「修正力」とは 間違いを正す能力、または手段という事らしい。

調子の良い時は この能力は あまり 必要としないが 調子が悪い時は この能力の有無が選手のパフォーマンスに直結する。

昨夜のメッセンジャーは 6日前(4月29日)のメッセンジャーとは別人だった。一番違っていたのがコントロールである。特に ストレートのコントロールが悪かった。

メッセンジャー自身も その自覚があり 一生懸命 修正しようとしていた。それに伴って ストレートの割合も増えていた。

2回裏 1死 ランナー無しから ヤクルトの荒木に本塁打を打たれたのも そのストレートを修正しようとして必要以上にストレートを投げたからだ。バッテリーも1アウトを取り 安心したのと、荒木なら「打たれてもヒットだろう」と思ったのだろう。その油断が 本塁打になったのだ。

それもこれも、何とかストレートを修正したい、早いイニングのうちに修正したい、という気持ちからそうなってしまったのだ。それぐらい コントロールは定まっていなかった。

しかしこの本塁打を皮切りに スライダーも、そして メッセンジャーの決め球であるスプリットもコントロールを失ってしまう。

雄平に センターバックスクリーンに叩き込まれたのも 甘めに入ったスライダーだった。

ここまで コントロールの悪いメッセンジャーは記憶にない。そもそも、ストライクを取るのに苦労する投手ではない。それだけに次回の登板が非常に心配である。

この日は 鶴岡とバッテリーを組んだが 私はベストパートナーは藤井だと思う。藤井だったら 縦のカーブを投げたり マウンドに行ってなだめたり もしかしたら メッセンジャーを立ち直せたかもしれない。

今、和田監督は鶴岡を主戦捕手として起用しているが 藤井と鶴岡では 捕手としての能力は 相当 差がある。藤井が主戦捕手で その目先を変える意味で鶴岡を 時々 起用する、これが 一番 相手チームが嫌がる事だろう。

もちろん、鶴岡自身が この先 マスクをかぶることで成長することもあるだろうが 現時点では どうしても差がある。

西岡や上本のケガによる離脱も大きいが 藤井の離脱も それに匹敵するくらい大きい。チームが危機的状態に陥った時、この舵取りが 指揮官の腕の見せどころである。

ピンチをチャンスに変える発想もあるだろう。チーム編成や育成を考える良い機会にもなる。選手登録 70人の中で 捕手が9人(今成・捕手登録)もいて 主戦捕手がケガをしても他のチームから来た捕手を起用せざるを得ないチーム。

清水を昨年の後半 あんなに起用して 今年の開幕でマスクをかぶらせ、今、このような時でも起用しないのは不思議でならない。

昨夜、伊藤和を炎上させてしまったのは 梅野のリードである。しかし、梅野は発展途上人だ。これは 責められないが 確かに 梅野と鶴岡では 鶴岡だろう。しかし、清水と鶴岡には そんなに差があるとは思えない。

清水の「伸びしろ」もあるだろう。今こそ、自前の捕手を育てるチャンスである。

昨夜、プロ入り初ヒットを打った荒木も含めて ピンチをチャンスに変える発想で起用する指揮官の勇気が求められる。

1番 セカンド荒木、8番 キャッチャー清水。こんなアナンスが名古屋ドームに流れる事を望んでいる。