昨夜の神宮球場は 観衆 27612人の大入りで、6位に甘んじる球団の営業としては タイガース様々だろう。

しかも、球場の半分以上が黄色だった。先日の広島戦も 巨人に3連敗を喫してしまったのにも拘らず 連日の大入り満員だ。本当に有難いことだ。

チケットは 随分前から 売り出しているため、この時期、もしかしたら、タイガースが首位にいるかも、と、先を見込んで 早めにチケットを購入した方も多いだろう。

あいにく、こんな結果になってしまったが、せっかく 購入したので 勿体無いから 球場に足を運んだのかもしれない。何はともあれ、人気球団で有ることを再認識させられた。

7回裏のヤクルトが攻撃に入る前に 神宮球場では 恒例の「東京音頭」が流れ、ヤクルトファンは みんなで合唱するのだが 昨夜はタイガースファンも一緒に歌っていた。中には 黄色い傘を持参している人も見受けられた。珍しい光景である。甲子園で六甲おろし(阪神タイガースの歌)をヤクルトファンが タイガースファンと一緒に歌っているようなもので 注視しているとタイガースファンも楽しそうに傘を上下に振っていた。

六甲おろしが正確には 阪神タイガースの歌(大阪タイガースの歌)であるように 東京音頭も 元々は「丸の内音頭」という曲名だった。

1970年代の応援団長、岡田正泰さんが傘を振って歌う事を考案した。前奏部分に「くたばれ読売」と合唱するのだが 昨夜はこの部分では タイガースファンも加わり 球場全体が「くたばれ読売」の大合唱になった。

思わず、笑ってしまった。岡田さんも生きていたら 大声で笑っていただろう。ダミ声のペンキ屋のおっさんで いつも スタンドから選手に声をかけていた。

当時、お客さんも まばらなので これがまた 声が よく通る。私が ライトを守っていた頃、よく話し掛けられ、うるさいので無視していると 「こらっ、広沢、無視すんな!」と よく怒られたものだ。

その後他界してしまった岡田さんに一言「ありがとう」のお礼も言えないままなのが心残りである。岡田さんのことだから 今も 高いところから ヤクルトを見守っているだろう。

ちなみに、サッカーのFC東京も この東京音頭を採用しているらしい。しかも、その歌い始めは ヤクルトと同じで「くたばれ読売」だという。


さて、昨夜の岩崎は 立ち上がりが非常に悪かった。私が見た中では 最悪の立ち上がりだった。2回裏の2死 満塁、打席に川端を迎え、カウントが 2ボールと先行した。3球目のストレートを川端がジャストミートしたが 打球が ライナーで大和のグローブに収まった。

もし、これが 外野を抜けていれば ぜんぜん違う結果になっていたと思う。実際、ブルペンでは リリーフ陣が準備を始めていた。

確かに運もあった。運もあったが あそこから立ち直る岩崎も立派である。あの不思議なストレートが蘇り 4回以降は ヤクルトの打者が岩崎のストレートに振り遅れ出した。

同じ140㌔でも 何か違う 岩崎のストレート。本当に不思議なストレートである。

今夜も 神宮球場は 沢山のお客さんが埋め尽くすだろう。そのお客さんが球場を後にした時、「良い試合だったね」「見に来て良かったね」となるような試合になる事を願っている。