やっと、スカッとする勝ち方ができた。

しかし、気持ちは複雑である。それは カープの野村祐輔が打ち込まれたからだ。彼は 私の大学の後輩で 何度も 食事を共にしている。だから、昨夜の試合は 複雑な思いで見ていた。

昨日は彼にしては コントロールが甘く 球威も無かった。打たれて当然といえば当然なのだが 交代を告げられ ベンチに戻った祐輔が 痛々しかった。

エルドレッドが新井貴の打球をしっかり捕球していれば、なんて タラ・レバだが 思う試合だった。次回、祐輔には ちゃんと 修正して 良いピッチングをして欲しい。

ただ、、タイガースは ようやくきっかけになる試合を作れた。もちろん、きっかけだけで 今夜の試合次第では 元の木阿弥になる事だってあり得る。すべては 今夜次第だ。

とはいえ、9得点した事と能見が好投した事は事実だ。特に CSを見据えた時 1stステージは カープと当たる公算が高く 能見が昨夜 好投した事で計算が立つ。

メッセンジャーと能見で試合は作れるという計算が立った。広島側も 前田や大竹に計算が立つ、と考えているだろうが 前田はともかく 大竹なら打ち崩せる。

ただし、今のままなら 一昨日みたいにヤられることもある。打ち崩す条件は タイガース打線が調子を上げる事だ。

そうなれば もともと 大竹とは相性が良く ある程度 得点出来るだろう。仮に、3試合目へと進んだ場合、タイガースが藤浪、カープは 大竹か今夜登板するバリントンだろう。

したがって 今夜の試合は重要なのだ。今夜の試合でバリントンを打ち崩せたら 1stステージは 何とか勝ち上がれそうだ。

そして、巨人戦の第1戦目は 今夜投げるスタンリッジが務めるだろう。2戦目榎田 3戦目能見 4戦目メッセンジャー 5戦目藤浪 6戦目スタンリッジと私は予想している。

あくまで、私の予想である。しかし、この先発陣の充実ぶりは 他の球団を圧倒する。このピッチングスタッフが居て 貯金が8では 情けない。昨夜の試合をきっかけに調子を取り戻して欲しい。

さて、昨夜の試合で 久しぶりにエンタイトルツーベースを見た。4回表 坂が打った打球がワンバンドでスタンドに入った。

エンタイトルツーベースとは フェアーグランド内でワンバンドで外野スタンドに入ってしまう事だが 今のセリーグのフランチャイズ球場は フェンスが高く 最近では見なくなった。

もしかしたら、マツダスタジアムでは 頻繁に出ていたかもしれないが 私は 久しく見る事が無かった。

実は エンタイトルツーベースという言い方は 日本独特の言い方で 正確には 「グランドルール ダブル」という。

私が プロ入り2・3年目の頃 あの横浜スタジアムでエンタイトルツーベースを見た事がある。

考えてもみてほしい。あの横浜スタジアムでだ。それは、もう、びっくりした。

横浜スタジアムのフェンスの高さは 5.3m 、普通に考えてもフェンスを越える高さではない。高く上がった打球を右翼手が取り損ねてワンバンドで外野スタンドに入ったのだ。

長く野球に携わっているといろんな事を経験する。そういえば、エンタイトルツーベースといえば タイガースのオールドファンなら あの苦々しい思い出が蘇って来るだろう。

1992年 9月11日八木の幻のサヨナラ本塁打だ。平光審判が腕をグルグルと回し 一度は本塁打とされたが エンタイトルツーベースと訂正され その後 両チーム 決め手を欠き 試合時間 6時間26分というプロ野球最長時間となったあのゲームだ。

終わったのが 翌日の 12時26分 。バスに乗って宿舎に着いたのが1時30分近くで それから風呂に入り 食事を摂って 寝たのが朝方で しかも、次の試合がデーゲームだった。

懐かしい思い出だ。そんな事を思い出させる 坂の「グランドルール ダブル」だった。

さぁ、今夜の試合。今後に期待の持てる試合になるのか、またしても ガッカリさせられるのか、今後のタイガースの行方を占う試合になりそうだ。