『ヤケクソか…?浄一、君のスタンドは私には勝てないよ。…さあ終幕と行こうか、我が「ロスト・ホライズン」よ…ッ!!』
ジャラララッ
『ウオオォォォッ!!「ムーン・リバー」ッ!!鎖を奴に巻き付けろォォォッ!!』
ガシッ!!
『…無駄だな。「ロスト・ホライズン」…「巻き付ける力を無に」…』
ジャランッ
鎖が力なく地面へ…!?
『…ならば!地面の破片を鎖に巻きつけてぶつけてやる…ッ!「ドラァッ!!」』
『…無駄だというのがわからないのか?…こんなもの避けるまでもない。』
…!?スタンドの拳で跳ね返すだと…?!
『…避けなさいッ!浄一ッ!!』
グオオオオオオッ
『…クッ!避けられないッ!!』
僕が放った床の破片の石が僕自身に当たる…!
…ペチン。
『……え?…………痛くない?』
『……グアアッ!…拳に……ッ!?』
王城の叫ぶ声が聞こえた。
『……王城の手のひらを尖った石のようなものが貫いている…?…浄一ッ!あなた一体何を……!?』
『…僕は何もしていない…。そして跳ね返ったはずの攻撃も全く痛くない……。一体何が起こってる…?』
『…チッ。…何をした?…いつの間にか攻撃を受けていたようだが……』
……離れたはずの王城が目の前に!
『…この距離なら完全に命を断てる…ッ!喰らえェェェェッ!!』
…「ロスト・ホライズン」の手刀が僕の頭上に!…この距離でそのスピードには僕のスタンドでは対応が……出来ないッ!
『……浄一ッ!!』
『………え?』
王城が先に攻撃を仕掛けたはずなのに……攻撃を受けていない。
…僕はそっと王城のスタンドが振り上げた手刀を見上げた。
…止まっている?…いや僅かに震えて空中で振り下ろすこともせずに留まっている?
『…グッ…。グアァァァァ……。く、くそ……浄一……一体何を……した…!?』
……!?
王城の腰から腹部にかけて尖った石のような、岩のようなものが貫通している……?!
『……一体何が…?』
『……浄一ッ!!一度王城から離れるのよ……
!』
……状況を把握出来ない僕は、静さんの声で我に返った。
……ダダッ
『……静さんッ!……一体何が…!?静さんが攻撃を…?!』
『わたしは何もしてないわ…!…でも王城の腹部に刺さっているものは「床から伸びてるモノ」……あれは…?!』
『アナタノ能力でアリ、ワタシノ能力デモアリマス、マスター。』
『……?静さん?今何て?』
『…?わたしは何も言ってないわ?』
『……気のせいか?さっき聞こえた声は…?』
『…ワタシノ声はアナタにシカ聞コエマセン。マスター。』
…背中越しに声が…いや、頭の中で聞こえる…!!
『…まさか、…お前か……?!
……「ムーン・リバー」!!?』
To be continued
『こ…ここは?………さっきまで王城が居た……部屋?』
仗助じいちゃんにつかまった途端、物凄い勢いで僕とじいちゃん、そして静さんは引っ張られてこの部屋に辿り着いた。
『……この部屋の床の破片を服の中に忍び込ませ、「クレイジーダイヤモンド」でその破片を直しこの部屋まで移動出来たわけじゃが…。王城との距離は100mほど…。追いつかれる前にこのままこの研究室内を逃げ回るんじゃッ!』
僕達三人は走り出した。
『…兄さん、どうして生きているの?…あの時王城から致命傷を負わされて、呼吸も止まっていたわ。なのに今は何もなかったように…。』
『正直わしにもようわからん。……しかし、1つだけわかったことがある。』
『………わかったこと?』
『……そうじゃ。どうして傷が治ったのかはわからん、…わからんが、浄一、これはお前の能力によるものじゃあないかと、わしは考えておる。」
『……え?僕の能力……?』
『そうじゃ…。お前の「ムーン・リバー」は身体を鎖状にする能力じゃったな?
……果たして本当にそうか?』
『…どういう意味…?………ッ!?』
ドゴンッ!!
