昨日の試合は 「自滅」だった。

失策が すべて 得点に繋がった。みっともなく、呆れ返る試合である。

ただ、プロとは言え、 長いシーズンの中には こんな試合もある。長年、タイガースを応援しているファンにとっても、見慣れた光景だろう。

今シーズン、こんな試合、あと3・4試合は見せられると思う。

昨日の試合だけというか単発的な考えなら 許容範囲だ。しかし、問題は これだけの戦力が有りながら 借金が「5」という事実である。

戦力は セリーグでは抜きん出ている。しかし、試合をさせれば 23試合を消化して 9勝14敗、チーム打率は 233、防御率 4.19。なのに選手の年俸は 球界 1・2番を争う、という現状。

抜きん出た戦力がありながら勝てない事が問題なのである。選手ひとりひとりの力はあるので この借金も いつかは 返すだろう。

しかし、チームとして機能していない事にもどかしさを感じる。これは今年だけの問題ではないが 戦力がありながら勝てない事もタイガースの魅力なら 寂しい話である。このような状況を早く打破して欲しいが いつになるやら………。

2回、打者・黒田に対し、2球続けて危ないボールが行き、黒田に激高された藤浪が帽子を取り謝罪した場面があった。

勝負をしている以上、年上も カープの英雄も 関係ない、という人も多いだろう。また、激高した黒田を「よいしょ」する報道もあった。

藤浪を応援する立場から言わせて貰えば、藤浪らしくて良かった。わざとでは無くとも 投手の黒田に対し、危険なボールを続けて投げてしまった事に帽子を取り謝罪した行為は 若干 21歳の藤浪らしさがあった。

両軍の選手が飛び出して来たが プロ野球だ、たまには このくらいはあっても良いだろう。それはそうと、昨日の試合は 途中から気が抜けた試合を見せられたが 6回表に 凄い プレーを目にした。

伊藤隼の本塁打で 6-3になり、代打・新井がフルカウントからレフトの前にフラフラと打ったシーンだ。

レフトの野間が目測を誤り、一度バックしてしまい慌てて前進してきたが捕れず2塁打にしてしまった。しかし、もの凄い速さでレフトの守備位置まで走り スライディングをしてきた選手がいた。「田中 広輔」という選手だ。あそこまで来るのか、と思うくらいの所でスライディングをしている。

捕球こそ 出来なかったが あの脚力と姿勢に驚いた。初めて 菊池涼介を見た時と同じくらいの衝撃である。田中と菊池の二遊間は 一時代を築くであろう。

菊池は今や全国区で、誰もが知る選手になったが、田中も 近い将来 全国区の選手になる。

「隣の芝生は青い」ではないが 羨ましい限りだ。その衝撃の直後、1死 2塁、打者・上本を迎えた場面。この回は 伊藤隼太の本塁打で6-3になり、新井のラッキーな2塁打でイケイケの場面だ。

初球、なんと上本はセーフティ・バントをしたのだ。これがサインだったとしても自分の考えだったとしても 愚かなことだ。

どうして、セーフティ・バントの発想になってしまうのか理解に苦しむ。

仮に 0死なら まだ 分かる。1死 3塁の形になる。そもそも論で言えば セーフティ・バントがヒットになる確率は低い。

プロの世界では 1割 程度だろう。しかも、相手にスキがないと決まらないものである。

上本は セカンド方向にバントをしているが この場合 2塁手の菊池がベースカバーに遅れるか 黒田がサード側にスタートをきり逆をつかれない限り成功しない。

菊池にしても黒田にしても それは考え難く、という事は 進塁させる目的が最優先でバントをしたのだ。

となれば、もともとバントが不得意の選手なので自分で考えたとは思えない。

あの場面、最優先させる事は塁に出ることだ。出塁する為に 四球でも死球でも安打でも何でも良いので、塁に出て ランナーを貯めるということが常套手段である。

上本なら 2回にタイムリー・ヒットを打っており、この日は黒田にタイミングが合ってた。本人が考えたとは 到底 思えない。

6回、3点差を追う攻撃としては愚策であった。これも、毎度のことなのだが 呆れるばかりである。

さて、本日の試合、負ければ 単独最下位だ。まっ、最下位でも 構わないが、まだ 菊池も丸も本調子には 程遠い。

寝ている子を起こすと 他のチームにも迷惑がかかる。せめて他のチームに迷惑をかけるような試合になってくれるなと、祈るばかりである。