荒っぽい勝ち方だが勝つには勝った。ただ、問題は多い。

一番、気になる問題はタイガースの勝ちパターンでもある中継ぎ陣のストレートが走らなくなった事だ。加藤も福原も 昨日は ストレートに勢いがなかった。

もちろん、疲れや登板過多もあるかもしれない。1日か2日、休んだら 再び元の切れが戻っているかもしれないが、先発陣が早めにマウンドを降りる事が これからも続けば 益々 彼らの負担も増えるだろう。そうなれば、問題は 一層 大きくなる。

一番良いのは 先発投手の完投だが 仮に そのような投手が何人か出てくれば タイガースがカープを捉えるのは時間の問題だろう。ただし、そのような投手が出てくればの話である。

いずれにしても 加藤や安藤、そして福原の球威が戻らないと話にならない。ヤクルトの投手陣みたいに いつまでも 甘い所に投げてくれるチームは少ないし、そもそも 打線は「水もの」だ。いつ、パタンと変わるかもしれない。あれだけ、完璧だったマートンがスランプに陥るのが野球の怖さでゴメスにしても いつ調子を落とすか分からない。

今のうちに 投手陣を立て直さないと昨年のように失速する事になりかねない。まずは 先発投手の整備が急務だ。とは言っても 榎田や岩田や秋山も 今ひとつだ。

能見・メッセンジャー・藤浪、この後が続かない。新人の岩崎は 頑張っているが あくまで 新人なのでプラスアルファぐらいに考えた方がいいだろう。要は 肝心の何年も プロの飯を食べた人が頑張らないと この問題は解決しないという事だ。

タイガースの投手は 先日の伊藤和の登録を含めて 31人も在籍している。つくづく 育てられないのだなぁと思うのだ。

おそらく、今年も この31人の中から4・5名は解雇されることになるだろう。そして、ドラフトで4・5名を補充するわけで 現在の在籍は31名だが 述べ人数になると ここ10年間では 相当の数になるハズだ。

藤浪にしても、メッセンジャーにしてもタイガースが育てたわけではない。むろん、岩崎も呉 昇桓も育てたわけではない。

育成とは「人の運命」にも関わる話でもある。ドラフトで、その選手の人生を預かるわけで責任は重い。

2007年4月1日 新人の小嶋は 初登板 初先発し 初勝利をあげた。試合後、監督室で当時の岡田監督から「監督賞」を貰い 嬉しそうな顔をしていたのを思い出す。2010年の西村の活躍も鮮烈だった。彼らの今はどうだろうか?

岩田も秋山も先発としては期待され 充分な素質を持ちながら、鳴かず飛ばずの状態である。岩本も歳内も鶴も なかなか 一軍に定着出来ない。

チームが勝てば そんな憂いは、みんなかすんでしまう。実はそれが 心配の種なのだ。一過性の勝利ではなく 常勝軍団を築いて欲しいものだ。