研究所の廊下を走る僕達の横から壁を突き破って王城が現れた……!!
『…鬼ごっこはあまり好きじゃあないんだ。私の研究被検体として大人しくしてもらえないかな…?浄一、もはや君は死体だって構わないのだよ?…同じ遺伝子を持つ者であれば「スタンドの譲渡」は可能……。それを君の体で証明出来れば、この国の軍事力は飛躍的に跳ね上がる……!』
『…クッ!王城……ッ!!』
離れていたはずの王城が目の前に…!!
『……「空気摩擦のエネルギーをゼロ」にして追ってきおったか。…軍事力ねぇ、この国の軍事力を強化してまで自分の正義を押し付けたいのか?……まだまだ青二才じゃな。』
『……なんだと?東方仗助……。今のは聞き捨てならないな。……今の日本の現状を知らないからあなたはそんなことが言えるんだ。戦争によって敗国となったこの国がどれほど他国にへりくだってここまできたか知らないはずはないでしょう?……「ルールを作るのは勝者」これは紛れも無い事実…!!』
これまで冷静に話していた王城が初めて声を荒げた。
『……じゃから青二才じゃと言うんじゃ。「ルールを作るのは勝者」?……そもそもそのルールは誰が作ったんじゃ?……「更なる前の勝者」が決めた事に乗っかってるだけじゃあないのかね?』
『……なん……だと?』
『……仮に勝者がルールを作ると言うのならば、「敗者と共にルールを作る」と言うルールを作ればいいんじゃあないか?』
みるみる王城の表情は怒りに震えるようだった。
『…知った風な口をきくなァァァッ!!老いぼれがァァァッ!!』
ズンッ
…ポタポタ。
『…じ、じいちゃんッ!!』
じいちゃんの胸を王城の「ロスト・ホライズン」の腕が貫いている…。
『…チッ。……心臓を貫いては流石に生きられんだろう。あなたがいけないのだ、東方仗助…。私の思想を、理想を踏みにじろうとしたあなたが…ね。』
『…王城ォォォオッ!!!』
To be continued
仗助じいちゃんにつかまった途端、物凄い勢いで僕とじいちゃん、そして静さんは引っ張られてこの部屋に辿り着いた。
『……この部屋の床の破片を服の中に忍び込ませ、「クレイジーダイヤモンド」でその破片を直しこの部屋まで移動出来たわけじゃが…。王城との距離は100mほど…。追いつかれる前にこのままこの研究室内を逃げ回るんじゃッ!』
僕達三人は走り出した。
『…兄さん、どうして生きているの?…あの時王城から致命傷を負わされて、呼吸も止まっていたわ。なのに今は何もなかったように…。』
『正直わしにもようわからん。……しかし、1つだけわかったことがある。』
『………わかったこと?』
『……そうじゃ。どうして傷が治ったのかはわからん、…わからんが、浄一、これはお前の能力によるものじゃあないかと、わしは考えておる。」
『……え?僕の能力……?』
『そうじゃ…。お前の「ムーン・リバー」は身体を鎖状にする能力じゃったな?
……果たして本当にそうか?』
『…どういう意味…?………ッ!?』
ドゴンッ!!
研究所の廊下を走る僕達の横から壁を突き破って王城が現れた……!!
『…鬼ごっこはあまり好きじゃあないんだ。私の研究被検体として大人しくしてもらえないかな…?浄一、もはや君は死体だって構わないのだよ?…同じ遺伝子を持つ者であれば「スタンドの譲渡」は可能……。それを君の体で証明出来れば、この国の軍事力は飛躍的に跳ね上がる……!』
『…クッ!王城……ッ!!』
離れていたはずの王城が目の前に…!!
