嫌な予感が過ぎった。

4回 裏、石原の内野安打でカープに先取点が入った時 これが決勝点になるんじゃないか、と そんな嫌な予感が過ぎったのだ。

なにしろ、繋がらない打線だ。 かと言ってメッセンジャーは 本当に 良い投手だと思う。広島カープから見れば こんな厄介な投手は いないだろう。

あの長身から投げ下ろす 150キロを越えるストレートと140キロ台のカットとツーシーム。それに 緩いカーブに 何と言ってもフォークボールは 魔球の領域だ。あれを 打つのは本当に難しい。

だから、相手はボール先行カウントの時に ストレートを狙い打つしかないのだが それでも カープ打線は メッセンジャーのストレートに力負けしていた。

実に 良い投手だ。

こんな投手を味方にしているのに この利点を活かせない。先に 1・2点でも取ってあげれば スイスイと7・8回まで行ってしまう内容だ。

なんともメッセンジャーが気の毒に思える。四球と梵の守備に助けられて やっと 1点を返したが それ以上の反撃力は無かった。

カープ打線は 何とか メッセンジャーを攻略しようとする姿勢が見える。石原の1塁へのヘッドスライディングが その表れであろう。

一方、 肝心のタイガースは 大竹に対して 必死さが見えず 淡白なバッティングを繰り返すだけだ。そんな状況を横目にメッセンジャーは 150球を投げる力投を見せた。

マウンドに立つメッセンジャーの頼もしさと 、凡打を繰り返す打線の不甲斐なさが 悲しい程に対象的で、何とも言えない「もどかしさ」を感じる。

このまま、終わってしまうのか?

組織として機能しない理由は 何なのか、原因を突き止めない限り この問題は来季以降にも継続する。戦力の編成も大事だが 組織を組織として機能させる事も非常に重要だ。

1950年 2リーグ制に別れてから タイガースの優勝は 5回。日本一が1回。一方、巨人軍の優勝34回、日本一が22回。

大きく差が開いた理由は 戦力というより組織だったのかもしれない。セリーグは 来年以降も 戦力的には 巨人と阪神が 他の球団を上回るであろう。

野球というスポーツは 単純にそれだけでは勝敗は決まらないが この2球団が戦力的には 他の球団を圧倒する事は間違いない。

となると、問題は 組織としてチームとして機能するかどうか、である。私は その問題を解決する方法論を持ち合わせていないが その方法論を持ち合わせている人物は 必ずいるハズだ。その人物に 組織の長をお願いし組織を機能させてもらうか、或いは、的確なアドバイスを出すアドバイザーになってもらうか、2つに一つだ。

2003年以降 赤星がいて今岡 金本 矢野 桧山 下柳 JFKがいて鳥谷 能見 マートン スタンリッジにメッセンジャー、そして 西岡 藤浪、これだけ時代を代表する選手達が在籍していたのにも関わらず 今年を含めて12年で 優勝が 2回では 淋しすぎる。

本当に 淋しすぎる。

これからを考えてもタイガースファンの苦労が 目に見えるようだ。
まっ、しかし、こんな試合を見せられれば 愚痴や文句も ついつい出てきてしまうというものだ。ただ何とか チームが立ち直って欲しいのだが しばらくの間 こういう状況は続いてしまうのだろう。