私は昭和31年(1956年)生まれですので、こどもの頃に聴いていた歌はもっぱらテレビやラジオの歌番組で流れていた歌でした。ふとした時に、そのような歌が頭の中で再生されることがあり、その当時の生活の雰囲気が頭の中に広がり懐かしい気持ちになります。

 今回は、今でも頭の中に蘇るそのような歌についてツラツラお話ししようと思います。

 

《まつのき小唄とお座敷小唄》(1964年→レコードが発売された年:以下同じ)

 この2つの歌を聞くと、家族全員でおせちを囲んで赤玉ポートワインで乾杯(こどもはちょっぴり)しながら「あけましておめでとうございますー」とあいさつした光景がよみがえります。昔は、お正月のテレビ番組は歌謡ショーのような番組が多く、おせちを食べている時にテレビで流れていたんだと思います。ちなみに、ネットで当時のレコードジャケットの写真を見たら、まつのき小唄のB面は「ウルトラでやりましょう」という曲でした。1964年は東京オリンピックで日本中が沸き立っていた年でしたね(ウルトラCというのは、体操の難度の高い技のことです)。

 この2つの曲のリズムは「ズンチャッ チャチャチャチャチャ」を繰り返す調子のいいリズムですが、このリズムはその頃流行っていた「ドドンパ」というリズムです。このリズムが一番特徴的なのは、やはり「東京ドドンパ娘」ですかね(全く知らない方には申訳ありません。ドドンパといったら富士急ハイランドですか・・)。

 

 

 

 

 

《ヘイ・ポーラ》(1963年)

 「ヘイ・ポーラ」は、米国で「ポールとポーラ」という二人組が歌い1962年にリリースされ、3週連続全米第1位を記録した大ヒット曲です。日本では、1964年に「田辺靖雄」さんと「梓みちよ」さんのデュエットでカバーされ、これも大ヒットしました。

 その頃は、ラジオでは米国版が流れ、テレビでは日本版が流れ、なにかヘイ・ポーラが一日中流れていたような気がします。典型的なアメリカン・ポップスの甘い歌詞とメロディーは、今聞いても何か心がしっとりとしてきます。この曲が脳内再生されると、当時両親と住んでいた社宅アパートの光景が脳裏によみがえります。

 

 

 

 

《ヴァケーション》

 原曲は、「コニー・フランシス」が歌い1962年に米国でリリースされた曲ですが、私の記憶の中にあるのは、1963年に発売された「弘田三枝子」さんがカヴァーした歌です。

 前奏がなく、突然「ビーエーシーエーティヤヨエーン~ 楽しいな」と始まるこの歌を聞いて、子供の私は「なんば言いようとかいね この歌は!」(博多弁です)と思っていました。「V・A・C・A・T・I・O・N~ 楽しいな」だったんですね。子豚のようにまるまるとした(失礼!)弘田三枝子さんが、若さにあふれたビートのきいた声で歌うこの歌は、聴いていると子供心にもワクワクしました。

 

 

※ ツイッターに画像を投稿しました(2024.3.15)。

https://twitter.com/sasurai_hiropon