私は 2000年にタイガースに入団して以来 14年間 タイガースと関わってきた。

その間、ユニホームを着た期間がコーチ時代を含めて6年間、 解説者・評論家という立場から8年間 タイガースを見てきた。

タイガースファンにとって 14年間というのは「新参者」だろう。

生まれた時から 何十年もタイガース一筋の方も たくさん おられると思う。そんな新参者が言うのも 何だが、

「情けない」
「だらしない」

そんな思いだ。

腹が立つファンも多いだろう。

大事な試合の大事な場面で 考えられないミスが出てしまうのも 信じられない事だが、しかし、それは昨日の試合に始まったことではない。

色んなシチュエーションを想定していれば 細かい確認作業は必要となる。
監督はスーパーマンではない。
だから、コーチ達 がする仕事で、それは、想像力や経験によるものなのだが この作業が細かければ細かいほど スモールベースボールとなるのだ。

この事は 春先のブログにも書いたのだが、こんな大事な3連戦だったというのに 一体どんな確認作業をしたのだろうか?

例えば、巨人は 阪神戦の前にDeNA戦があり その際、満塁のピンチで 1塁へピックオフプレーをしている。ピックオフプレーとは 大きくリードしている走者や油断している走者をサインプレーでアウトにしようとするプレーだが 1塁手がロペスにもかかわらずピックオフプレーしていたのだ。

実は外国人が参加するピックオフプレーは珍しい。私は そのプレーを見て「巨人も こんなサインプレーをするのか」と驚いたのだが もし、このDeNA戦のVTRをコーチがチェックしていれば 初回 2死 1・2塁 ピックオフプレーで鳥谷はアウトにならなかったはずだ。

さらに、サードコーチャーのストップとゴーの確認。複数の走者がいるとき、前のランナーが右手、後ろのランナーが左手の動きを見ることになっている。
昨日のマートンのケースだと 右手がマートン 左手が新井になる。右手を回しながら左手で新井を止める事もある。吉竹コーチは マートンを止めたかったのか ホームへ行かせたかったのか 分からないが(スローVTRで見れば止めているようだ) そんな事分かってるよ、と思われる事でも確認作業は行ったのだろうか?

ランナーが打球の行方を見失う時がある。その場合、頼りにするのはサードコーチャーだ。コーチャーの手があやふやな動きをすれば ランナーも迷う。このように 選手から「そんな事、分かってるわ」と言われそうな事でも細かく確認作業をするのがコーチの責任である。

細かい確認を繰り返せば、選手から 嫌われるかもしれないが だからと言ってこれを怠ってしまうと、 これからも失敗は起こり得る。これからも 大事な試合は続く。こうした確認作業はしっかり やって欲しい。

さぁ、まだまだ、戦いは続く。とは言っても、もう、残り 32試合になってしまった。しかも、8ゲーム差の絶体絶命である。

先日のブログにも書いたが「最後まで あきらめない」なんて 当たり前の事を言うつもりはない。
逆転優勝の可能性はある。
もちろん、相当、厳しい。しかし、何があるのか分からないのが野球だ。

残り 直接対決は4試合ある。4連勝する事はもちろん、巨人戦以外の28試合でも、5・6敗しかできない。数字的に厳しい事はわかっている。

ただ考えてもみて欲しい。この後、大きな連勝、例えば、10連勝でもしようものなら、ガラっと状況は変わる。プロ野球の歴史の中で 10連勝なんて いくらでもあったのだ。

つまり、可能性は まだまだ あるということだ。
今日からの試合、そんな思いが感じられるプレーが見られるのか それとも巨人戦の敗戦を引きずった覇気のないゲームになるのか、本当の真価が問われる。

当然のことながら、私は 楽しみにしている。

「最後まで あきらめない」そんな思いがファンの皆さんに伝わる試合になると思っている。選手があきらめていなかったら 応援する方だって あきらめる訳にはいかない。最後まで しっかり 応援したい。

144試合、どんな事があっても 最後まで応援するのがファンであり、そのファンをサポートするのが 私の仕事だと思っている。

残り 32試合、本当の真価が問われる。