この一週間は カープ戦で大敗し、またチームの状態が下降してしまうのかと心配したが 幸い、ドラゴンズに助けられた。
11日のカープとの試合は 本当に嫌な負け方をした。藤浪のバントを処理した際の1塁への悪送球にゴメスのまずいプレーが重なり勝ちゲームを落とした格好となった。
この最悪のムードの中で突然の谷繁監督の事実上の解任でチーム内がゴタゴタしているドラゴンズに当たるとは 本当に助かった。
おかげで当たりの出ていなかった選手にもヒットや本塁打が出て、さらに先発投手にも勝ち星が付いた。
チームの上層部がゴタゴタし、このようなチーム状況に陥ってしまったドラゴンズの選手達には気の毒な気持ちにもなるが これも運命と受け止め、ここから這い上がって欲しい。
さて、その11日のカープ戦でみっともない負け試合をしてしまったタイガースだが 翌日の新聞に「高代ヘッド「アホらしい」…一塁ゴメス、大暴投で逆転許す」という見出しが躍った。
まず、このブログでも再三指摘しているがこのケースでの大暴投は誤用である。
そもそも「暴投」とは ワイルドピッチの事で、ワイルドピッチは投手にしか出来ないミスである。野手であるゴメスの場合は「悪送球」にしかならないのだ。
ただ、「大悪送球」というのもおかしい。多分、この記者も「暴投」と「悪送球」の違いを知ってて、あえて「大暴投」と書いた可能性もあるが 野球のルール上、正しい使い方ではない。
ただ、これとは別の理由で今回私はこの見出しに嫌悪感を抱いた。「大暴投」にではない。「アホらしい」にである。
去年の晩秋の頃、山口県に講演に行った時の話である。そこで山口県のある町の教育委員会の方とお話をさせて頂いた。
その先生は 私より 2・3歳上の方で 若い頃は山口県下でも有数の進学校の数学の先生をされていたという。
進学校と言えど クラスの生徒が45人居れば、3・4人は落ちこぼれが出るらしい。その時、その先生は「こんなものも出来ないのか」と言葉には出さないが心の中で思ったらしい。
そりゃそうだ。県下で有数の進学校となれば 国立大学や名門と呼ばれる大学へ進学する訳で 集まった人達は みんな優秀な生徒ばかり。その中で落ちこぼれれば そんな感情になってしまうのは仕方ないと思う。
先生も教育指導のスケジュールに追われ、できる生徒をドンドン指導し、落ちこぼれの生徒は それなりの指導になってしまったのだろう。
ところが、その先生が 40歳を過ぎた頃 今度は県内の養護学校へ転属となったそうだ。そこでその先生は「こんなものも出来ないのか」から「どうすれば覚えてもらえるのか」に考え方が変わったそうだ。
今日は こんな指導をしようとか、こんな風にアプローチしようとか、一生懸命、覚えてもらう為の指導を考えたという。
ちょっとずつしか覚えて貰えなかったが 少しでも覚えて貰えた時は嬉しくて その喜びは 今でも忘れられないと言っていた。私は その話に感動した。
野球界の場合も同様ではないか。アマチュアで伸び悩んでいる人は、プロの、しかも一軍しかコーチをしてない人に野球を教わっても上手くならない。
言うまでもない、優秀な人間しか指導していない彼らの発想は「こんな事もできないのか」になってしまうからだ。
できない人間は、二軍へ落としたらいいのだ。二軍で出来ない選手はクビにしてしまう。どうしたら上手くなるのか、という考えになり難い。これがプロの厳しさでもあり、選手を育成できない一因でもある。
とかく、才能の有る人間を指導する事は簡単である。例えば、バッティングに才能の有る人間を指導する時は 根気よく バットを振らせておけば それなりの格好になる。
守備に才能の有る人間を指導する時はノックさえ打っていれば 勝手に上手くなってくれるのだ。
しかし、プロどころか 高校野球でも レギュラーになれない様な下手な選手を上手くする事は プロの一軍クラスしか指導していない人間には至難の技だろう。
従って、アマチュアの指導者の方が往々にして指導者としてのスキルは高いことがある。手を替え品を替え どうしたら上手くなってくれるかを日夜 考え指導しているからだ。
ゴメスみたいに元々守備力が劣る選手のミスを「アホらしい」と片付けるのは 誰にでもできる。
「アホらしい」という前に あなたはどんは指導をしたのですか?と私は聞きたい。
ただノックしていれば上手くなる選手もいれば、 オーソドックスなノックでは上手くならない選手だっているのだ。
大和なら誰がノックしても上手くなるわ!しかしゴメスのように守備力が劣る選手はそうもいかないのだ!
