皆さんは 東京ドームでのイベントなのだが、レジェンズ・シートというものをご存知だろうか?

読売巨人軍主催試合のイベントで その日 戦う両チームOBが 3塁側のスタンドでお客さんに生解説して楽しんでもらう企画モノだ。 私は 時々 巨人側のOBとして呼ばれる事がある。

だいたい、巨人・阪神が多く 昨年は 巨人側のOBが私で タイガース側のOBは金本で 楽しくやらせて頂いた。

昨日も そのイベントに呼ばれ東京ドームへ足を運んだのだが タイガースのOBが掛布雅之さんだった。掛布さんと言えば 我々にとっては憧れの人だ。

私が 大学3年生の時に 大学野球の試合が長くなり その後 行われる ヤクルト対阪神の試合開始が遅れた。明治大学が3塁側のロッカーを使っていたのだが 私が試合後、ロッカーに向かう通路で 前方から歩いてくる掛布さんを見つけた。思わず 息が止まり 動けなくなった。足早にベンチに向かう掛布さんを見てるしかなかったのだが なんと 掛布さんの後ろに 平田さんが一緒に歩いて来るではないか。

平田さんとは 今期からタイガースのヘッドコーチに就任した平田勝男さんで 私の大学の先輩だ。私が1年生の時の4年生でキャプテンだった人だ。

私は部屋子で 毎朝 6時に平田さんの部屋にヤクルトを2本持って行く係をしていた。私が「押忍」と挨拶すると、まっ、野球部の挨拶は たいがい、「押忍」なんだが、私を見つけた平田さんが「掛布さん、こいつに、革手あげて下さいよ」とお願いしてくれたのだ。

その瞬間、私の脈拍は MAXだったと思う。おもむろに 私を見た掛布さんは 「ごめん、俺、革手しないんだ」と私に言うと そのまま 通り過ぎた。平田さんが 私の肩を叩き「頑張れよ」と言って 掛布さんの後を追うようにベンチに向かった。

ほんの十数秒の出来事だったが 感動し過ぎて 興奮を抑えきれなかった事を 今でも 鮮明に覚えている。

掛布さんとは これまで、会えば挨拶をする程度の関係でしかなかったが 昨夜 一緒に解説をした事で なんか 距離感が縮まったようで嬉しくなった。憧れの人って 自分が何歳になっても 憧れの人なんだなぁ、と つくづく 思う。

さて、昨夜の試合、もったいない試合を落としてしまった。3対3 の同点に追いついた時、完全にタイガースの流れになったのだが  流れとか勢いは ちょっとした事で変わってしまう。

四球や失策、走塁ミスや配球ミス、心の油断や継投ミス、変わるタイミングはいくらでもある。

その中でも 四球と継投ミスは あからさまに目立つ。不用意な四球を出せば 雰囲気が一変する。

また、継投を誤れば 傷が深くなる。そんな6回裏だった。「新人の石崎には ちょっと酷だった」というコメントもあったが 私は 石崎で良かったと思う。

あの場面、1点 負けている状況では遼馬は 出せないので 投入できる投手は 、登録されたばかりの福原か石崎、金田か島本の中の選択になったと思う。

今のタイガースの攻撃陣なら7・8・9回で得点してくれるだろう、と、同点 もしくは逆転だってあり得ると考えるのは理解できる。

首脳陣としては  何とか最少失点でしのいでくれ、という心境だったと思う。あの場面は 石崎を選択するのは間違っていなかった。

ただ、岩田を引っ張り過ぎただけだ。岩田を引っ張り過ぎた事より石崎を投入した事を批判さているが それでは 石崎が気の毒だ。

あたかも、敗因が石崎にあるかの様に聞こえる。マスコミの悪いところだ。まだまだ シーズンは始まったばかりだ。石崎には これからも プレッシャーのかかる試合の登板もあるだろう。どんどん活躍して勝利に貢献して欲しい。

1度や2度の失敗なんて気にするな。石崎には リリーバーとして多いに期待している。さぁ、今日 勝って 甲子園に帰ろう。