何と脱力感のある試合だったんだろう。

前田健太は言うまでもなく、好投手だが 今は そんなに調子が良くない。事実、6月の3試合で 15失点を喫している。何よりも 今年は完封はおろか、完投勝ちすらまだないのだ。

まさか、名前負けしたわけでもないだろう、と思うのだが、その可能性も否めない。

3回裏 1死 1・2塁で 大和のレフト前ヒットで 秋山をホームへ突っ込ませるのは焦りかも知れない。考えてもみて欲しい。普通、ランナーが投手、打者が大和、外野手が前進守備という状況で レフトの正面に打球が飛べば 1死であることや次打者が3番鳥谷という状況を考え ランナーコーチは ストップをかける。

まして タイミングがクロスプレーならば 尚更だ。「タイミングはセーフだった。」という和田監督のコメントがあるが ルイスが打球を捕球した場所は ショートのすぐ後ろだった。どう 見ても タイミングはクロスプレーだ。

あれを「タイミングはセーフだった。」と言うならば責任は秋山という事になってしまう。秋山の走塁に 何かロスがあり本来セーフだったものがアウトになったという事になる。

私が見たところ 秋山に落ち度はない。3塁コーチャーの吉竹氏をかばったのかもしれないが、もう、こういうシーンは 何度となく見せられている。せめて、投手をクロスプレーでホームへ突っ込ませるのは やめて欲しいものだ。

それだけではない。8回裏 1死 1・2塁 打者大和の場面。お決まりのセーフティバント。いつもの事だが 力が抜ける。今の現役の選手達は 将来 指導者になっていくわけであって そんな彼らは一体こういうことから何を学ぶのだろう。私は それが心配である。

極め付けは 9回 0死 1・2塁 新井良に強攻策である。それならば、8回の大和の場面もフリーで打たせるべきである。大和がバントなら 新井良の場面もバントか代打である。そもそも、先発が 前田健太と分かっていながら6番に新井良を入れるオーダーも理解しにくい。

こういうことが重なって、言いようもない脱力感を感じる試合になった。絶好調の前田健太に負けたのなら仕方ない。しかし、昨日の前田健太を打ち崩す事は出来ただけに 残念な試合となった。

ベンチの力で勝つ事もある。また、采配で負ける事もある。しかしベンチだけが試合をする訳ではない。競馬の用語に「馬なり」という言葉がある。これは 騎手がムチを打ったり、手綱を引いたりせず馬の行く気に任せて走ってる状態、という意味なのだが、今のタイガースは 色んな意味を込めて 是非 馬なりでお願いしたい。