先月の31日、 高校生の試合にてホームベース付近で捕手と打者走者が接触、守備妨害として処理されるシーンを見た。

私は、普段、守備妨害という言葉は使わず「インターフェア」と発してしまうのだが、その時に ふと疑問が浮かんだ。「インターフェア」って どういう意味なんだろう、と。

普段使う言葉の中に意味も知らずついつい使っている言葉は多い。守備妨害=インターフェアなんだろうか、と疑問に思い、英語のできるアメリカのスポーツ通に聞いてみた。

すると、「インターフェアとは、妨害するという意味で、インターフェアは動詞でインターフェアレンスは名詞です」という答えが返ってきた。

「じゃあ、ディフェンスもオフェンスも妨害をすれば インターフェアなのか?」と私が質問すると「少し、時間を下さい」と言って電話を切られ、しばらくすると彼から再び電話が鳴った。

曰く、「野球の場合、守備妨害、走塁妨害、打撃妨害と有りますが、走者妨害だけオブストラクションと言い、その他はインターフェアと言います」、と。なるほど、これで 私の頭の整理がついた。

アメリカンフットボールやバスケットボールにもインターフェアの反則がある。守備側も攻撃側も 何らかの妨害行為という反則を犯すと「インターフェア」という罰則を与えられる訳だ。これでスッキリした。

そしてこのような事が起こった 3日後、今度は甲子園球場で行われた タイガース対ベイスターズ戦の2回裏、0死 ランナー2塁 、打者 大和の時に 守備妨害が起こった。

バントをした大和が捕手の守備を妨げたという理由だろう。あのプレーにタイガースベンチから抗議は無かった。それは、大和に非があり タイガースベンチがそれを受け止めた、という事だろう。

そもそも、野球は守備側が優先される。バッターボックス内は 一部例外だが ほとんどが守備優先だ。それを踏まえて タイガースベンチは抗議しなかったのであろう。大和の顔にも 「やっちゃった感」が出ていた。

すると、6回裏、なんとまたまた、インターフェアが起こった。1塁走者の北條がスタートを切り、ランエンドヒットの形になった。たぶん、ベンチのサインはバスターエンドランだったのだと思う。

大和の打った打球は セカンドベースのやや一塁側に行き 、それを捕球しようとしたセカンドの石川とスタートを切っていた北條が交錯し、2塁塁審が「守備妨害」をコールし 走者の北條がアウトになった。

このプレーに対しては、金本監督が猛抗議となった。テレビでは「北條は 真っ直ぐ 走っていただけで 何も悪い事はしてません」と アナウンサーが連呼していた。しかしここでの問題は 北條が真っ直ぐ走っていたかではなく、守備を妨害したか、である。

真っ直ぐ走ろうが曲がって走ろうが 守備を妨害したら守備妨害である。それが不可抗力であっても守備妨害だ。

私なりに スローで何回も検証したが 公正な目で判断すればこれは守備妨害を取られても仕方がなかった。仮に石川と北條が接触していれば 文句なしに「守備妨害」である。実際このプレーでは石川の右手と北條の右足が接触したようにも、していないようにも見える。

ただ、いずれにしても石川が打球を後逸したのは 北條が原因である事は間違いなく、北條の走塁が石川の守備を妨害したと判断されても仕方がないのだ。不慮の事故というか、不可抗力というか、ツイてない。

運は味方する事もあるが その反対のケースもある。私は 運は 関西弁で言う「行って来い」だと思っている。10個良い事が有れば、10個 悪い事が起こる。そもそも、人生は 行って来いだ。

ツイていない事が起これば いつか 運が味方してくれる時もある。

だいたい野球人は、アンラッキーな判定は記憶しているが 自分に有利な判定は覚えていない。10個 悪い事が起これば 10個良い事が起こる。タイガースに いつか 有利な判定が起こる事を信じている。

さて、先週はやっと連敗は止めたが まだまだ 打線は不安定だ。チームはクライマックス・シリーズ進出を狙っているのだろうけど 私は レギュラーシーズンを負け越したチームは クライマックス・シリーズに出る資格が無い、と思っている。

現行のルールなので 現場は必死なのだろうが レギュラーシーズンも負け越し、交流戦も負け越したチームが、日本一になり得る制度は そもそも間違っていると思っている。

もっと、レギュラーシーズンの優勝者にステータスを与えられる制度であり、また「日本一」という称号に相応しい制度であって欲しいと思っている。近い将来、タイガースに 本当の意味で「日本一」の称号を与えられる日を心から待っている。