首位攻防戦に相応しく、接戦で 良い試合だった。しかし、ここで勝つチームと負けるチームの差とはなんだろう。

自信とか優勝経験といったメンタルなものなのか、歴然とした実力差なのか、それとも両方なのか、タイガースとジャイアンツの違いを考えてしまう。

まずは戦力の差について。調子が良い・悪い選手、或いは、故障者の有無なども有るが 全体的な戦力は ほとんど 変わりないと思う。しかし、育成や教育の差、更にはレギュラー陣の扱い方といった首脳陣の能力差は有るように感じる。

「無視・賞賛・非難」という言葉がある。これは 人を評価する基準みたいなもので よく野村克也さんが私が現役だった頃、頻繁に使っていた言葉だ。

監督からの評価として「 無視」されている選手は箸にも棒にもかからない選手だという。ファームでもレギュラーになれない選手で一軍の監督からみれば まだまだ「無視」という評価だ。

次に、監督から「賞賛」されている様では、まだまだ 半人前だという。そして「非難」されて初めて一人前なのだ、という話をよく聞かされた。

つまり、一流と認めるから「非難」するんだ、と言うのだ。その意味でがむしゃらにプレーする若手選手を非難するだろうか?

一人前の選手は、一生懸命プレーしていても内容が悪いと非難される。つまり、一生懸命プレーしていても非難や批判を受ける人間は「優秀な人間」なのだ。

私が思うに 和田監督の足りないことは この選手を非難するという事。ここでの「非難の対象」となる選手は 西岡・鳥谷・新井貴・藤井・能見である。

昨夜の試合なら 野村さんや星野さんなら エースとして踏ん張れない能見は非難の的だったと思う。藤井の配球も「意図が伝わってこない」 と非難されたと思う。また、彼らを非難する事で 他の選手に与える影響も大きいだろう。

思い返せば2003年、よく矢野が星野さんから叱られていた。矢野が怒られると 若い投手達が ピリッとなった。今後、タイガースが大人のチームに変わる為に選手達だけに何かを求めるのではなく 首脳陣も 自ら変わる必要があると思う。

伝統の一戦だとマスコミは盛り上げるが 2リーグ制になってから セリーグの優勝回数は巨人の34回 に対し、阪神はたったの5回。これでは とても ライバル関係とは言えない。

しかも 5回というのは セリーグでは5番目で 日本一も 1回しかない。これだけの お客さんを集める球団で、なおかつ創設 1935年という歴史ある球団が寂しい限りである。

日本シリーズも 4連敗したまま、13・5というゲーム差を逆転された あの屈辱の記憶も鮮明に残っている。半沢直樹の「倍返し」ではないが、 倍とは言わないまでも 7・5差ぐらいのゲーム差ならばひっくり返して欲しい。

もし、現実に7・5ゲームをひっくり返す事が出来たのなら そんな爽快な事はない。私も 当時のコーチとして 少しは 気が晴れるのだが 現実的には 難しいだろうと思っている。

選手を叱咤激励出来るのは首脳陣しかいない。選手を良い方向にも悪い方向にも導けるのが首脳陣だ。ただ、「激励」は誰にでも出来る。「叱咤」が出来るかどうか、そこがコーチ陣の良し悪しを問われるところだ。主力選手を「叱咤」出来るかどうかは来年以降も タイガースのカギを握るだろう。

さて、ブログ読者の皆さん、明日から 8日までブログを休ませて頂きます。母校、明治大学の野球部の夏キャンプに参加します。私たちの頃は 「地獄の夏合宿」だったのですが 今では懐かしい思い出です。長野県の飯田市で 練習してます。

また、9日に お会いしましょう。