『……「空気摩擦のエネルギーをゼロ」にして追ってきおったか。…軍事力ねぇ、この国の軍事力を強化してまで自分の正義を押し付けたいのか?……まだまだ青二才じゃな。』
『……なんだと?東方仗助……。今のは聞き捨てならないな。……今の日本の現状を知らないからあなたはそんなことが言えるんだ。戦争によって敗国となったこの国がどれほど他国にへりくだってここまできたか知らないはずはないでしょう?……「ルールを作るのは勝者」これは紛れも無い事実…!!』
これまで冷静に話していた王城が初めて声を荒げた。
『……じゃから青二才じゃと言うんじゃ。「ルールを作るのは勝者」?……そもそもそのルールは誰が作ったんじゃ?……「更なる前の勝者」が決めた事に乗っかってるだけじゃあないのかね?』
『……なん……だと?』
『……仮に勝者がルールを作ると言うのならば、「敗者と共にルールを作る」と言うルールを作ればいいんじゃあないか?』
みるみる王城の表情は怒りに震えるようだった。
『…知った風な口をきくなァァァッ!!老いぼれがァァァッ!!』
ズンッ
…ポタポタ。
『…じ、じいちゃんッ!!』
じいちゃんの胸を王城の「ロスト・ホライズン」の腕が貫いている…。
『…チッ。……心臓を貫いては流石に生きられんだろう。あなたがいけないのだ、東方仗助…。私の思想を、理想を踏みにじろうとしたあなたが…ね。』
『…王城ォォォオッ!!!』
To be continued
『……「攻撃は最大の防御」とはよく言ったものだね。……さあ、浄一。残るは君1人だよ……。仲間になれだなんてもう言わないさ……。……君は殺さないが「ただのモルモット」になってもらう……!』
震える……。身体の震えが止まらない。
……これは恐怖なのか?…それとも絶望からか?
……涼太、久保、仗助じいちゃん、そして静さん…。
全員が王城達に殺されてしまった。
…僕1人で何が出来ると言うのだろう?
『……終わりだ。』
『…クックック。………これで君達は「全滅」だッ!……私が全滅へのピリオドを打ってやろう……!!「ロスト・ホライズン」ッ!!!」
『………終わり?少し早いんじゃあないか?』
……!?
『………!?………え……?………確かにあの時……死んだはず…なのに……?』
『………諦めるんじゃあない、浄一。…「一時退却」というのはあってもな、ジョースター家に「諦める」という言葉はないんじゃよ。』
『……貴様……!何故生きている!!…
…東方仗助………ッ!!』
『……ヌッフッフ。……さーて、何でじゃろうな?……さて、静?起きれるか?』
『……んん。……………え?………わたしの身体は王城に身体を貫かれ…。………………!?に、兄さんッ!?………何でここに……?……王城に確か……?!』
『じ、じいちゃん…!?………どうやって生きて……?』
『……説明は後じゃ…ッ!……来るぞ……ッ!!』
『……どうやって生きながらえたのか知らないが、今度こそ疑いのないほどの確実なる「死」を与えてやる…ッ!!』
『…油断じゃな。』
仗助じいちゃんへ向かう一歩を王城は踏みとどまった。
『…なに?なんのことだ?』
『…「油断」じゃと言ったんじゃよ。…一度殺した相手には負けないという慢心から来る『油断」じゃとな。』
『…どういう意味……ウグッ!!』
『……せ、背中に…!?……これは…「床の破片」…?!……グハッ!!……また……だと!?』
仗助じいちゃんが手にしているのは「床の破片」。それに先程王城から攻撃を受けた時に出血した血を付けている。
『………さっきわしを攻撃した時に着いた返り血は、既に乾いている…。そしてわしの傷口の血も……。その血を頼りに「クレイジーダイヤモンド」で直せば「自動追尾弾」になる……というわけじゃ……ッ!』
『……な、なんだとォォォッ!……この…ッ!この私にこれ程のダメージをォォォッ!!』
『…ヌッフッフ。どうじゃ?痛かろ?こんな攻撃は吉良吉影の時以来じゃな…。…ジジイとなってもこの東方仗助はいまだ健在というわけじゃ…!』
『……すごい。じいちゃんがこんなに強かったとは…。』
『……静ッ!浄一ッ!……ここは一旦逃げるぞッ!!……わしに捕まれ…ッ!』
……?じいちゃんの身体が少し浮いている?
『……「クレイジーダイヤモンド」!さっきわしが攻撃された場所の、この「床の破片」を直して……!』
『…ひ、引っ張られる!?』
グオオオオオオォォォッ
To be continued