まず、セリーグを制した広島カープとパリーグを制した日本ハムファイターズの首脳陣や選手ならびに関係者の皆様には心から「おめでとうございます」と。

そして、143試合を終えたタイガースの監督・コーチ、そして選手ならびに関係者の皆様には、「お疲れ様」と申し上げたい。

タイガースは シーズンの最後に 7連勝を果たし 4位になった。9月に入ってからの12試合で 3勝9敗となり、「最下位」の3文字が頭をよぎったが その後 7連勝を果たし、結果的には4位となりホッとしている。

そして、高山の新人王も決定的だろう。「終わり良ければすべて良し」という言葉があるが最後の7試合を7連勝した事は 来年に繋がってくれると信じている。

ただ、4位になった事で困った事が 一つある。それは今年のドラフト会議における指名順位の問題だ。

プロ野球ファンの多くは ドラフトはクジ引きだと思っている人も多いハズ。もちろん、1巡目の選手は 重複すればクジ引きになる。しかし、2巡目からはウェーバー制なのだ。


ウェーバー制とは、下位のチームから順番に選手を指名する事で、つまり、2巡目以降は、最下位のチームから獲得したい選手を指名していくのだ。

では、パリーグとセリーグでどちらの最下位チームが先に指名できるかとなるが、これは決まっており、昨年からその年の交流戦で多く勝利したリーグが先に選手を指名するルールになっている。

ここ数年、毎年のことになってしまったが、今年も交流戦はパリーグが多く勝利したのでパリーグの最下位であるオリックスから2位以降の選手を指名する事になる。その次がセリーグの最下位であるドラゴンズが指名する訳だ。

要は 1番から12番目の選手の指名が重複すればクジ引きだが 2巡目の指名である13番目の選手は まっ先にオリックスが獲得する事になる。14番目の選手は セリーグの最下位、ドラゴンズが指名するのだ。

3巡目の選手については反対にセリーグの優勝チームであるカープから指名する事になり、この方式に従ってタイガースは18番目の選手を指名し カープは24番目の選手と25番目の選手を指名する事になる。

仮に タイガースが最下位ならば全体で14番目の選手を指名できたのだが、実際には4位なので、18番目の選手を指名することになるということだ。

因みに昨年、タイガースが2位で指名した捕手の坂本は 実はジャイアンツが指名を予定していたらしい。しかし、指名順位が上位のタイガースが坂本を指名してしまった為に 小林に変わる捕手を獲得できず、ドラフト戦略の変更を余儀なくされた、という。

これは あくまで ネット裏で洩れ聞こえてきた噂なので、真偽は 定かではない。しかし、この話が本当なら 坂本が小林に変わり ジャイアンツの正捕手になっていた可能性もある、ということだ。とかくドラフトでは クジ引きばかりに注目がいってしまうが このように見えない所でもドラマが起こっている。

話を戻すと タイガースは 最後に まくって4位になった事で2巡目はスワローズや西武より後に指名する事になり 意中の選手をこの2チームに持っていかれる可能性がある。

Bクラスなら 4位も5位も一緒、という考えなら 何も無理して 4位にならなくても良いではないか、という考えは当然ある。現に Bクラスが決定したあるチームは ドラフトや来年を見据え、若手に切り替えて勝負を度外視していた。

一方でタイガースは 最後まで ベストメンバーを組み、投手もメッセンジャーや藤浪、岩貞といった主戦投手をつぎ込み、4位になった。仮に 最終戦を落としていれば 勝率でスワローズが4位となり ドラフトの指名順位がスワローズや西武より先になっていたのだ。

 
私は 当然、ドラフトの指名順位を鑑みる事も大事だと思うが今のタイガースにとっては 4位になる事の方が 大切だと思う。最後に7連勝した事が チームにも、そして若トラ達にも、良い影響を与えたと思っているからだ。

「自信を持つ」という事は 成功体験を積む事である。どんなに小さい事でも良いから成功体験を積む事が 「意欲」「根気」「向上心」に繋がる。反対に成功体験が無いと自信を失ってしまうのだ。

今シーズン、タイガースの選手の多くは 自信を失いかけていた。しかし最後に 勝てた事で 勝つ喜びを得て、来年は頑張ろう、という前向きな気持ちにさせたと思っている。

順風満帆な野球人生はない。監督の金本知憲を含めて こんなに辛いシーズンを経験したのは初めて、という人もいるだろう。この「有終の美」が 来年のタイガースに大きな力となると信じている。若トラ達の成長がチームの成長となる。来年のタイガースに大いに期待している。

さて、私のブログ読者の皆様、本年もご愛読頂き、ありがとうございました。また、たくさんのコメントも頂き、どれだけ力になったか 、心から感謝いたします。

いち解説者として 私ができるファンサービスは 私なりの野球観を書き綴る事だと思い、下手な文章ですが、一生懸命だけは忘れず、書いたつもりです。

そして、誤字脱字や「てにをは」の使い方をスタッフが丁寧に校閲してくれました。スタッフにも 心から感謝してます。

小中学校の頃、ろくに読者感想文も書けなかった私がこうしてブログを書いていることを当時の国語の先生が知ったらさぞや驚くと思います。

また来年、お会いしましょう。こんなブログで良かったら来年も読んで下さい。

読者の皆様の益々のご活躍とご健勝を心より願っています。


広澤克実