先日の甲子園の巨人3連戦 3連敗を喫し、今季も優勝は 出来なかったと認識してから、今更、勝とうが負けようが その結果に一喜一憂する事は無くなったが それでもやはり、負けると気分が悪い。

ヤクルトの先発、徳山の投球を見て、徳山には 申し訳ないが この投手が打てないのなら 2位になる事も無理だろう、と思いながら観戦していた。

徳山は ストレートの球速が 140㌔を少し越えたぐらいで そこに カーブともスライダーともとれる球種とフォークボールが持ち球である。 初回こそ ストレートは143㌔前後だったが 5回のセットポジションでは 137㌔ぐらいしか出ていなかった。

徳山の特長は フォークボールで フォークボールなのにチェンジアップ気味に落ちる。コントロールもアバウトで 時々は コーナーに決まるが 全体的には緩急で打ち取るタイプだ。

もう一度言うが、この投手が打てないのなら、或いはこの投手を攻略するのに、狙い球を絞らなければ打てないのだとしたら 打者としての能力は相当 低い。もちろん、好不調があるので 一概には言いきれないが 昨夜の徳山を打てないのなら CSは 諦めざるを得ない。これでは 恥をかくだけだ。

解説者が「狙い球が絞れていませんね」と言うのを聞いたことがあると思うが 何で狙い球を絞るか、というとそうしないと打てないからである。

例えば、プロの打者が中学生の投手と対戦すると仮定しよう。この時、プロの打者は 狙い球など絞らない。絞らなくても反応で打てるからだ。ストレートにタイミングを計り、すべての変化球に対応する、という打法を使う。

また、高校生の投手と対戦する時も同じことである。そして、2軍の投手と対戦する時も だいたい 同じような打法になる。しかし、どんどん、投手のレベルが上がってくると この打法では 対応出来なくなり ここで初めて「狙い球を絞る」という作業に入る。

つまり、レベルの高い打者ほど 狙い球を絞って打つ投手は少なく、レベルの低い打者ほど 投手と対戦する時に色んな対策が必要になる。

昨夜の徳山なら、狙い球を絞る必要がなく、「何でも 投げなさい」というぐらいのスタイルで対応し、早いイニングでKOして欲しかった。徳山に対し、5回、3得点というのは 余りにも 寂しい内容だ。

今の調子だと 打線はこの先も 思いやられる。早く、春先の調子を取り戻して貰いたいと願っているが よっぽどの事がない限り あの調子を取り戻す事はないだろう。本当に残念である。

昨夜の試合、6回裏、0死 1塁で飯原を迎えた場面。初球、インサイドのスライダーがボールになり、2球目のストレートでストライクを取り、カウントが1-1になった場面だ。

3球目、バッテリーは 再度 インコースのストレートを選択した。コースも高さも良い所にコントロールされたが 飯原に、ものの見事に本塁打された。3球も続けて 同じような所へ投げれば「配球ミスだ」と批判する人も多いはず。しかし、逆の結果になり 6-4-3のダブルプレーになれば 「強気のリード」と評価される事も多々ある。

試合後の梅野のコメントで「詰まらせよう思いインコースの選択をしました」と語っているが その意志があってインコースを選択したのは 決して間違いではない。飯原が上手く打ったのだ。

このようにどんなに良いリードをしても 相手が上回る事もある。それを一概に「配球ミス」と言うのも おかしなものである。

飯原の1打席目に 外角のストレートを芯で捕らえられた事で内角球を選択をしたのだろう。つまり「泳がせて打ち取る」事より「詰まらせて打ち取る」選択をしたのだと思う。しかし、結果的には、右方向に打たれて 1・3塁になる事を嫌がり、本塁打を打たれてしまったのだ。

味方打線が当たってない、という事を無意識に考え、また、同点になれば、味方のリリーフ陣では しんどいという事を無意識に考え、このまま逃げ切ることだけしか頭に浮かばなかったのだろう。

梅野に 色んな事を求めるのは まだまだ 先の話である。先行投資とは言わないが いつしか 必ず 素晴らしい捕手になってチームを優勝へ導く選手になると確信している。そんな日が見られることを 首を長くして待っている。