まず、やはり昨日は能見に尽きる。

9回の負傷降板が気になるところだ。とにかく今季の能見は抜群の安定感だけに軽傷であることを祈るばかりだ。

中6日なので大丈夫だとは思うが、なにしろ過去にサードベースで止まったぐらいで骨折をした人間だ。心配である。今のタイガースに彼がいる、いないでは大違いである。なんとか無事にローテーションを守ってもらいたい。

思えば、能見の今季の好調はシーズン前のWBCの疲れを感じさせない。むしろ彼にとっては その経験が好影響を与えたかもしれない。WBCというイベントはシーズン前ということもあって、各国とも投手の布陣に苦労する。

日本でも過去、WBCに出てシーズンが不調に終わるというケースもあったように思う。今年はパリーグでは田中将大が無傷の10連勝を挙げるなど、WBC出場投手の活躍が目立つ。

一方、あまり影響がないといわれている打者の方に不調な選手(稲葉、長野、井端など)が出てきているところを見ると、WBCの出場とシーズンの好不調の因果関係は よく分からないが、世間一般で言われる「疲れ」ではないような気がする。

「疲れ」ならばもうとっくに快復しているだろう。私は疲労ではなく、微妙な部分が影響しているのだと思う。考えられるのは やはり 練習不足だろう。2・3月に ちゃんと 自分の身体をイジメとかないと 野球選手はダメなんだろうなぁ、と思う。

とにかく能見にとっては世界と戦った経験が良い方向に作用しているようだ。エースとしての風格が確実にアップしている。

新井良に関しては 連敗を止める一撃が出て何よりである。これを良いキッカケにして欲しい。

まず、目に止まったのが新井良のスイングだ。ホームランになったスイングは実に速かった。ホームランになったのだから タイミングもフォームも素晴らしいのは当たり前なのだが、それよりも 私は バットスピードが速くなっている事を賞賛したい。

バットスピードというのはバットを振らないと速くならない。つまり、新井良は努力をしている、という事になる。技術も大事だがパワーも大事だ。しかし、パワーをつける為には練習が必要だ。打者にとって練習とは、バットを振る事である。

どんなに技術論を頭に入れても、バットを振らないことには意味がない。こうして 2軍降格から這い上がってきた背景に、バットをよく振っていた事があのスイングを見てわかる。

まっ、これをきっかけにますます躍進して欲しい。本格的な夏に向けて辛抱のしどころだが、それぞれの選手がこうした「努力」を怠らなかったら自ずと首位も見えてくるだろう。