★Trend 日本初[プロゲーマー]というお仕事
そんな米国でも、梅原氏は格闘ゲーマーなら知らぬ者はいないほど別格のプレイヤー。拠点を米国に移そうとは思わなかったのか?
梅原 実際、米国に住んだらどうかという話はあったんですよ。でも、その選択はなかったですね。というのも、僕のプレイがどうやって培われたものかといえば、日本という世界一レベルの高い環境で鍛えられたからなんですよ。
--日本にいなければ弱くなってしまう、と?
梅原 はい。なんといっても、東京の格闘ゲームプレイヤーのレベルは世界一ですから。人口密集地だけあって、強豪がゲームセンターに集まって、日々しのぎを削っています。これは米国にはない環境ですね。こうしたハイレベルなライバルに揉まれてこそ、プレイの質も保たれているんです。
--毎日の練習量はどれくらい?
梅原 去年はかなりやり込んでいて、一日13時間くらい自宅で『ストリートファイターIV』を練習していました。でも、家にこもっていると運動不足になるし、人と会わないので精神的にもバランスが崩れてきちゃうんです。そういうのって、プレイにも影響がすごく出てきちゃうんですよ。さすがに反省して、今年に入ってからは一日6~7時間くらい、ゲーセンで強豪たちと対戦してます。イギリスのバーみたいに「行けば誰かいるだろ」って感じなんですよ(笑)。
--結果を出さなければ、というプレッシャーもありますか?
梅原 いや、むしろプラスの気持ちが強いですね。ゲームで生活していけるなんて、夢というか、夢以上でしたから。実は一度、格闘ゲームをやめているんです。10代の頃からすごく好きで真剣にやってきたけど、さすがに一生やってるわけにはいかないなと思って。それが、今ではスポンサーがついてくれて、思い切りやっていいわけじゃないですか。こんなに嬉しくてありがたいことはないなと。
--新しいゲームが出るたびに、対応していくのは大変なのでは?
梅原 そうですね。格闘ゲームって、これまでに積み重ねてきたスキルが、新しいゲームでは通用しないということがままありますから。30歳のベテランも、10代の子供も同じ位置からスタートを切らされるので、その現実に負けてゲーマーをやめてしまった人は大勢います。むしろ、そういう人が大半なんじゃないかな。
--現在、日本にはプロゲーマーが何人くらいいるのでしょうか?
梅原 この1年で、僕以外に8人がプロ宣言をしました。今のところ、ゲーム一本で食べている人間は僕くらいでしょうか……。将来的に、皆がゲームだけでやっていけるようになればとは思いますが。
--やっぱり過酷な世界ですね。
梅原 そうですね。でも、自分はいくつになっても最前線に立っていたいと思っていたので、プレイヤーとして力がなければ認めてもらえない世界は、自分の憧れていたものとブレがないんです。「プレイはいまいちだけど知名度はあるよな」なんていうのは許せないんで、オレは新作が出たら、誰よりも若い気持ちでやりますよ。中学生と変わらない気持ちで結果を出していきたいですね。