残念な試合だった。

「虚脱感」
「脱力感」

を感じる試合内容だ。

もっと、厳しい言い方をさせて貰えば「無気力」にさえ思える内容だった。

チームが好調の時に はしゃぐのは簡単だ。自分の調子も良い、チームも勝ってる、こんな時には誰だってワイワイやれるものだ。

しかし、チーム状態がドン底だったり、絶望感がチームを襲ったときそのチームを鼓舞する人間が 必ず 必要となる。

それが チームリーダーでありキャプテンというものである。

ただ、成績が良い、実績がある、野球の能力が高い、だけでは 真の チームリーダーにはなれない。今、タイガースに必要なのは こうしたチームを鼓舞する人間、つまり、真のチームリーダーが必要なのだ。

なにも和田監督が指名した鳥谷を個人的に批判するつもりはない。ただ、私が考える理想のチームリーダーの問題は、ここ何年も タイガースは解決していない。

今、チームにとって一番大事な時である。何しろ、今年一番の危機的状況である。こんな時、仲間の肩をたたいて「頑張ろうぜ!」と言える人間が必要なのだ。

お通夜じゃないんだ。何だ、あのベンチの雰囲気は!

こんな時こそ、みんなで ワイワイ、大きな声を出してプレーするのが野球というスポーツだ。それを先頭に立ってやれる人間がチームリーダーだと私は思う。

確率は低くなってしまったが 優勝の可能性はまだある。CSも日本シリーズもだ。

そして何よりも、それを信じて応援してくれるファンがいるのだ。

人間の本性は ドン底の時に表れる。余裕がある時に 本性なんて表れない。こんな時こそ、明るく 元気に 大きな声を出し 野球をやったらいいんだ。こういう事を けしかけるのがチームリーダーだと私は思う。

残り 31試合、目標がぼやけ出したチームを何とか立て直す為には 監督の役割も大切だが、チームリーダーの役割も大切である。むしろ、こんな時は チームリーダーの方が大事かもしれない。

もちろん、リーダーとしての資質があったとしても実績が伴わなければ この世界では、なかなかリーダーとしては認められない。
ここに難しさがある。

成績重視で選べば リーダーに向かない人間を選んでしまいかねない。しかし、資質重視で選べば 成績が伴わない……。難しい問題である。
しかしながら、団体競技である以上、リーダーは必要だ。

「リーダーの資質以上にチームは伸びない」

野村克也さんの著書に書いてあった。

つまり、リーダーの資質とチーム成績は比例する、という事なのだ。

ここで 勘違いをして欲しくないのは リーダーの資質がない=ダメな人間、ではない。人間には 必ず 長所と短所があり、持っているものと持っていないものがある。

残念ながら、リーダーとしての資質とはある種の特殊能力であって、それを持っている者は多くない。

チームの補強ポイントとして、右の強打者とかクローザーとか、言われるが チームリーダーもそのひとつだろう。人材として望ましいのはやはり生え抜きがいいだろう。チームの編成においてはそういうことを考慮して欲しいものだ。

ドラフトでどんな選手を指名し、どのように構成していくか。FAやトレード、自由契約選手に至るまで目を凝らしながらチームを構成するのが編成だ。だから、編成こそがチームの心臓部に当たるのだが、ここ何年もドラフトで指名する選手は タイプの同じような選手ばかり。

大和や田上、荒木や北條みたいなタイプだ。誤解しないで欲しいが、これらの選手もチームにとっては必要な選手だ。しかし、チームには4番打者も捕手もチームリーダーも必要なのだ。

藤浪がうまくいったじゃないか?という人もいるかもしれない。しかし これは 別に編成力という話ではないだろう。

「人を見る目」が編成には求められる。4番打者や捕手、チームリーダーを育てるのは一朝一夕ではいかないのだ。長い時間を要する。

それにしても、ついつい、あんな試合を見せられると 愚痴の多いブログになってしまう。愚痴や文句を言いながらも 見てしまうのがタイガース戦ではある。

しかし昨日まで 113試合、TV観戦も含めて 全部見たというファンもいるだろう。これは本当に ありがたい事だ。今日こそは、今日こそは、と信じているファンの為にも スカッとする試合を期待している。