「所ジョージ」さん(以下「所さん」と言います)と言えば、お茶の間の人気者で、「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」や「所さんの目がテン!」などのバラエティ番組の司会でおなじみですね。

 しかし、皆さんは、所さんがもともとはシンガーソングライターだということを知っていましたか。所ジョージさんは、今まで多数のオリジナルアルバムとシングルをリリースしています。とはいえ、その作風は、ジャンルで括るとすれば「冗談音楽」であり、音楽でコントをしているような作風です。

 今回は、そのオリジナルアルバムの中から、1999年8月にリリースされた16枚目のアルバム「洗濯脱水」をご紹介したいと思います。

 私はこのアルバムを持っているのですが、このアルバムを買った理由は、THE ALFEEの坂崎幸之助さん(以下「坂崎さん」と言います)にあります。少し長くなりますが、そこのところをまずお話ししたいと思います。所さんと坂崎さんは長年の友達です。二人が知り合ったのはTHE ALFEEが「メリーアン」でブレイクするずっと前で、坂崎さんがひょんなことから漫画家の赤塚不二夫さんと知り合いになり、赤塚不二夫さんの「面白グループ」に出入りするようになり、その溜まり場だった新宿の寿司屋で初めて会ったそうです(「タモリ」さんもこのグループの一員でした)。

 知り合って間もない頃、たまたま一度、所さんの歌に合わせて坂崎さんがバックでギターを弾いたら、所さんが「おっ、いいな、いいな」と感激して、所さんのほうから下北沢の坂崎さんの部屋に遊びに来るようになったそうです。所さんは次々と新しい曲を持って遊びに来るようになり、二人で演奏しながらカセットテープに録音したりするようになりました。

 当時、所さんはラジオの深夜番組「オールナイトニッポン」のパーソナリティーをやっていて、「今度放送でナマで一緒にやろうよ」と言われて、それから坂崎さんは所さんのオールナイトニッポンに必ず遊びに行くようになりました。

 そのうち、所さんから「オレが出る学園祭でバックをやってくれないか」と言われ、坂崎さんは、ずいぶん全国各地の学園祭に行ったそうです。

 そんなふうに一時期、年中付き合っていた時、坂崎さんは所さんから「アルフィーでやっていてもダメだよ。オレと一緒にやらないか」と何度も誘われたそうです。その時坂崎さんはこう答えたそうです。「いや、オレたちそんな簡単な関係じゃないんだよ。音楽をやるならアルフィー以外でやることなんか考えられない」。所さんはなかなか理解してくれなかったそうです。もしもこの時、坂崎さんが所さんの誘いに乗っていたら、その後のアルフィーはなかったんですね(トコ&サカとかいうユニットになっていたりして・・)。

 それはともかく、坂崎さんは所さんの曲のレコーディングにもずいぶん参加しています。所さんの「寿司屋」というシングルはアレンジも演奏も全て坂崎さんがやり、「成り下がり」というアルバムも半分は坂崎さんと所さんの二人でレコーディングしたそうです。

 前置きが長くなりました。次回は、アルバム「洗濯脱水」の内容についてお話しします。

 

 

 

 

※ 「X」に画像を投稿しました(2023.9.1)。

https://twitter.com/sasurai_hiropon

 

(以下次回→時期は未定)