能見が勝てない。
打線との兼ね合いもあるが 勝ち星に恵まれず 自己ワーストの6連敗で 今シーズン10敗目を喫した。

メジャーには QS (クオリティースタート)というものがある。これは6イニング以上3失点なら先発の責任を果たした事になるという指標だ。私にはこの考え方がどうも馴染めない。相手投手が0点に抑えているのに 自分は 3失点しても責任を果たした、なんて事は 私の育った野球環境にはなかった。

投手にしても野手にしても チームを勝利に導いてこそ評価されるものだと教えられてきた。まっ、「古い野球」といえば 古い野球で時代に合っていないのかもしれない。

そのQSが 最近では 日本でも 先発投手の良し悪しを計る「ものさし」になりつつあるようで そのことについてはどうしても違和感を感じる。そのQSという概念を当てはめれば 昨夜の能見は 先発投手としての責任を果たしたことになる。

昨夜に限らず、同様に敗れた前回の登板(3失点)も、前々回の登板(2失点)も 先発投手として責任を果たした事になる。

私はアメリカから入ってくるものが 必ずしも日本の野球文化には合うとは思っていない。まして、この指標を高校野球でも使うようになったら 高校野球の意義そのものを失うとも思っている。これはあくまで、個人的な意見である。

ただ、先発で そこそこに好投しているのにもかかわらず 勝ち星が付かないのも気の毒ではある。昨夜の試合も もっと味方の援護さえあれば 勝ち投手になれたかもしれない。

前回の登板は 完投をしてるのに負け投手になっている。勝負には 「運」が付きまとう。幸運もあれば不運もある。すべて 「運」のせいには出来ないが 実際今シーズンの能見はツイてないことも多い。

なんと言っても相手チームから「ストレート・フォークボール・チェンジアップ、それぞれが一級品で セリーグを代表する投手」と言わせるほどの投手である。何か ひとつ 歯車が噛み合うと ドドドっと勝ち出すと思う。今は 人事を尽くして天命を待って欲しい。

やれる事を すべてやった上で、結果が悪かったとしても威風堂々と胸を張って 批判を受け止める、それが エースというものだろう。「朝の来ない夜はない」。今はただ、人一倍 練習をする能見の努力が実ることを心から願っている。