指導者の責任も大いにあるというのに全部選手に責任を押し付けた発言にはほとほと腹が立った。
少し、興奮して荒っぽい書き方になってしまったが、あの山口県の先生みたいに 指導者とはどうあるべきかを早く気付いて欲しいと願うばかりだ。
さて、今週のタイガースは カープ戦が2試合で その後 ジャイアンツ戦が3試合と上位チームとの戦いだ。タイガースにとって分が悪いチームだが ドラゴンズ戦の勢いをそのまま上位チームへぶつけ 今までのうっぷんを晴らして欲しいと願っている。
11日のカープとの試合は 本当に嫌な負け方をした。藤浪のバントを処理した際の1塁への悪送球にゴメスのまずいプレーが重なり勝ちゲームを落とした格好となった。
この最悪のムードの中で突然の谷繁監督の事実上の解任でチーム内がゴタゴタしているドラゴンズに当たるとは 本当に助かった。
おかげで当たりの出ていなかった選手にもヒットや本塁打が出て、さらに先発投手にも勝ち星が付いた。
チームの上層部がゴタゴタし、このようなチーム状況に陥ってしまったドラゴンズの選手達には気の毒な気持ちにもなるが これも運命と受け止め、ここから這い上がって欲しい。
さて、その11日のカープ戦でみっともない負け試合をしてしまったタイガースだが 翌日の新聞に「高代ヘッド「アホらしい」…一塁ゴメス、大暴投で逆転許す」という見出しが躍った。
まず、このブログでも再三指摘しているがこのケースでの大暴投は誤用である。
そもそも「暴投」とは ワイルドピッチの事で、ワイルドピッチは投手にしか出来ないミスである。野手であるゴメスの場合は「悪送球」にしかならないのだ。
ただ、「大悪送球」というのもおかしい。多分、この記者も「暴投」と「悪送球」の違いを知ってて、あえて「大暴投」と書いた可能性もあるが 野球のルール上、正しい使い方ではない。
ただ、これとは別の理由で今回私はこの見出しに嫌悪感を抱いた。「大暴投」にではない。「アホらしい」にである。
去年の晩秋の頃、山口県に講演に行った時の話である。そこで山口県のある町の教育委員会の方とお話をさせて頂いた。
その先生は 私より 2・3歳上の方で 若い頃は山口県下でも有数の進学校の数学の先生をされていたという。
進学校と言えど クラスの生徒が45人居れば、3・4人は落ちこぼれが出るらしい。その時、その先生は「こんなものも出来ないのか」と言葉には出さないが心の中で思ったらしい。
そりゃそうだ。県下で有数の進学校となれば 国立大学や名門と呼ばれる大学へ進学する訳で 集まった人達は みんな優秀な生徒ばかり。その中で落ちこぼれれば そんな感情になってしまうのは仕方ないと思う。
先生も教育指導のスケジュールに追われ、できる生徒をドンドン指導し、落ちこぼれの生徒は それなりの指導になってしまったのだろう。
ところが、その先生が 40歳を過ぎた頃 今度は県内の養護学校へ転属となったそうだ。そこでその先生は「こんなものも出来ないのか」から「どうすれば覚えてもらえるのか」に考え方が変わったそうだ。
今日は こんな指導をしようとか、こんな風にアプローチしようとか、一生懸命、覚えてもらう為の指導を考えたという。
ちょっとずつしか覚えて貰えなかったが 少しでも覚えて貰えた時は嬉しくて その喜びは 今でも忘れられないと言っていた。私は その話に感動した。
野球界の場合も同様ではないか。アマチュアで伸び悩んでいる人は、プロの、しかも一軍しかコーチをしてない人に野球を教わっても上手くならない。
言うまでもない、優秀な人間しか指導していない彼らの発想は「こんな事もできないのか」になってしまうからだ。
できない人間は、二軍へ落としたらいいのだ。二軍で出来ない選手はクビにしてしまう。どうしたら上手くなるのか、という考えになり難い。これがプロの厳しさでもあり、選手を育成できない一因でもある。
とかく、才能の有る人間を指導する事は簡単である。例えば、バッティングに才能の有る人間を指導する時は 根気よく バットを振らせておけば それなりの格好になる。
守備に才能の有る人間を指導する時はノックさえ打っていれば 勝手に上手くなってくれるのだ。
しかし、プロどころか 高校野球でも レギュラーになれない様な下手な選手を上手くする事は プロの一軍クラスしか指導していない人間には至難の技だろう。
従って、アマチュアの指導者の方が往々にして指導者としてのスキルは高いことがある。手を替え品を替え どうしたら上手くなってくれるかを日夜 考え指導しているからだ。
ゴメスみたいに元々守備力が劣る選手のミスを「アホらしい」と片付けるのは 誰にでもできる。
「アホらしい」という前に あなたはどんは指導をしたのですか?と私は聞きたい。
ただノックしていれば上手くなる選手もいれば、 オーソドックスなノックでは上手くならない選手だっているのだ。
大和なら誰がノックしても上手くなるわ!しかしゴメスのように守備力が劣る選手はそうもいかないのだ!
指導者の責任も大いにあるというのに全部選手に責任を押し付けた発言にはほとほと腹が立った。
少し、興奮して荒っぽい書き方になってしまったが、あの山口県の先生みたいに 指導者とはどうあるべきかを早く気付いて欲しいと願うばかりだ。
さて、今週のタイガースは カープ戦が2試合で その後 ジャイアンツ戦が3試合と上位チームとの戦いだ。タイガースにとって分が悪いチームだが ドラゴンズ戦の勢いをそのまま上位チームへぶつけ 今までのうっぷんを晴らして欲しいと願っている。