昨夜のような試合を勝つのと負けるのでは 翌日の疲労度がまるで違う。

それでなくとも 交流戦は移動や考える事が多く レギュラーシーズンより疲れるという選手が多い。セリーグの人間から見れば 北は北海道から南は福岡まで 移動も広範囲だ。
しかも、所沢や千葉という関東でも交通の便が悪い所で試合をする訳だから 普段は移動が楽なセリーグの選手は この時期 大変だろう。

タイガースの選手も 普段 使用しない電車に乗る。東京駅から立川、千葉の宿舎の最寄り駅から東京駅。車を使うより電車の方が早いので この区間は 電車を使うのだ。特に QVCマリンフィールドで試合が終わって 帰阪するのが大変だ。

試合後、マネージャーから新幹線のチケットを貰う。だいたいにおいて、QVCマリンフィールドの試合は 土・日曜でデーゲームだ。つまり、日曜日のデーゲーム後、千葉から その日のうちに帰阪することになる。

球場近くのホテルに宿泊しているのだが 東京駅へ向かうルートが何本かあり ディズニーランドを経由する電車に乗ると最悪な事になる。日曜日の夕方、海の方に遊びに行った人やQVCマリンフィールドで野球を観戦した人にディズニーランド帰りの人が集中すれば 大変な満員電車だ。

タイガースの関係者は ディズニーランドを経由しないJRの駅にタクシーで行きそこから東京駅へ、そこから新幹線で新神戸へ帰途につく人が多い。選手にとっては 試合後で疲れているのに電車に乗り 風呂上がりのせいか汗が止まらず 汗だくになって 満員電車に乗るのだ。これは大変な移動である。

それに比べて、パリーグの選手にとっては この時期 移動が逆に楽になる。セリーグの主催する球場は すべて 新幹線の駅や空港に近く しかも 移動距離も短い。このような事からも 交流戦は パリーグの選手にとってはウェルカムだが セリーグの選手にとっては ネガティブ、という傾向になってしまう。

何れにしても そろそろ 交流戦のあり方を考える時期に来ている。今年からDH制をパリーグの主催ゲームからセリーグの主催ゲームに変えたが いま一つピンと来ない。もっと 選手もファンも楽しめる企画が そろそろ 欲しい所だ。NPB(日本野球機構)の企画力が問われる。

さて、昨夜の試合 ゴメスのホームランは凄かった。「ここぞ」という時に出たタイミング、そして飛距離、言う事なしだ。6対6の同点で迎えた9回表 2死 ランナー無し。こんな土壇場の場面で ホームランを打ったわけで まさに理想の4番打者の仕事である。

初球のスライダーがボールになり 2球目の147㌔のストレートを本塁打したわけだが 「甘いボールだった」とか 「ストレートを選択した配球ミスだ」とか言う人もいるけど どんなボールにせよ 本塁打を打ったゴメスが凄い。

初対決で、佐藤達のストレートの角度やスピードの感覚もわからなく 何の情報もない投手のストレートをひと振りで最上段まで運んだのだ。凄いの一言である。

これからはますます 変化球が多くなるだろう。それに伴い、ボール球を振ってしまうシーンも多く見ることになるだろう。みっともない三振も増えるだろうが 如何に それらに目をつぶれるかが 今後のカギとなるだろう。

ボールになる変化球を振るなとか、 逆方向に打てというような注文をゴメスにしてしまうと 昨夜のようなホームランは生まれない。首脳陣の「我慢」が カギとなるだろう。

オマリーやマートンとはタイプが違う。ゴメスみたいなタイプは ボール球を振ることとホームランを打つことはセットなのだと理解して欲しい。要するに、ボール球を振らなくなればホームランも生まれないのだ。

ここは上手くゴメスをコントロールして欲しい。兎にも角にも凄いホームランが出た試合だった。