昨夜は 快勝だった。

初回 鳥谷の先制スリーランで幸先良く始まり あとは 藤浪の出来次第ということになったが 1回裏の藤浪を見て 安心した。

一言で言うとバランスが良かった。また、いつもより ゆったりと投げているようにも見えた。藤浪の欠点でもある右打席方向に抜けるボールもほとんど無く 制球されたボールを投げていた。

今後も あの投球をしていれば 相当 勝てる投手になるだろう。藤浪は 150㌔を超える速球投手だが 多彩な変化球も投げる。彼の持ち球はツーシーム・カーブ・スライダー・カットボール・フォークボールと実に豊富である。150㌔超の速球にこれだけの持ち球があるのはメジャーリーグでこそ 珍しくないが 日本で、ましてや若干20歳の投手にしては過去にもそれほど例がない。

そこで まず思い浮かぶ投手がダルビッシュ有だ。次にそのダルビッシュに大きな影響を受けた田中将大である。この二人に 藤浪は 影響を受けたのだと思う。

150㌔を超える速球を投げながら 多彩な変化球を持ち球に持つ投手は 打者から見れば きわめて厄介である。その上、変化球の精度が高ければ もう、お手上げである。

少々、コースが甘くなっても ヒットゾーンに打ち返すことは なかなか 出来ない。それを証明したのが 昨年の田中将大だろう。24連勝、前人未到の記録である。

しかし、その田中将大が 肘を故障してしまった。もしかすると トミー・ジョン手術を受ける可能性もある、と報道されている。

トミー・ジョン手術とは 腱の移植手術のことだが 昨今メジャーでは この手術を受ける選手が、増えているという。ダルビッシュは こうしたケガ人の増加が 中4日の登板間隔やメジャーの使用球に問題があると言及している。今の段階ではダルビッシュの指摘したことが田中の故障の原因かどうかはわからない。

日本で 175試合 登板した田中将大が まだ、18試合しか登板していないメジャーリーグでの影響でケガをしたとは断言できないと私は思う。そこには色んな原因が考えられるわけで その原因がハッキリしないがために様々な憶測が飛び交う。

成長期の投げ過ぎという考えもあるだろう。フォークボールの多投を指摘する人もいる。いずれにせよ、明確に答えが出るのは もっと 医学が進歩してからだろう。

実のところ、藤浪にも肘の故障の不安が付きまとう。ひとえに20歳といっても まだ 成長期なのか、 もう 大人の身体になっているのか 個人差があるだろう。 ただ藤浪のインステップ投法は 明らかに肘や肩に負担が掛かる投げ方だ。そしてこうした負担の蓄積が 肘の故障へと繋がってしまうのだ。これは彼が高校時代の時から気になっていたことだ。

古くは 村田兆治さん、荒木大輔にはじまり、桑田真澄や松坂大輔も 肘の手術を受けている。最近では 和田毅も藤川球児も 肘の手術を受け 今 一生懸命 カムバックを目指している。

どうしたら 肘の故障を防げるのだろうか。
その解決法が見つからない今、ただただ、藤浪には 肘の故障とは無縁であってくれと 祈るばかりである。