った太古の恐竜で、四足歩行し、身体の各部分に脳があるため動作が俊敏です。特に熱線などは吐かなかったと思います。最初は「岩戸島」というところでゴジラと戦い、ゴジラを追って大阪に上陸し、大阪城の辺りでゴジラと死闘を繰り広げ、最後はゴジラの白熱光に焼かれて死にます。

 私は、アンギラスというと、この映画しか知らなかったんですが、今回調べてみたら、その後6本の怪獣映画に「ゴジラの良き相棒」という役回りで出演(?)していることが分かりました。私にとっては影の薄い怪獣なんですが、結構人気があったんですね。

 

 

 

 

《ラドン》

 「ラドン」は、水爆実験の放射能や地殻変動の影響で、原始時代の翼竜であるプテラノドンが突然変異して現代に出現した怪獣です。最初に登場したのは「空の大怪獣 ラドン」(1956年)です。九州の阿蘇山の近くの洞窟で誕生し、航空自衛隊の戦闘機と大規模な空中戦を展開した後に、福岡市上空に飛来し壊滅的な被害を与えます。

 空中を飛ぶラドンの衝撃波で建物が吹き飛ぶ場面が、小さい頃の記憶の中に残っているのですが、映画館で見ているわけではないので、だいぶ後にテレビでやっているのを見たのでしょうか。

 ラドンは、その後「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964年)で、ゴジラ、モスラ(幼虫)と協力して、宇宙から飛来した怪獣「キングギドラ」と戦います。私は、小学生の時に劇場でこの映画を見ているのですが、キングギドラの圧倒的な造形、主役であるゴジラの存在感、可愛らしいモスラの幼虫と比較して、ラドンは、「三大怪獣」のうちの一匹なのに、モスラの幼虫を背中に載せて飛ぶ場面以外は、くちばしでつついているだけで「なんか、パッとしないなー」と思っていました。

 その後、ラドンはいくつかの怪獣映画に出演(?)していますが、空を飛ぶ怪獣としては、大映のガメラシリーズに登場した「ギャオス」のほうが、鮮烈な印象として残っています(ラドンのファンの方、申し訳ありません)。

 

 

 

※ Xに画像を投稿しました(2024.4.16)。

https://twitter.com/sasurai_hiropon

 

(以下次回→時期は未定)