http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111128-00000301-zai-bus_all 配当狙いの投資では、長期間安定して配当を受け取れるかどうか、逆にいえば企業がきちんと配当を出し続けられるかどうかを見極めることが重要になってくる。そのためには、次の5つの条件で銘柄を絞り込めばいいとクォンツ・リサーチの西村公佑さんはアドバイスする。
「予想PERで配当を出せる余裕があるかを確認して、PBRでは企業の成熟度を見ます。また、借入金が多いと将来の減配リスクが高くなるので、自己資本比率で安全性の高い銘柄を絞り込み、時価総額と売買代金を見て流動性をチェックします」
銘柄を絞り込んだ後は、必ず業績もチェックしておきたい。
「売上高と経常利益を少なくとも5年分は見て、安定して推移している銘柄が望ましい」(西村さん)
右肩上がりであればそれに越したことはないが、「配当がきちんと出せる収益基盤であることが大事。たとえば、多少減益の年があったとしても構いません。ただし、赤字と黒字を繰り返すなど業績の浮き沈みが激しい企業は避けたほうがいい」(西村さん)。
また、為替の影響で利益が大幅に左右されたり、半導体関連のように数年単位で需給に波がある企業も、配当狙いの投資では避けたほうが無難だ。
ただし、リーマンショック直後の09年3月期は業績が大きく落ち込んだ企業が多いので、この年は特殊要因として除いて考えてもいいと西村さんはいう。
高配当株は長期保有が基本だが、保有リスクを少しでも軽減するため、マネックス証券の金山敏之さんは「株価が配当の10年分くらい上昇した場合には、いったん利益を確定するというのもありだと思います」と語る。
●POINT1●
益利回り 6.7%以上(PER15倍以下)
→4%程度の配当を出しても問題なし!
PERの逆数を「益利回り」というが、これは株価に対する利益の割合のこと。この数字が低いと配当を出した後、資金に余裕がなくなってしまう。例えば、PERが15倍なら益利回りは約6.7%となり、4~5%程度の配当を出しても問題はない。スクリーニングをする際は「PER15倍以下」と条件入力すればいい。
益利回り=1株あたりの予想純利益÷株価×100
●POINT2●
PBR(株価純資産倍率) 2倍以下
→成長銘柄ではなく、“成熟銘柄”を狙え!
PBRとは資産価値から見た株価の割安度。ここでは、安定的に配当を出す企業を絞り込むために使う。成長過程にある企業は、配当より設備投資などを優先して行なうため、内部留保を重視するケースが多い。一般的にそのような成長株はPBRが高めなので、PBRが2倍以下の、成熟期にある銘柄を選ぶといい。
PBR=株価÷1株あたりの純資産
●POINT3●
自己資本比率 50%以上
→借入金が少なく安定配当を出せる!
自己資本比率を見ることで、減配リスクの低い銘柄を絞り込む。自己資本比率が低くても高い配当を出す企業はあるが、将来的に金利が上昇した場合などには、配当を減らして借入金の返済を優先する恐れがある。自己資本が借入金など他人資本を上回っている企業なら、安定して配当を出す確率が高くなる。
自己資本比率=自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)×100
●POINT4●
時価総額 100億円以上
→企業規模が大きく高評価の銘柄に絞れ!
時価総額とは、市場での企業の価値や規模を表す指標のこと。企業の規模が大きいほうが経営基盤がしっかりしていることが多いため、株を長期保有する際にはある程度の規模で絞り込んだほうがいい。また、企業の規模が大きいほうが流動性が高く、株を売りたいときに売れるという安心感もある。
時価総額=株価×発行済み株式数
●POINT5●
売買代金 2000万円以上
→売りたいときに売れる流動性の高さも重要!
高配当株への投資は長期保有が前提になるため、「売りたいときに売れる」という流動性を気にしない人も多い。しかし、相場の急変時や急に現金が必要になったときなどにタイミングよく取引できないリスクがあるので、流動性が低い銘柄は除外したほうがいい。目安は、1日の売買代金が2000万円以上。
売買代金=株価×出来高(約定した株数)
<お話を聞いたのは>
西村公佑さん
ソロモン・ブラザーズ、ゴールドマン・サックスを経て、投資情報会社「クォンツ・リサーチ」の設立に参画。クォンツ分析の第一人者。
金山敏之さん
マネックス証券シニア・マーケット・アナリスト。国内証券会社の投資情報部、外資系証券会社などを経て07年4月より現職。国内市況や業種、個別銘柄に関する分析を担当する。
(取材・文/肥後紀子、イラスト/南後卓矢)

