私は、今年(2024年)の3月で、退職してから丸3年が経ちます。現役の頃はよくカラオケに行っていました。私は、自分がカラオケで歌う時、どうしてもその歌手の歌い方をマネてしまうのです。チャゲ&飛鳥の「万里の河」を歌うと飛鳥涼(敬称略:以下同じ)に似てしまい、サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」を歌うと桑田佳祐に似てしまい、アリスの「チャンピオン」を歌うと堀内孝雄に似てしまい、内山田洋とクールファイブの「噂の女」を歌うと前川清に似てしまいます。自分では意識していないのですが、どうしてもそうなってしまいます。

 そんな私ですが、「壊れかけのradio」で知られている「徳永英明」さん(以下、敬称を付けます)の声はマネができないのです(徳永英明さんのキーが高いということもあるのですが)。私は、以前は、特に徳永英明さんの歌が好きな訳ではなかったのですが、FM放送か何かで、徳永英明さんが、「一青窈」さんの「ハナミズキ」をカバーして歌っているのを聞きました。私は、それまで何度もハナミズキを聞いていましたが、それほどいい曲だとは思っていませんでした。それが、徳永英明さんが歌うハナミズキを聞いて、なんていい曲なんだろうと思ってしまいました。

 

 

 この曲は、徳永英明さんが2005年にリリースした「VOCALIST」というアルバムに収録されているということが分かり、私はこのアルバムを買いました。このアルバムは、いろいろな女性歌手の代表的な曲を徳永英明さんが歌うというコンセプトで作られたアルバムで、ハナミズキを含めて、「中島みゆき」さんの「時代」、「久保田早紀」さんの「異邦人」、「山口百恵」さんの「秋桜」など全13曲が収録されています。

 私は、このアルバムを聞いて考え込んでしまいました。「どの曲もなぜこんなに心に沁み込んでくるのだろう」と。そして、私のお得意のワザで、徳永英明さんの声を真似してみようとしたんですが、全く真似することができないのです。「これはどういうことなんだろう」と思いました。

 いろいろ調べてみたところ、徳永英明さんの「声の出し方」が非常に特徴的であることが分かりました。徳永英明さんの声の出し方の最大の特徴は、「ハイトーンなハスキーボイスに『倍音』が重なっている」ということのようです。音楽の理論から「倍音」を説明すると難しくなるので(私もよく分かりません)、「歌う」ということに限定すると「通常のメロディー以外の音が同時に響いていること」と言えるのではないでしょうか。

 モンゴルには「ホーミー」というの伝統的歌唱方法があります。これは、一人の歌手が高さの異なる2つの音を同時に表現する歌唱方法で、「倍音」が顕著に表れている不思議な歌唱方法です。

 

 

 徳永英明さんの歌声は、ハスキーボイスに倍音が重なることにより、ささやくような時にも遠くまで響く、深く厚みのある歌声になっているようです。

 「ミュージックフェア」という番組の去年(2023年)の7月に放送された分に、徳永英明さんが出演して「壊れかけのradio」を歌っておられました。この曲は、徳永英明さんがまだ若い頃の1990年に、10枚目のシングルとしてリリースされた曲です。その歌声は、若い頃よりさらに完成され、「素晴らしい」の一言です。

 

(数年前の歌声のようです)

 

※ Xに画像を投稿しました(2024.2.27)。

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