映画「男はつらいよ」シリーズについては、日本中に知らない人はいないのではないでしょうか(若い人は知らないか・・)。山田洋次監督が原案・脚本を担当した連続テレビドラマ「男はつらいよ」が1968年に放映されたところ、このドラマがヒットし、松竹により映画化することになりました。山田洋次さんが監督を務めることとなり、1969年に第1作「男はつらいよ」が公開されました。

 

 

 当初は観客動員も地味でしたが、尻上がりに観客動員数が増加し、押しも押されもせぬ松竹の看板映画となりました。「男はつらいよ」シリーズ(以下「寅さん」と言います)は、1969年から1995年まで全48作が公開され、1年に2作(1年に3作の年、1年に1作の年もあります)、つまり「盆と暮れは寅さん」ということで日本中の多くの寅さんファンが楽しみにしていました。

 私は、若い頃から寅さんが大好きで、かなりの作品を見ていますが、全ての作品を覚えているというほどのファンではなく、例えば「大原麗子さんがマドンナの作品はこんなストーリーだった」と即座に思い出せるほどではありません。しかし、若い頃、北千住の場末の二番館で、おでんを食べながら寅さんを見て大笑いしていたことは忘れません。

 ふと「なぜ寅さんは面白いのか?」と考えてしまいました。山田洋二さんと浅間義隆さんの脚本、山田洋二さんの演出が優れているのはもちろんですが、渥美清さんが演じる「車寅次郎」(以下「寅」と言います)という男の「どうしようもないバカな男だがなにか憎めない」という人物像が、他ではマネができない独特のもの(「キャラ立ち」している)であるということが最大の要因ではないでしょうか。

 今回は、寅という人物の性格について、ツラツラ考えてみたいと思います。

 まずこの男の性格について思い浮かぶままに列挙してみます。

①    サラリーマンなどの仕事は死んでもできない

②    すぐ女に惚れる

③    性格が明るい

④    物事を深く考えない

⑤    自分勝手である

⑥    喧嘩っ早い

⑦    意外とシャイである

⑧    当意即妙な話ができる

⑨    人情にもろい

⑩    人懐っこい

⑪    偉い人だからお愛想を言うということが全くない

⑫    人を楽しませるのがうまい

⑬    自分がまともな暮らしができないことを知っている

⑭    時々名言を吐く

⑮    すぐばれる嘘をつく

⑯    おだてに弱い

⑰    前触れもなくふらっと帰ってくる

⑱    いたたまれない状況になると旅に出る

⑲    旅で出会った人たちに「葛飾柴又のとらやを訪ねてみな」としょっちゅう言っている

 

 こんなところでしょうか。なんかすごくめんどくさい男ですね。たまに会うならいいけれど、親戚にこんな男がいたら困りますね。

 

 

 次回は、上に挙げたことのうちのいくつかについて、個別に検証(?)してみたいと思います。

 

※ Xに画像を投稿しました(2024.3.23)。

https://twitter.com/sasurai_hiropon

 

(以下次回→時期は未定)